S・スピルバーグが送り出したジュブナイル映画の名作 時を超えて愛され続ける『グーニーズ』

S・スピルバーグが送り出したジュブナイル映画の名作 時を超えて愛され続ける『グーニーズ』

宝探しのワクワク感とスリリングな展開も楽しい『グーニーズ』

  • 青春シネマクロニクル

S・スピルバーグが送り出したジュブナイル映画の名作
時を超えて愛され続ける『グーニーズ』

2021/08/23 公開

愛さずにはいられないキャラクターも見事!

大海賊「片目のウィリー」の伝説が伝わるアメリカ北西部の海辺の町グーンドックス。そこで暮らす少年マイキー(ショーン・アスティン)の家では、親友のマウス(コリー・フェルドマン)、チャンク(ジェフ・コーエン)、データ(キー・ホイ・クァン)からなるグループ「グーニーズ」が集まって別れを惜しんでいた。というのも、彼らの両親たちに多額の住宅ローンを貸していた地元の資産家パーキンスが、ゴルフ場拡張のために立ち退きを迫っていたからだ。

そんな最中に、彼らは立ち入りを禁じられていた屋根裏部屋で、マイキーの父が若い頃に収集していた古い地図を発見する。スペイン語がわかるマウスのおかげで、それが伝説の大海賊「片目のウィリー」が遺した財宝のありかを記す地図だと知ったグーニーズは、「これで親の借金を返せる!」と、地図に記された岬の突端にある廃墟に侵入。ところがそこはお尋ね者のギャング、フラッテリー一家の隠れ家だった。果たしてグーニーズはギャングの目をかいくぐって財宝をゲットできるのだろうか……。

隠れ家の地下に洞窟を見つけた子どもたちは、財宝を探すが…

1985年に公開された『グーニーズ』は、『E.T.』(1982年)で「子どもたちが活躍するコメディタッチのアクション映画」という金脈を発見したスティーヴン・スピルバーグが、自身が設立したアンブリン・エンターテインメントで製作したキッズムービーである。脚本を手がけたのは公開当時25歳だったクリス・コロンバス。ニューヨーク大学時代に書いた脚本が認められてアンブリン入りしていた彼は、『グレムリン』(1984年)に続いて本作を執筆したわけだが、グーニーズの4人に加えてマイキーの兄ブランドン、彼が憧れているチアリーダーのアンディ、メガネをとると何も見えないステフといったメインキャラクターの性格づけや書き分けは見事の一言。観客の誰もが推しキャラを見つけることができるはずだ。

また、悪役のフラッテリー一家(母親と息子たちというメンバー構成は、ロジャー・コーマン監督による1970年作『血まみれギャングママ』を踏まえているのだろう)の描き方も凶悪一辺倒ではなく、コミカルなのがイイ。特に次々にひどい目に遭い続ける一家の長男ジェイクと次男フランシスのコンビは、後年コロンバスが監督する『ホーム・アローン』(1990年)の泥棒たちを彷彿とさせる。

フラッテリー一家のママに虐待されていた三男スロースとグーニーズが育む絆にも心温まる

二世俳優やブレイク前のキッズ・スターが大集合

メガホンをとったのは、『オーメン』(1976年)や『スーパーマン』(1978年)で知られるベテラン監督リチャード・ドナー。廃墟の地下に広がる洞窟に仕掛けられた様々なブービートラップのスリリングな描写は、さすがこの後『リーサル・ウェポン』シリーズを監督する人物ならではの仕事だ。

メインの俳優が全員子役でありながら、ドラマがしっかり成り立っているのは、後に『ハリー・ポッター』シリーズを手掛けることになるコロンバスと、元は俳優だったドナーの2人の手腕あってのものだろう。

発明好きのデータを演じたキー・ホイは日本でファンクラブができるほどの人気者に

そんな子役たちには、当時将来を嘱望されていたメンバーが集められている。データ役のキー・ホイ・クァンは、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)に続いてのスピルバーグ作品への出演。当時のハリウッドでこれだけ活躍したアジア系の子役は彼くらいだろう。アンディ役のケリー・グリーンは、本作と『ルーカスの初恋メモリー』(1986年)でアイドル的な人気を博した。

また、『奇跡の人』(1962年)でヘレン・ケラーを演じてアカデミー賞を受賞したパティ・デュークの息子であるショーン・アスティン、「ドクター・ウェルビー」(1969~76年)などで人気を博したジェームズ・ブローリンの息子ジョシュ・ブローリン、祖父にジョン・キャラダイン、父にキース・キャラダインを持つステフ役のマーサ・プリンプトンなど、二世(マーサは三世)俳優が多いのも特徴だ。

マイキーとその兄ブランドをそれぞれ演じたショーン・アスティン、ジョシュ・ブローリンは現在も大活躍

こうしたキャストの中で後年最も成功を収めたのはジョシュ・ブローリンだが、当時の一番人気は『グレムリン』に続いてコロンバス作品に出演したコリー・フェルドマンだった。なにしろ本作で人気が爆発した彼は、『スタンド・バイ・ミー』(1986年)、『ロストボーイ』(1987年)と、子どもたちが活躍するジャンル映画のスターへと上り詰めたのだから。

こうしたフェルドマンのキャリアは、現在第一線で活躍する、ある子役俳優を思い出させる。 そう、Netflixのドラマシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」(2016年~)でブレイクし、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』2部作(2017~19年)、そして『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(2021年)と立て続けにこのジャンルに出演しているフィン・ヴォルフハルトである。

昨年、チャリティのためにキャストがオンライン同窓会を開いたことも話題に!

というか、『グーニーズ』を観れば、「ストレンジャー・シングス」がいかに多大な影響を受けているかがわかるはず。「ストレンジャー・シングス」のクリエイター、ダファー兄弟もその点については意識的だったのだろう。同作のシーズン2ではショーン・アスティンを、主人公たちが所属する中学放送部の大先輩という役柄で大フィーチャーしている。

文=長谷川町蔵

長谷川町蔵●ライター&コラムニスト。「映画秘宝」「CDジャーナル」「EYESCREAM」などに連載中。著書に「インナー・シティ・ブルース」(スペースシャワーブックス)、「文化系のためのヒップホップ入門1~3」(アルテスパブリッシング/大和田俊之と共著)、「ヤング・アダルトU.S.A.」(DU BOOKS/山崎まどかと共著)など。人生で最も観た映画は『ブレックファスト・クラブ』。

<放送情報>
グーニーズ
放送日時:2021年9月6日(月)5:45~

グーニーズ【地上波吹替完全版】
放送日時:2021年9月5日(日)14:30~、23日(木)13:30~

チャンネル:ムービープラス
※放送スケジュールは変更になる場合があります