小泉今日子が演じる、ぐうたら鬼嫁が新鮮!堤真一主演ドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」

今年、公式YouTubeチャンネルを開設し、デビュー40周年を記念した全国ホールツアーも開催するなど、精力的に活動を続ける小泉今日子。近年では、演出やプロデュースも手掛けるなど裏方としても稀有な才能を発揮している。
そんな彼女は、1982年にアイドル歌手としてデビュー後、歌手、女優としても活躍。順風満帆にスター街道を走り続けてきている彼女だが、その実、節々でぶち当たる"変革の壁"を全て見事に乗り越えてきたからに他ならない。そして、乗り越えるたびに実力をつけて進化し続けている。そんな彼女の女優としての存在感と実力が堪能できる作品がドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」だ。

(C)NTV
同作品は、平凡で冴えない中年サラリーマンがひょんなことからスーパーヒーローになれるスーツを手にしたことをきっかけに、自身の思いとは裏腹にヒーローとして活動することになる物語。主人公の左江内を堤真一が演じ、小泉は左江内の妻・円子を演じる。
物語は会社でも家庭でも"冴えない"左江内が嫌々ヒーロー活動を続けて行く姿を描きながら、たとえヒーローであっても抱える現実の理不尽さを浮き彫りにし、正義・平和・幸せを問う哀愁漂うコメディ。そのため、左江内の"冴えなさ"が重要なのだが、家庭内における左江内の「冴えなさ」を小泉の芝居が一手に引き受けているといっても過言ではない。

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小泉演じる円子はぐうたらで全ての家事を左江内に押し付け、自分は四六時中寝てばかりの鬼嫁で、発言もバイオレンスチックという濃いキャラクター。左江内をいびりぬくという役どころなのだが、小泉が演じるとわがままの中にもどこか可愛らしさが漂い、性格のキツさも少しまろやかに感じられ、そんな円子に振り回される左江内に可笑しみが生まれるのだ。また、どこか「そうだね」とつい迎合してしまうような雰囲気もあり、左江内への感情移入を誘う効果をもたらしている。さらに、小泉だからこそ作り上げられるキャラクターに、娘・はね子役の島崎遥香らも引っ張り上げられている。
役をただ演じるだけではなく、自身が演じることで役のキャラクター性を1割、2割増しにし、他の共演者たちをも引き上げる演技は、一流の道を歩き続けてきた小泉だからこそ出せるものだろう。
女優としての演技力、存在感などを同作品で堪能しつつ、その演技から生まれる可笑しみやコミカルさを味わってみてはいかがだろうか。
文=原田健
放送情報【スカパー!】
スーパーサラリーマン左江内氏
放送日時:2022年10月1日(土)21:00~
チャンネル:日テレプラス
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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