テレビ界を彩る華やかなゴシップとスキャンダル 海外ドラマで垣間見るセレブな世界を楽しもう!

れはなにもテレビドラマに限った話ではないかと思いますが、普段あまり接することがないような憧れの世界を垣間見ることが出来る…というのも、海外ドラマの大きな魅力の一つ。もちろん、それが全てではないにせよ、多かれ少なかれ外国を舞台にしているというだけで何かワクワクするものを感じる、というファンがいても当然のことだと思います。言ってみれば、非日常の疑似体験みたいなものですね。そして、恐らくその極め付けとも言えるのが、きらびやかでゴージャスなセレブの世界なのかもしれません。

レブという言葉がいつ頃から日本に定着したのかは見解の分かれるところですが、比較的最近であることは間違いないでしょう。ちょうど海外セレブのゴシップが一部のファンに持てはやされるようになった時期、つまりアメリカでもブリトニー・スピアーズやパリス・ヒルトンらの自由奔放過ぎる恋愛遍歴やパーティ三昧の放蕩生活、ドラッグやアルコールの依存症問題などが面白おかしく報道されるようになった時期だったように思います。とにかく、日本でもアメリカでも若い世代のリッチな女性有名人の破天荒な行動に世間の注目と関心が集まるようになったわけです。

The O.C.れに拍車をかけたのが、カリフォルニアに実在する高級住宅地オレンジ・カウンティで暮らす高校生たちの贅沢で華やかな日常をスキャンダラスに描いたドラマ「The O.C.」('03〜'07)だったと言えるかもしれません。主演のミーシャ・バートンやレイチェル・ビルソンはファッションアイコンとして全米のティーン女子に絶大な影響を与え、彼女たちが身に着ける高級ブランドファッションをお手本にする女性が激増。ドラッグやアルコールの問題など、下手にお金を持っていることが原因で起きる大人顔負けのスキャンダルなどもファンの好奇心を掻き立てました。よくよく考えれば、そのお金を稼いでいるのは、実業家や医者などを務める彼らの親なんですけれどね。

、この「The O.C.」人気は瞬く間に過熱し、実際にオレンジ・カウンティに住む本物の金持ち高校生たちにスポットを当てた「ラグナ・ビーチ」('04〜'06)というリアリティー番組まで作られて大ヒットしました。この番組からはさらにロサンゼルスの上流社会へ舞台を移した「The Hills」('06〜'10)というスピンオフ番組が誕生。脚本ありきの疑似ドキュメンタリーという点が賛否両論を呼んだものの、こうしたリッチな若者たちの奔放な恋愛とセックス、高級ブランド品に自家用ジェット、パーティやバカンスなどに彩られた豪華なライフスタイルは主に同世代の女性からの支持が高く、ほかにもリッチな黒人ティーンの日常を記録した"Baldwin Hills"('07〜'09)や有名女性タレントの私生活を追った"Audrina"('11)など、似たようなリアリティー番組が幾つも作られています。恐らくゴシップ誌を読むのと同じような感覚なのでしょう。正直なところ、個人的にはまーったく関心ないんですけれどね(笑)。

バークにまかせろういえば、かつてアメリカのテレビで描かれたセレブ…つまり昔でいうところのお金持ちというのは、そもそも酸いも甘いもかみ分けた大人の専売特許でありました。例えば、元祖セレブドラマとも言うべき「バークにまかせろ」('63〜'65)。主人公のエイモス・バーク(ジーン・バリー)はロサンゼルス市警の殺人捜査部長を務める大富豪。ビバリーヒルズでも有数の豪邸に暮らし、毎日のように美女をとっかえひっかえはべらせ、運転手付きのロールスロイスを乗り回すダンディな独身貴族のバークが、上流階級を舞台に起きる様々な事件を解決していくというお洒落な推理サスペンスでした。往年の映画スターばかりを配した豪華なゲスト陣、実際にビバリーヒルズ界隈で撮影されたゴージャスな雰囲気なども魅力。なによりも、当時40代半ばだった主演のジーン・バリーを筆頭とするベテラン俳優たちが醸し出す、粋で洒脱な大人の贅沢な世界というものが一番の見所だったと言えるかもしれません。大富豪の美男美女夫婦(ロバート・ワグナーとステファニー・パワーズ)が素人探偵として様々な事件を解決する「探偵ハート&ハート」('79〜'84)なんかも、やはり同じような面白さを持った作品だったと思います。

して、究極のセレブドラマとも言うべきなのが「ダラス」('78〜'91)と「ダイナスティ」('81〜'89)。'80年代初頭に世界中でブームを呼んだ"プライムタイム・ソープ(ゴールデンタイムに放送される昼メロ風ドラマの意)"の双璧ですね。確か「ダラス」はABBAのヒット曲の歌詞にも出てきました。どちらもアメリカ上流階級の大富豪一族を主人公に、金や権力、セックスを巡る様々な陰謀や裏切りが渦巻くドロドロの愛憎劇です。特に、存在そのものがゴージャス極まりない往年の大女優ジョーン・コリンズが、これまた絵に描いたような究極の悪女を演じる「ダイナスティ」は最高の面白さ。他にもリンダ・エヴァンズやパメラ・ベルウッド、ヘザー・ロックリアなど、大人の濃厚なセレブ美女が大挙して出演。さらに、東ヨーロッパのモルダヴィア共和国で行われた結婚式にテロリストが乱入し、主要登場人物の大半が銃撃されてしまうというシーズン5のフィナーレは、今や米テレビ界の伝説ともなっている衝撃的なクリフハンガーでした。とにかく、どちらの作品も莫大な財産と権力を持った大人しか出てこないので、まず"金持ち"のスケールが違うんですよね。人によって好き嫌いがあるとは思いますが、僕なんかはこういうケタ外れなセレブの方に興味を惹かれます。どんなに頑張ったって真似出来ませんから(笑)。

りあえず、ニューヨークはマンハッタンの高級住宅街アッパー・イーストサイドに暮らすティーンセレブたちを描いた「ゴシップガール」('07〜)がこの秋にシーズン5へ突入するということで、まだまだ若い世代のセレブ人気というのは衰えを知らないのかもしれません。ただ、以前にもここのコラムで紹介した「ダラス」の新シリーズが、いよいよ来年の夏に全米で放送されるらしいので、もしかすると今度はアダルトなセレブの世界にも注目が集まるようになるかもしれませんね。

なみに、日本ではセレブというとお金持ちのことを指しますが、英語では本来"有名人"を意味する言葉。いくら大金持ちでも世間的な知名度が低ければ、アメリカではセレブと呼ばれませんのでご注意を。

文:なかざわひでゆき

テレビだからといって侮るべからず!驚異的な進化を遂げるSFドラマの今とは?

PROFILE

なかざわひでゆきHideyuki Nakazawa

映画/ポップ・ミュージック研究執筆家

1968年6月26日生まれ。旧ソ連のモスクワにて育つ。日大芸術学部映画学科および大学院卒業。'91年よりフリーライターとして映画や海外ドラマを中心に活動。『デジタルTVガイド』や『スカパー!TVガイド』、『TVガイド』など毎月多数の雑誌で執筆するほか、『スカパー!e2TVガイド』では9年近くに及ぶコラム「映画女優LOVE」を連載中。また、人気海外ドラマの公式ホームページなどでも数多く活躍中。

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