F1GP全戦生中継
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今季の見どころ
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新王者ルイス・ハミルトン擁するマクラーレンだが、開幕前のテストではタイムが伸びず。連覇に黄信号が灯っている
(C)Bridgestone Corporation

新技術レギュレーションのもと、
低迷する王者マクラーレンとフェラーリ

 100年に一度と言われる経済危機が世界を震撼させている中、F1も10年に一度と言われるような大きな変革が今年、行なわれた。それは車両を製造する上での技術的なレギュレーションが様々に変更されたからである。

 06年ベースでダウンフォースが50%削減されるようにエアロダイナミクスに手が加えられた新レギュレーション。これにより前後のウィング形状が変わり、前後のホイール間に装着されていたエアロガジェット(バージボードやフィン、チムニーダクトなど)がほとんど姿を消し、ディフューザーのデザインが一新された。これまで経験したことがない分野での開発を強いられたためか、各チームのデザイナーたちが発表させてきた09年型F1マシンは、どれも個性的な外見となっている。

 これは裏を返せば、新レギュレーションに対して、まだエアロダイナミクスにおける正解が出ていない証拠で、昨年までのチーム間のパワーバランスも一変している。昨年9年ぶりにドライバーズチャンピオンを獲得したマクラーレンはウィンターテストで低迷。コンストラクターズ王者のフェラーリにも、昨年まで築いていた絶対的なアドバンテージが見られない状況だ。

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テストで安定した力を見せているトヨタ陣営。F1参戦8年目、悲願の初優勝が現実味を帯びてきた
(C)Toyota Motorsport GmbH.

初優勝期待のトヨタ、台風の目となるかブラウンGP

 逆にウィンターテストで好調なのが、トヨタである。いずれのテストでもつねに上位につけ、信頼性も高い。昨年まで約1秒あったフェラーリとの差はほとんどなくなり、悲願の優勝も夢ではない仕上がりとなっている。トヨタとともにウィンターテストで好調なのがBMWザウバー。06年にチームが結成されたBMWザウバーは当初5カ年計画を立て、5年目となる来年の目標はチャンピオン獲得である。そのためには、今年は昨年の1勝を上回る成績を残したいところである。そのほか、天才デザイナーであるエイドリアン・ニューウェイの力作である『RB5』と成長著しいセバスチャン・ベッテルを手にしたレッドブルにも飛躍する可能性は十分ある。

 フェラーリ&マクラーレンの2強は、ウィンターテストを見る限りは明暗が分かれている。フェラーリは昨年までのアドバンテージがなくなったものの、依然上位につけているのに対して、マクラーレンは開発競争で完全に出遅れた。3月になって、新型のリアウィングを登場させ、フロアとエンジンカウルも一新させてきたが依然、タイムシートの下位に沈んだまま。名門チームだけにこのままでは終わらないと思われるが、今年はシーズン中のテストが禁止されているだけに、マクラーレンといえども、この後れを取り戻すのは容易ではないだろう。

 対照的に3月に入ってから、注目を集めているのが新生ブラウンGPだ。ホンダ撤退後、再結成されたロス・ブラウン率いる新チームは、ウィンターテスト初テストとなったバルセロナでトップタイムを連発。テスト段階とはいえ、新車『BGP001』に高いポテンシャルが秘めていることを感じさせる走りを披露しており、09年シーズンの台風の目になるかもしれない。

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フル参戦2年目を迎える中嶋一貴。タイヤに優しい走りは新レギュレーションのマシンでは有利に働くと見られ、鈴木亜久里、佐藤琢磨に続く日本人3人目の表彰台に期待がかかる
(C)Williams F1

日本人3人目の表彰台を目指す中嶋一貴

 ただひとりの日本人ドライバーとして、F1を戦う中嶋一貴(ウイリアムズ)は、今年は2年目のシーズン。チーム内での信頼も厚くなり、ドライビングに集中できる環境が整い、昨年以上の成績が期待できる。また今年は溝付きからスリックタイヤに変更されたものの、サイズがエアロダイナミクスの関係で昨年と同サイズとなったため、リアタイヤに厳しくなった。そのため、タイヤに優しい走りが身上の一貴に、この変更が有利に働くことが考えられる。日本人として3人目の表彰台を目指す戦いが期待される。

 そのほか、今年は新しい試みとして、KERS(運動エネルギー回生システム)の使用が認められた。1周につき約6秒間のエキストラパワーの使用が可能なこのシステムは、予選での一発のスピードはもちろん、スタートのロケットダッシュ、そしてレース中のオーバーテイクボタンとして使用できるので、これまでとは異なるレース戦略が見られる可能性がある。ただし、このシステムの使用は任意であるため、今年は車体の重量が増えることを嫌った数チームが使用を見送っている。また、ウィンターテストで使用していたチームの中にも、信頼性の問題から実戦投入を見合わせているところもある。果たして、開幕戦でどのチームがKERSを使用してくるのかも注目されるところだ。

 1950年にスタートしたF1世界選手権。今年はその60周年となる。メモリアルイヤーに相応しい戦いに期待したい。

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