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GP展望&新レギュレーション解説
M.シューマッハの引退で加速する新世代バトル
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第2戦マレーシアGPで表彰台に登ったフェラーリのK.ライコネン、マクラーレンのF.アロンソとL.ハミルトン(右から)。若き才能がしのぎを削る2007年の覇権は誰の手に渡るのか。Photo:(C)Bridgestone Corporation
 2007年のF1は、新しい時代の幕開けを迎えた。それは、史上最多となる通算91勝を挙げ、ドライバーズチャンピオンに通算7度輝いたミハエル・シューマッハが、2006年限りで引退。帝王不在のシーズンとなったからだけではない。トップチームが軒並みドライバーラインアップを変更し、新しい体制で臨んできたからだ。
 まず、帝王と昨年終盤までタイトルを争い、M.シューマッハ時代にピリオドを打ったフェルナンド・アロンソがルノーからマクラーレンへ移籍した。7年ぶりにカーナンバー1を手にした古豪はチームメイトに、ジュニアチームでカート時代から育成してきた秘蔵っ子のルイス・ハミルトンを抜擢。昨年のGP2王者でもあるハミルトンは、開幕戦でいきなり表彰台に立つと、マレーシアとバーレーンは連続2位を獲得。F1史上初めてとなるルーキーによるデビュー以来3連続表彰台登壇という偉業を達成し、4戦目でもこの記録を更新した。
 帝王が抜けたフェラーリには、マクラーレンからキミ・ライコネンがやってきて、開幕戦でいきなり移籍後初優勝を挙げた。開幕戦でいきなり移籍後初優勝。そして、上記の3人と立ち向かうのが、ウィンターテストでフェラーリを支え、第3戦バーレーンGPでようやく今季初優勝を挙げ、第4戦スペインGPでも連勝を飾ったフェリッペ・マッサである。ディフェンディングチャンピオンのアロンソ、驚異の新人ハミルトン、無冠の「アイスマン」ライコネン。そして帝王最後のチームメイトのマッサを加えた4人が、今年のF1をリードしていくことは間違いない。
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今シーズン、各チームはブリヂストンタイヤに合わせたマシン開発、タイヤ交換の新レギュレーションなど新たな課題に直面しなければならなくなった。Photo:(C)Bridgestone Corporation
ブリヂストンのワンメイク時代突入
新レギュレーションで問われるチーム力


 ミシュランが2006年限りでF1から撤退。2007年のF1はブリヂストンのワンメイクで争われることとなった。昨年までは、各チームが自由にグランプリで使用するタイヤスペックを決めることができたが、今年は事前にブリヂストンが指定した2種類のスペックしか、グランプリでは履くことができなくなった。しかも、年間を通してブリヂストンが供給するタイヤスペックは4種類に限定されているため、チームはいかにタイヤに合わせたクルマづくりを行なうかがポイントとなっている。そのため、昨年にも増して、今年は各チームのクルマの開発力が問われるシーズンとなるだろう。
 また昨年までとは異なり、今年からF1はレースで2種類のタイヤをどちらも装着しなければならなくなった(ウエットタイヤに履き替えた場合は、適用外)。開幕4戦を終えた時点では、そのタイヤ使用に関するレギュレーション変更が、レースの勝敗に大きく影響を与えることはなかったが、今後タイヤに厳しいサーキットではなんらかの影響を及ぼすことが考えられ、各チームのレース戦略の組み立て方が注目される。
 そのほかにも、今年からセーフティカーが出動すると同時にピットレーンが閉鎖されたり、セーフティカーラン中に周回遅れのマシンが同一周回として隊列に戻ることができるなど、レースがより一層エキサイティングなものとなることが予想される。
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チーム創設2年目を迎え、確実なステップアップを遂げたスーパーアグリ。エースの佐藤琢磨が、第4戦スペインGPで念願のチーム初ポイントを獲得した。Photo:(C)SAF1 07
スーパーアグリ、トヨタ、ホンダの新たなる挑戦

 スターティンググリッドに着くだけでも奇跡と言われながら、昨年18戦を戦い抜いたスーパーアグリ。最終戦ブラジルGPでは佐藤琢磨が、日曜日のレースで10位完走を果たし、2年目へ向けて確かな手応えを感じつつシーズンを締めくくった。
 迎えた2007年。その期待がいきなり現実のものとなる。開幕戦メルボルンで2台のスーパーアグリは初めて予選で第1ピリオド(Q1)を通過。勢いに乗った琢磨は、さらに第2ピリオド(Q2)でもトップ10となるタイムを記録し、強豪ひしめく最終ピリオド(Q3)へ駒を進めるのである。そして第4戦スペインGPでは、琢磨は終始力強い走りを見せ、8位入賞。念願のチーム初ポイントを獲得し、1年前の開幕戦が嘘のような成長ぶりをアピールした。
 日本勢の中で序盤3戦連続ポイント獲得と、安定した力を発揮しているのがトヨタである。F1参戦6年目を迎えたトヨタは、今年がモータースポーツ活動50年目の節目の年。秋には念願の日本グランプリをホームグラウンドである富士スピードウェイで開催することも決まっており、それまでにフェラーリ、マクラーレンのトップ2とのギャップを縮めておきたいところ。6月いっぱいで冨田務TMG会長が退任し、組織変革が今後のチームの躍進にどのような影響を及ぼすのかが、注目される。
 また、昨年ハンガリーGPで第3期F1活動初優勝を果たしたホンダは、今年スポンサーカラーを廃し、地球をイメージした「アースカー」なる画期的なコンセプトのクルマを登場させてきた。技術的にも、昨年型マシンの進化形ではなく、まったくのブランニューマシンを登場させ、勝負に出てきた。現在はその産みの苦しみの最中で、なかなか結果に結びつかないレースが続いているが、改良進めば、ヨーロッパラウンドで台風の目になる可能性も十分あるだけに目が離せないところだ。

※成績等のデータは、2007年第4戦スペインGP終了時のものです。
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