バットマンほか、様々なDCヒーローたちの活躍を振り返る!(『バットマン ビギンズ』)

スーパーマンにバットマン、アクアマン、フラッシュも!
エンタメ界を盛り上げてきたDCヒーローの活躍をプレイバック

2024/03/04 公開

今やアクション・エンターテインメントの中心的ジャンルとして、メガヒット作を連発しているヒーロー映画。多彩なヒーローたちの活躍は、世代を超えてワールドワイドに愛されている。そんなヒーローたちを数多く輩出しているのがDCコミックだ。スーパーマンにバットマン、アクアマン、ワンダーウーマン、シャザム…などなど。スクリーンを彩ってきたDCヒーローたちを振り返ってみたい。

DCが誇る二大ヒーロー!スーパーマン&バットマン

DCを代表するヒーローで、ヒーローの代名詞というべき存在がスーパーマンである。1938年に「アクション・コミックス」誌で本格デビューしたスーパーマンは、惑星クリプトンからやってきた異星人。強靭な肉体とパワーを誇る不死身のヒーローは、1940年代よりアニメや連続活劇(短編映画シリーズ)、TVドラマによって世界中に浸透した。

そんなスーパーマンが、第一級のエンターテインメントとして認知されたきっかけが1978年の『スーパーマン』である。監督はオカルト映画の傑作『オーメン』(1976年)で一大ブームを巻き起こしたエンタメ界の鬼才リチャード・ドナー。クリプトン崩壊から地球への旅路、ヒーロー誕生、ロマンスまで、順を追ってヒーローの素顔を徹底紹介。スーパーマン役の新人クリストファー・リーヴのほか、マーロン・ブランド、ジーン・ハックマンと超大物を筆頭に個性派キャストを起用するなど、子ども向けと一線を画したこだわりが感じられる。

ヒーロー映画の歴史を変えた記念碑的作品『スーパーマン』

さらに、飛行シーンからスペクタクルまでスーパーマンの活躍を、緻密な特殊効果や視覚効果を駆使して描写。空を飛ぶ姿一つをとっても、シーンによってスピード感や振り付けを変えるなど、「らしさ」を追求した凝った画作りが味わえる。

映画は大成功を収め、リーヴ主演で計4作のシリーズが製作された。『スーパーマンII 冒険編』(1981年)は、コメディを得意とするリチャード・レスター監督がコミックタッチでスーパーマンVSゾッド将軍のバトルを描いたアクション巨編。レスターが続投した『スーパーマンIII 電子の要塞』(1983年)はスーパーマンの葛藤をコメディにまとめた異色作。シドニー・J・フューリー監督の『スーパーマンIV 最強の敵』(1987年)は、ヒーローアクションに特化しつつ東西冷戦の要素が盛り込まれ、それぞれ色が異なる作品となった。

クリストファー・リーヴ主演の『スーパーマン』は、シリーズ計4本が製作された(『スーパーマンIII 電子の要塞』)

リーヴの没後に製作された『スーパーマン リターンズ』(2006年)は、『スーパーマンII 冒険篇』の後日談。主演はTVドラマ「ARROW/アロー」でアトムを演じたブランドン・ラウスが務めた。監督は『X-MEN』シリーズのブライアン・シンガーで、リーヴ版への愛情あふれる作品になった。ザック・スナイダー監督作『マン・オブ・スティール』(2013年)からは、DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)としてヒーローたちが共闘するクロスオーバーのシリーズがスタート。新たにヘンリー・カヴィルが演じたスーパーマンは、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)、『ジャスティス・リーグ』(2017年)といったシリーズ作品にも登場した。

スーパーマンと並ぶDCの人気ヒーローがバットマンだ。1939年に「ディテクティブ・コミックス」でデビューしたバットマンは、スーパーマン同様アニメやTVドラマで高い知名度を誇ったが、大人も楽しむようになったのはティム・バートン監督の『バットマン』(1989年)から。バットマンを心に闇を抱えた分裂症ヒーローとした本作は、バートンらしい凝ったデザインや多彩なガジェット、オスカーに輝いたアールデコ風のゴッサムの街並み、プリンスのイメージソング「バットダンス」も話題を呼んで記録的なヒットを飛ばした。

