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カメレオン俳優・中村倫也が引き立て役に徹するとこうなる!結婚式に臨む新郎を演じた映画「ウェディング・ハイ」

2022/12/04

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映画「ウェディング・ハイ」に出演する篠原涼子、中村倫也、関水渚
映画「ウェディング・ハイ」に出演する篠原涼子、中村倫也、関水渚

愛し合う男女にとって最大のイベントといえば結婚式。2022年3月12日の大安に公開された映画「ウェディング・ハイ」は、結婚式にまつわる「あるある」を交えながら、登場人物たちがそれに懸ける想いを描いた群像コメディだ。

脚本を手掛けたのは、脚本家としてもいかんなく才能を発揮している、お笑い芸人のバカリズム。結婚式を最高のものにするべく奔走する主人公のウェディングプランナー・中越真帆を篠原涼子が演じ、準主役とも言える2人、新郎の石川彰人を中村倫也、新婦の新田遥を関水渚が演じる。

さらにスピーチに命を懸ける彰人の上司・財津俊彦役に高橋克実、新婦である遥の父・新田大造役に六角精児。新婦を奪おうと式場に来た遥の元恋人・八代裕也役に岩田剛典、式場をうろつく謎の人物・澤田紀昭役に向井理と、個性派とイケメンを取り混ぜた錚々たる俳優陣が出演。見ている方の気分も「ハイ」になりそうな役柄と顔ぶれだ。

(C)2022「ウェディング・ハイ」製作委員会

今回は、どんな役でもこなすカメレオン俳優として活躍中の中村倫也にスポットを当ててみたい。

中村が演じる彰人は周りに流されやすい性格。純粋な性格と笑顔に惹かれて遥と付き合い始め、1年後にプロポーズする。プロポーズのシーンでの包み込むような声と間が絶妙で、彰人が優しい青年であることを印象付けてくれる。

しかし結婚式の準備が始まり、オーバークロスを2人で選ぶシーンでは、流されやすい性格が顔を出す。この作品で多用されるモノローグで「結婚式の準備で喧嘩になるカップルは全体の7割以上。その原因のほとんどは夫のいい加減な態度」と「結婚式あるある」を語り、本当は面倒なのだが真剣に選ぶフリをする。ハキハキと自分の意見を言う遥に合わせつつも、「なんで?」と突っ込まれて戸惑う表情に、そんな彰人の性格がよく出ている。

披露宴の最初の挨拶で緊張のため少しどもったりする姿からも、彰人の純な人柄が伝わってくる。気の利いた細かい演技を取り入れながら、中村は石川彰人という人物をうまくスクリーンに描き出しているのだ。

(C)2022「ウェディング・ハイ」製作委員会

そして披露宴が始まると、スピーチに懸ける財津、映像に生きがいを見出す彰人の後輩の相馬慎治(中尾明慶)、遥の上司で乾杯の音頭を請け負った井上司朗(皆川猿時)らがそれぞれの想いを爆発させ、大問題へと発展。「絶対にNOと言わないウェディングプランナー」の真帆が、披露宴を無事に終わらせるべく活躍する。

中村倫也は彰人を演じるにあたって、濃い登場人物たちを引き立たせることを意識したという。確かに、強いクセがなく、周りに翻弄される彰人との対比によって、己が想いに邁進するそれぞれのキャラクターが強烈なまでに際立っている。しかし決めるべきところで味のある良い演技を見せてくれるところは、さすがと言う他ない。

披露宴の進行を心配する遥に「(真帆を)信じるしかないね」と言った時の表情は、真帆を信じている、いや信じたい、との強い想いが込められているように見える。また両親への手紙を読むシーンで遅れて入場してきた父に呆れる遥の後ろでは、これから人生を共に歩む遥をそっと支えるような、優しさが滲む微笑みを浮かべる。

最後は多くの登場人物の想いが炸裂したトラブル満載、ギャグ満載の披露宴を、彰人が真帆との会話でしっかり締めてくれる。引き立て役に徹しながらも印象的なシーンを作り上げる中村倫也はもちろん、篠原涼子や関水渚ら豪華キャストが入り乱れる披露宴は果たしてどんな結末を迎えるのか。是非その目で確かめてほしい。

文=堀慎二郎

放送情報【スカパー!】

ウェディング・ハイ
放送日時:2022年12月24日(土)13:00~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくは
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