2022/12/21
若き反町隆史のカッコよさが全開!ヒロイン役・松嶋菜々子との関係性も魅力の名作ドラマ「GTO」!
1998年にフジテレビ系で放送されたドラマ「GTO」は、週刊少年マガジンに連載された藤沢とおるの同名マンガを原作とし、反町隆史の主演で映像化された。最終回の視聴率35.7%を記録するという大ヒットとなり、反町が歌ったドラマ主題歌はオリコン27万枚を売り上げている。
かつて湘南で暴走族のリーダーとして名を馳せた伝説の男・鬼塚英吉が高校を中退後に三流大学に入学。7年かけて卒業し、高校教師となって私立高校・武蔵野聖林学苑に赴任、型破りな熱血指導で、様々な問題を抱える生徒たちに体当たりでぶつかっていくという物語だ。
原作マンガは、コミカルなトーンの作品だったが、製作サイドは「原作よりもシリアスな学園ドラマに」という意図で設定を一部改変。舞台を高校に変え、ドラマオリジナルのキャラクターも登場する。また、ヒロインである女性教師・冬月あずさ(松嶋菜々子)の存在感を高め、鬼塚と冬月の激しい確執から和解へと向かう流れが、本作の大きな特色ともなっている。ちなみに、本作での共演を機に反町と松嶋は2001年2月に結婚し、当時のビッグニュースになったことはあまりにも有名だ。
共演者に、何かと嫌みな教頭・内山田ひろしを中尾彬が演じ、鬼塚の理解者となる理事長・桜井あきら役には白川由美というベテランがキャスティングされ、ドラマを引き締めている。また、内山田の腰巾着的な存在で、ドラマのオリジナルキャラクターである学年主任・中丸浩司を演じた近藤芳正も好演。威張ってはいるが結構情けない絶妙なキャラで、鬼塚と敵対する立場ながらどこか憎めないという、昭和の学園ドラマで定型的だったような役柄を完璧にこなしていた。
生徒役には、当時はブレイク前だった窪塚洋介、小栗旬、池内博之など後にスターとなった若手俳優たちも多く出演しており、特に天才的な頭脳を持つ天才児・菊池を演じた窪塚、文武両道の優等生・村井役の池内、いじめられっ子の生徒・吉川を演じた小栗は本作においても独特な存在感があった。
ただ、本作のヒットを決定的にしたのは、やはり主人公・鬼塚を演じた反町隆史の魅力に尽きると言ってもいいだろう。1994年に研音に移籍してから本格的に俳優デビューした反町は、1997年にフジテレビ系ドラマ「バージンロード」で和久井映見の相手役としてW主演の座を射止めた。続いて主演した同年夏のフジテレビ系ドラマ「ビーチボーイズ」が大ヒットし、反町の出世作となった。竹野内豊とのW主演で男の友情を軸にした物語は、当時「ゲツクの新機軸」とも称されている。ちなみに、「GTO」で松嶋菜々子演じる冬月あずさは、作中で「竹野内豊の大ファン」という設定で、部屋に竹野内のポスターを貼っていた。
本作は、俳優として上り調子だった反町の人気を不動のものにした記念碑的なドラマとなった。演技としては粗削りな面もあったものの、精悍な顔つきと正義感溢れる熱いキャラクターである鬼塚を体当たりで演じた反町の演技は、まさに当たり役と言えるほど完璧にハマっていた。当初は鬼塚と反目しながらも、後に彼の魅力を認めて惹かれていく冬月との関係性も魅力的で、まさに運命的な出会いをした2人の突き抜けた相性を感じさせる。
とにかく、反町隆史にとって鬼塚役は俳優人生の大きなターニングポイントとなった。1999年には続編としてドラマスペシャルが製作され、その続編として劇場版も公開されている。
歴史的な話題作といっても過言ではないドラマ「GTO」が、日本映画専門チャンネルで1月7日(土)から放送される。改めて見ると、当時の反町の格好良さは本当に惚れ惚れする。近年での「相棒」シリーズや「オールドルーキー」で見せた渋みのある大人の男としての魅力も捨てがたいが、若き反町の格好良さを今の若い人にもぜひ見せたいと思ってしまった。
文=渡辺敏樹