続いて、歪んだキャラクターや世界観をさらに突き詰めた続編『バットマン リターンズ』(1992年)が公開。前作以上にバートンの色が濃厚な本作は、彼の代表作の一つとして未だ根強い人気を誇っているだけでなく、コメディ俳優だったバットマン役のマイケル・キートンが性格俳優に転向するきっかけになった作品でもある。こちらも大ヒットとなり、ジョエル・シューマカー監督による『バットマン フォーエヴァー』(1995年)、『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997年)とシリーズが継続。前者は『トップガン』シリーズのヴァル・キルマー、後者はオスカー俳優ジョージ・クルーニーと主演を変えながらシリーズ計4本が製作された。

その後もクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』三部作ではクリスチャン・ベールが、DCEUではベン・アフレックがバットマンを演じてきたが、なかでも異色の存在がロバート・パティンソン主演の『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022年)である。これまでバットマン=ブルース・ウェインはいずれもゴッサムのセレブとして描かれてきたが、本作では犯罪への怒りに突き動かされた未熟なヒーローと設定。『ワイルド・スピード』シリーズに出てきそうなマッスルカーでがむしゃらに悪党を追いかける、これまでとは違った危うさを持つバットマン像が味わえる。

ロバート・パティンソンが犯罪を激しく憎む若きブルース・ウェインを演じた『THE BATMAN-ザ・バットマン-』

DCEUをきっかけに次々と映画化された個性あふれるDCヒーローたち

DCEUのスタートを機に、スーパーマンやバットマン以外のヒーローたちも次々にスクリーンに登場した。先陣を切ったのはパティ・ジェンキンス監督作『ワンダーウーマン』(2017年)。主演のガル・ガドットはすでに『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』でワンダーウーマンを演じており、そのハマりぶりが話題を呼んでいただけに満を持しての単独デビューとなった。知的で強く、純真すぎるヒーロー誕生のほろ苦いドラマで高い評価を獲得し、同じ監督&主演コンビで『ワンダーウーマン 1984』(2020年)も製作された。

DCEUでもずば抜けたヒットを記録したのが、ジェームズ・ワン監督の『アクアマン』(2018年)だ。『ジャスティス・リーグ』でも大暴れしたワイルドな海底王の活躍を描く本作は、アクアマン役のジェイソン・モモアのキャラをそのまま生かしたような痛快さが魅力。公開されると、ワーナー映画としては『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(2011年)に次ぐ世界歴代興収2位を記録した(のちに『バービー』に抜かれ、3位に)。続編『アクアマン/失われた王国』(2023年)も大ヒットしており、シリアスなDCEUの中で一人、気を吐く存在である。

海底王国アトランティスの王の血を引くアーサーの活躍を描く『アクアマン』

痛快さで負けてないのが、小学生~高校生が大人のヒーローに変身して活躍する『シャザム!』(2019年)。見た目は大人、中身は子どものヒーローが悪戦苦闘する姿が、ユーモアを交えて描かれる。シャザムたちはグループホームで暮らすワケありの子どもたち。それぞれ悩みを抱えながら健気にヒーロー活動に打ち込む姿は、実は泣きの要素も満載だったりする。監督のデヴィッド・F・サンドバーグ、主演のザッカリー・リーヴァイのコンビが続投した『シャザム!~神々の怒り~』(2022年)も製作された。

神々の力によって超人ヒーローに変身する能力を身につけた少年の奮闘を描く『シャザム!』

原作コミックスで、シャザムの敵として描かれたブラックアダムを主人公にしたのが『ブラックアダム』(2022年)だ。正義でも悪でもないブラックアダムは、シャザムと同じく太古の神の力を宿した存在。アクション界のトップスター、ドウェイン・ジョンソンが圧倒的な存在感でミステリアスなヒーローを演じている。なお、ブラックアダムの出現を受けて駆けつけるのがJSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)。このJSAは、1940年に「オールスター・コミックス」に登場したコミック史上初のヒーローチームである。

