ノンフィクションW デヴィッド・ボウイの愛した京都
10/18(土)02:00~03:15
世界が知らないボウイの創造の源泉が京都に?!いま時空を超えてロンドン、ベルリンと京都がつながる…。
音楽にファッション、アート、舞台芸術などを取り込み、常に変貌を繰り返すことで唯一無二の存在として時代を牽引し続け、2016年1月10日、69年の生涯を終えたデヴィッド・ボウイ。彼の作品の中でも、ベルリンの壁崩壊へ向けて人々の心を突き動かした1977年の名曲「ヒーローズ」は金字塔として知られているが、この番組は同名タイトルアルバムに収録されているインストルメンタル「モス・ガーデン(苔庭)」に注目した。
この作品の制作当時、一度はスターダムに駆け上がったボウイが、その喧騒とドラッグ漬けの毎日から逃げるようにベルリンに入り、音楽の再構築に取り組んでいたことは周知のことだが、一方で彼が日本の京都へひそかに通い東洋の美や、その心に触れることで、自己を見つめ直す旅を繰り返していたことはほとんど知られていない。番組は、京都でボウイと交流があった関係者から貴重な証言を入手した。そこからは表舞台では決して語られることのなかった彼の“素顔”と、“創作の源泉”を愚直に自己探求した表現者としての生きざまが見えきた。京都を愛したボウイが、複雑な要素を一切排除した楽曲「モス・ガーデン」を創作したその神髄に迫る。
デヴィッド・ボウイの輝かしいキャリアの中に、日本人クリエイターの活躍があることは世界に誇るべき事実だ。番組は、世界を席巻していくボウイを目の当たりにしてきたファッションデザイナー・山本寛斎、写真家・鋤田正義、スタイリスト・高橋靖子らの貴重な証言を記録した。
名盤『ロウ』『ヒーローズ』『ロジャー』の“ベルリン3部作”を制作した時期、ボウイがツアーの合間を縫うように訪れていたという京都。彼は京都で何をしていたのか?取材によって見えてきたのは、ボウイが若かりしころから心のよりどころとしてきた東洋思想であり、ステージ上では決して見せなかった“人間ボウイ”の姿だった。さらにボウイの生まれ故郷と、苦悩の時代から抜け出すべく制作に没頭したベルリンの録音スタジオを取材。時空を超え、ロンドン、ベルリンと京都が、一つの線でつながる―。新しい視点で、ボウイの創作の原点を探った。