2022/08/16
畠中祐が2ndアルバムに込めた思いを語る「これが今の自分の等身大の部分なのかも」
「SK∞ エスケーエイト」の喜屋武暦役や、「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」の土門竜介役などで知られる声優の畠中祐。2017年7月12日にシングル「STAND UP」でデビューを果たした彼は、確かなテクニックに支えられた圧倒的な歌唱力とキレのあるダンスパフォーマンスでアーティストとしての存在感を示し続けている。そんな畠中がTVアニメ「ナカノヒトゲノム【実況中】」オープニング主題歌でもある「not GAME」をはじめ、2019年から2021年にかけて発表したタイアップ曲に新曲5曲などを加えた2ndアルバム『REAL』を、28歳の誕生日でもある8月17日にリリースすることが決定した。
今回は発売に先駆けてインタビューを実施。アルバムタイトルに込めた思いなどを聞いた。
――2ndアルバム『REAL』リリースを控えた、今の気持ちをお聞かせください。
「タイアップ曲と新曲がどういう風にマッチングするかな」というのが想像つかなかったんですけど、曲を並べてみると一貫性のあるアルバムになった気がして、すごく良かったなと思います。皆さんがこのアルバムを聞いた時に、どんな気持ちになってくださるのか楽しみです」
――ライブを意識した構成のアルバムだという印象を受けましたが、その辺りは意識されたのでしょうか。
「1stアルバム『FIGHTER』の時もそうだったかもしれないんですけど『1本のライブを作ろう』という感じでのアルバムになっていて、今回もその姿勢は変わらずにやっているからこその、最初はインストから始まる構成になっています」
――2ndアルバム「REAL」のコンセプトと、タイトルに込められた思いをお聞かせください。
「1stアルバムの『FIGHTER』もそうだったんですけど、『今あなたが思ってることは何ですか?』からテーマを決めていきました。今回『REAL』というタイトルになったのは、やっぱりコロナ期間の影響が非常に大きいですね。SNSが発達した今、『Feel the Real』の歌詞にも出てくるように、地球の裏側とも繋がれる携帯電話というアイテムがありますが、それ以外のリアルというものはものすごくぼんやりとしてしまっているなってこの3年間で感じたんです。その一方で、リアルに励まされることもあれば悩まされることもあって、やっぱり今、目の前にある『リアル』を歌で届けない限り、先に進めないかもな、という気持ちがあって。これが今の自分の素というか、等身大な部分だと思ったので、これをアルバムのテーマに置きました」
――「Feel the Real」は新曲ですが、聴きどころを教えてください。
「リードトラックとなる『Feel the Real』は相当強い曲になったなと思いますね。1stアルバムのリード曲『Fighting for...』も結構強い楽曲だったと思うんですけど、同じくらいパンチのある曲です。僕が今の自分が思ってることみたいなものをメモに書いて、それをもとに作ってもらった楽曲です。僕の中でも、今までやってきたことの延長線上にちゃんと行ってくれる曲だし、なおかつちょっとしたチャレンジ心も感じられる曲でもあるので、すごくやりやすかったなっていう気はします」
――「Feel the Real」のMV収録の際のエピソードをお聞かせください。
「ダンサーと一緒に激しく踊ってるところもあれば、1人で歌ってるとか、そういう何か本当に『Feel the Real』の歌詞に沿った表情みたいなものをすごく大事にしているミュージックビデオになったんじゃないかなと思います。映像的にもすごく面白いものになっていると思うので、ぜひ見てもらえたらなと思います」
――畠中さんといえばライブパフォーマンスに定評がありますが、畠中さんにとって「ライブ」とは、どんなものですか?
「1stライブは会場に足を運んでくれたお客さんが一緒に遊びを共有してくれた感じがあって。確かに『パフォーマンスをする』『良いものを届ける』っていう意味では仕事としての責任感もあったんですけど、でも純粋に、歌う楽しさや歌で遊ぶ楽しさみたいなものをあの瞬間にすごく感じられたんです。僕にとってライブは、"楽しい"という感情や"遊び"を皆さんと共有できる場所だと思っています。一方的に届ける以上に、やっぱり皆さんから届けてもらったものがすごく大きいので、そういう感情の交換場所になればいいなって思っています」
――これまでのアーティスト活動を振り返っての感想をお聞かせください。
「いろいろな楽曲を歌わせてもらったな、と思います。僕っていろいろな楽曲に手を出すんですけど、多分、本来は本当に好きなもののストライクゾーンが相当狭い感じだと思うんですよ。そこを広げてもらったというか、そこで今までだったら絶対歌わなかったであろう楽曲を持ってきてくださったりだとか、新しい出会いをアーティストの活動を通してさせてもらったことがいっぱいあるな、と思って。多分、役者だけやってたらこれは経験できなかったよな、みたいなことばっかりだったので、とっても楽しかったです」
――今後の目標は?
「今まで結構『動』だったけど『静』ってどういう感じだろうっていうので、アコースティック的なことをやってみても面白いだろうし、まだまだ出会ってないものがありそうだな、と思いますね。出会ったものを進化させるのも面白いだろうし、結構面白いことはまだまだいっぱいあるかも。今まで出会ったものを再構築していくか捨てるかは、まだわからないですけど、いずれにせよ楽じゃないチャレンジの仕方をしていきたいなと思ってます」
――2ndアルバム『REAL』のリリースを楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
「お待たせしました!1stアルバムをリリースした時の熱量よりも熱く、メッセージ性も濃く、強いアルバムになったと思います。3年の時間を埋めるような、また新しくスタートするような、1本のライブを楽しんだっていうぐらい濃い体験を、このアルバムで提供できたらいいなと思って作りました。まずは1回、頭から終わりまで楽しんでもらえたら、めちゃくちゃ嬉しいですし、それでライブの体感を味わっていただけたらなと思いますし、もしこれでいいなと思ってくれたら、ライブに来てもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします!」
取材・文=中村実香