「カリスマの男」ブラッド・ピットのキャリアを振り返る!還暦目前でも増し続ける存在感

12月18日(日)に59歳の誕生日を迎えるブラッド・ピット。還暦目前にもかかわらず役者として、そして製作者としてもパワフルな活躍を続けており、今年公開の「ブレット・トレイン」では来日も果たし、健在ぶりを見せたことも記憶に新しい。
長きにわたって最前線で活躍し続けているピットを、ザ・シネマでは"ブラピ生誕祭"と銘打ちフィーチャー。「リバー・ランズ・スルー・イット」(1992年)、「スリーパーズ」(1996年)、「ジョー・ブラックをよろしく」(1998年)、「ファイト・クラブ」(1999年)、「イングロリアス・バスターズ」(2009年)、「フューリー」(2014年)、「アド・アストラ」(2019年)と、代表作7本が12月18日(日)に一挙放送される。そんな彼のキャリアを年代別に振り返って行きたい。
■ブラッド・ピットのキャリア初期から地位を確立するまで

(C) 1992 BY ALLIED FILMMAKERS,N.Y.Tous Droits Reserves.
1987年に「追いつめられて」での端役で映画デビューを果たしたピット。「テルマ&ルイーズ」(1991年)でのセクシーなボーイフレンド役でインパクトを残したが、それ以前には初主演映画「リック」(1988年)がユーゴスラビア紛争の影響から公開が大幅に遅れるなど、あまり恵まれているとは言えないキャリア初期を過ごしていた。

(C) 1992 BY ALLIED FILMMAKERS,N.Y.Tous Droits Reserves.
20代も終わりに差し掛かった時期に出演した映画が「リバー・ランズ・スルー・イット」だ。1910〜1920年の大自然溢れるモンタナを舞台に、フライ・フィッシングを通じた交流や確執など家族の形を描いたヒューマンドラマで、ピットは一家の陽気な弟役で出演。明るく振る舞うものの実は問題を抱えていて...という青年をチャーミングな笑顔から葛藤の表情まで繊細に表現し、若手俳優としての地位を築き上げた。
■映画史に輝く名キャラクターが誕生した「ファイト・クラブ」
(C) NBC Universal All Rights Reserved
後に製作者としての手腕が高く評価されることからも分かるように、映画を見る目も抜群のピットは、30代になると「セブン」(1995年)や「12モンキーズ」(1995年)といった傑作に立て続けに出演。少年院内での虐待を題材にした社会派の1作「スリーパーズ」では、ロバート・デ・ニーロと渡り合うなど役者として箔をつけていく。
(C) NBC Universal All Rights Reserved
ハンサムなルックスを生かした役も多く、「ジョー・ブラックをよろしく」では、"死神"である青年の浮世離れした雰囲気を巧みに表現した。そんなピットにとって代表的キャラクターであり、映画史に輝く名キャラクターと言っても過言ではないのが「ファイト・クラブ」でのタイラー・ダーデンだ。

(C) 1999 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

(C) 1999 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
このタイラーは夜な夜な地下で殴り合いを繰り広げる秘密集団"ファイト・クラブ"のリーダーで、資本主義に中指を立てるような危うげな雰囲気がムンムンの人物。野性味溢れるキャラクターにピットは成りきっており、自信に満ちた顔つきや態度、鍛え上げられたボディなど、そのカリスマ性は説得力抜群のハマり役だった。
■役者として初のオスカーにつながるタランティーノ監督作品
(C) 2009 Visiona Romantica, Inc. All Rights Reserved.
その後もヒットを連発し、説明不要の大スターとなったピットだが、40代での代表作として外せないのがクエンティン・タランティーノ監督による「イングロリアス・バスターズ」だろう。第二次世界大戦中のドイツが占領するフランスを舞台に、演じたのはユダヤ系アメリカ人からなる秘密特殊部隊"バスターズ"を率いるアルド・レイン中尉。
ナチス殲滅を生きがいとする豪胆なキャラクターが持つカリスマ、知性、憎しみなどを、軽快かつ重厚という絶妙なバランスで表現した。タランティーノ作品ならではのどこかB級映画のようなテイストに適応する感覚の良さはさすが。
(C) 2009 Visiona Romantica, Inc. All Rights Reserved.
タランティーノ監督とは後に「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019年)でもタッグを組み、役者として初のアカデミー賞助演男優賞を獲得。オスカーにつながった1作という意味でも重要だった。
■新たな一面を拓く近年の活躍と期待が高まる今後の待機作

(C) Norman Licensing, LLC 2014
50代になっても貪欲にキャリアを築き続けるピットは、年齢を重ねたからこそ出せる味や貫禄のある姿で存在感を発揮。製作総指揮も務めた戦争映画「フューリー」では、強面な軍曹・ウォーダディー役での激高する演技で観客を怯え上がらせた。一方、心に闇を抱える繊細な宇宙飛行士を演じた近未来SF「アド・アストラ」では、控えめだが確かに感情が伝わる芝居で新たな一面を拓いた。

(C) 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation, Monarchy Enterprises S.a.r.l. and TSG Entertainment Finance LLC in all other territories. All rights reserved.

(C) 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation, Monarchy Enterprises S.a.r.l. and TSG Entertainment Finance LLC in all other territories. All rights reserved.
最近はプロデューサーとして名を連ねることが多くなったピットだが、「ラ・ラ・ランド」(2016年)のデイミアン・チャゼル監督作で、ハリウッド黄金期の狂乱を描く注目作「バビロン」も公開待機中。まだまだ役者として活躍してくれることに違いないだろう。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
リバー・ランズ・スルー・イット
放送日時:2022年12月18日(日)7:45~
イングロリアス・バスターズ
放送日時:2022年12月18日(日)12:15~
スリーパーズ
放送日時:2022年12月18日(日)15:00~
ジョー・ブラックをよろしく
放送日時:2022年12月18日(日)17:45~
ファイト・クラブ
放送日時:2022年12月18日(日)21:00~
フューリー(2014)
放送日時:2022年12月18日(日)23:30~
アド・アストラ
放送日時:2022年12月19日(月)2:00~
チャンネル:ザ・シネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
こちら