岩田剛典が見せるナイーブな演技！ディーン・フジオカとのバディ感も際立つ「シャーロック」

2021年からソロでの活動をスタートさせた岩田剛典。10月には1stアルバム「The Chocolate Box」をリリースし、11月からはソロツアー「Takanori Iwata LIVE TOUR 2022 "THE CHOCOLATE BOX"」を開始するなど精力的な活動を展開している。

アーティスト以外に役者としての活躍ぶりも目を見張るものがある岩田。タワーマンションでの不倫を描いた「金魚妻」(2022年)での妖艶な姿、結婚式を舞台にしたコメディ映画「ウェディング・ハイ」(2022年)でのコミカルな演技、連続殺人の闇に迫るサスペンス「死刑にいたる病」(2022年)ではボサボサ長髪の謎めいた男に扮するなど、振り幅のある芝居で存在感を示してきた。

そんな彼の代表作といえるのが、フジテレビTWOで12月5日(月)から全11話と12月9日(金)に特別編が放送されるミステリードラマ「シャーロック」(2019年)だろう。月9枠で放送されたこの作品は、コナン・ドイルによる「シャーロック・ホームズ」シリーズの舞台を現代の東京に置き換えた1話完結型のミステリードラマだ。

ディーン・フジオカ演じるフリーランスの犯罪コンサルタント・誉獅子雄が、岩田演じる相棒の若宮潤一と共に事件の解決に挑むという内容で、今年の6月には「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」が公開されるほど人気を博した。

明晰な頭脳と強引な捜査で次々と事件を解決していきながらも、人間の罪に強く心惹かれており、一歩間違えれば犯罪者になりかねないような危うさを帯びている獅子雄。ディーン・フジオカが持ち前の空気感でチャーミングかつ妖艶に演じてみせたこのエキセントリックなキャラクターに対し、岩田が演じているのはそんな彼をサポートする"ワトソン"的ポジションの若宮だ。

もともとは獅子雄が捜査で訪れた病院の精神科医だった若宮は、事件を遠巻きから見つめるミステリアスなキャラクターとして登場。第1話の時点では事件の容疑者ということもあり、どこか冷淡で信用ならないような空気感で視聴者を翻弄していく。しかし、その裏には不正をして精神科医になった過去があり、事件とも大きく関わるこの秘密を打ち明けるべきなのか、罪悪感に苛まれる男の影を巧みに表現した。

若宮は獅子雄が事件を暴いたことにより職を失い、生活のため仕方なく彼の捜査に協力していくことになる。自分に自信がない繊細な若宮に対し、心の壁などお構いなしに距離を詰めてくる人たらしな獅子雄。出会いこそ最悪だった2人の、回を重ねるごとに高まっていくバディ感が大きな見どころだ。

ちょっかいをかけてくる獅子雄に対して浮かべる穏やかな笑顔など、岩田は徐々に変化していく若宮の表情で心の距離感を見事に表現。天才・獅子雄に認められたい思いから、的外れな推理を披露するなど、張り合おうとする健気な姿も可愛らしかった。

人間的なキャラクターの様々な顔を丁寧に活写している岩田。その演技を見れば、近年彼が多様なジャンルで活躍できている理由が分かるはずだ。

文＝HOMINIS編集部