5000年前に封印された破壊神、ブラックアダムが現代の地球で暴れ回る!『ブラックアダム』

『ジャスティス・リーグ』でバットマンにリクルートされたフラッシュことバリー・アレンの活躍を描くのは、エズラ・ミラー主演の『ザ・フラッシュ』(2023年)だ。超高速移動の能力を持つフラッシュは、時間を遡って亡き母を救おうとしてトラブルを引き起こす。監督は『IT/イット』シリーズのアンディ・ムスキエティで、イノセントな少年の通過儀礼として見応えある作品に仕上がった。

超高速で移動できるヒーロー、フラッシュが時を超える!『ザ・フラッシュ』

マルチバース(多元宇宙)を中心にドラマが展開する本作は、これまでに映像化された歴代DCヒーローたちを異なるバースの存在と設定。バリーが訪れた別次元の過去の世界で引退後のウェイン=バットマンをマイケル・キートンが再演したほか、クリストファー・リーヴ版や企画段階で終わったニコラス・ケイジ版スーパーマンなど無数のDC映画のヒーローたちがカメオ的に顔を出す記念碑的な作品となった。シリーズ終盤に登場したDCEUを締めくくる作品としてもおすすめの一本だ(今後は新たにDCユニバースが展開予定)。

ヒーロー映画の魅力は、個性豊かなキャラクターとイマジネーション豊かな世界観、そして勧善懲悪をベースにした波瀾万丈のストーリーにある。「ヒーロー映画」とひとくくりにされがちだが、ヒーローごとに作風は異なるし、同じヒーローでも俳優や監督によってテイストは様々。DCヒーローの特集放送で、お気に入りのヒーローを見つけてみてはいかがだろうか?

文=神武団四郎

神武団四郎●映画ライター。「映画秘宝」「MOVIE WALKER PRESS」「シネマトゥデイ」などへの寄稿、パンフレットの執筆、編集など。編書に「別冊映画秘宝 絶対必見!SF映画200」(洋泉社)など。監修書に「BEING BOND ダニエル・クレイグ/ジェームズ・ボンド公式本」(玄光社)、「オッペンハイマー クリストファー・ノーランの映画制作現場」(ボーンデジタル)など。ゴジラよりコング派。

<放送情報>
アクアマン
放送日時:2024年3月16日(土)15:30~、25日(月)13:30~

バットマン ビギンズ
放送日時:2024年3月16日(土)18:15~、26日(火)13:30~

THE BATMAN-ザ・バットマン-
放送日時:2024年3月16日(土)20:56~、17日(日)12:30~

スーパーマン(1978年)
放送日時:2024年3月25日(月)16:30~

スーパーマンII 冒険編
放送日時:2024年3月26日(火)16:45~

スーパーマンIII 電子の要塞
放送日時:2024年3月27日(水)16:45~

スーパーマンIV 最強の敵
放送日時:2024年3月28日(木)16:45~

スーパーマン(1978年)【地上波吹替版】
放送日時:2024年3月17日(日)16:15~

スーパーマンII 冒険編【地上波追録版】
放送日時:2024年3月17日(日)18:30~

スーパーマンIII 電子の要塞【地上波追録版】
放送日時:2024年3月17日(日)21:00~

スーパーマンIV 最強の敵【地上波追録版】
放送日時:2024年3月17日(日)23:15~
チャンネル:ムービープラス

ブラックアダム
放送日時:2024年3月16日(土)13:20~

シャザム!
放送日時:2024年3月16日(土)15:30~

シャザム!~神々の怒り~
放送日時:2024年3月16日(土)17:45~

ザ・フラッシュ
放送日時:2024年3月16日(土)20:00~、24日(日)6:30~
チャンネル:WOWOWシネマ

ザ・フラッシュ
放送日時:2024年3月17日(日)10:00~、19日(火)19:30~
チャンネル:WOWOWプライム

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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