堀田茜＆泉澤祐希が体現する「友達以上・恋人未満」のリアルな距離感！男女それぞれの視点で見比べる「恋と友情のあいだで」

大学時代から"腐れ縁"を続ける男女の切ない胸中を描き出したラブストーリー「恋と友情のあいだで」が、1月7日(土)にフジテレビTWOで一挙放送される。

原作は、2018年から「東京カレンダー」WEBサイトで連載され、アプリのコメント欄は常にヒートアップ状態になるなど大きな反響を呼んだ人気小説。主人公の男女それぞれの視点から交互に語られるストーリー展開が注目を浴びたこの連載が、人気漫画家・ふるかわしおりの手によって完全コミカライズ。そのコミックの刺激的な世界観が、堀田茜と泉澤祐希というフレッシュなキャスティングによって忠実に再現された話題のドラマだ。

大学時代に同じゴルフサークルで出会った、相沢里奈と一条廉。同じ想いを抱えながらも、一歩が踏み出せずにいた。大学卒業後は同じ商社に入社したものの、次第に距離ができ始め、2人はすれ違っていく。恋と友情のあいだで揺れ動く彼らの10年間の物語が、「里奈Ver.」と「廉Ver.」としてそれぞれの視点から紡がれていく。

ヒロインの相沢里奈には、これがドラマ初主演となる堀田が抜擢された。都会に染まりながら、少し不器用だが力強く人生を歩んでいる里奈。裕福な恋人と誰もが羨む生活を送っている。不満もなく幸せに生きているはずなのに、心の奥には青春時代を共に過ごした同級生の廉が常に眠っていた。年上の恋人・二階堂直哉からプロポーズされ結婚し、専業主婦となる。

一方、サークルの人気者・一条廉は、幅広いキャリアを重ねる若手演技派・泉澤が演じた。持ち前の器用さと明るい性格で、学生時代から常に輪の中心にいた廉。比較的イージーに人生の駒を進め、一流商社に就職し仕事に恋愛にと人生を謳歌している。里奈の前では素直になれず、いつも恋と友情のあいだで揺れている。里奈の結婚を機に、先輩の紹介で知り合った浅井美月との結婚を決める。

主演2人の相手役・二階堂直哉と浅井美月は、武田航平と美山加恋が演じた。猛アタックの末に里奈を手に入れた二階堂は、元商社マンで現在は家業である鉄鋼メーカーの役員かつ将来社長の座を約束されているエリート。傲慢なところがあり、結婚後は悪びれることなく浮気をする。美山演じる美月は、いつも穏やかな笑顔で寄り添い、慎ましく廉に尽くしている。曖昧で都合のいい関係に不安を抱きつつ、廉と結婚して幸せを掴む。里奈とは真逆のタイプながら、控えめに見えて強かな面も持っている。

モデルとして活躍する一方、その飾らない明るいキャラクターでバラエティでも存在感を発揮している堀田が、今作では、複雑な女心を懸命に表現している。キラキラの港区女子から、廉に対するゆるんだ姿のギャップがいい。圧倒的な美女が見せる、心を許した相手にしか見せない表情や口調が可愛らしい。

そして、もう1人の主演を務めたのが子役時代から抜群の演技力を誇る泉澤。人気者のまま人生を歩む男だが、作られた感じや嫌味がない。里奈への"友達以上で恋人未満"の微妙な距離感がリアルだ。自然体の演技と、本気で恋をしている表情が際立つ。

すれ違い、後悔や失敗をしながらも想いを募らせていく2人の姿が、丁寧に描かれる本作。若く未完成だったがゆえに気づかなかった、かけがえのない存在。あの頃、自分の気持ちに気づけていたら、素直になれていたら、何か変わったのだろうか。女目線と男目線でそれぞれ紡がれるストーリーを辿れば、あの時の言葉や行動の意味が、人生を左右する決断の理由が、浮かび上がってくる。恋と友情のあいだで彷徨っていた2人の出した結末に注目したい。

文＝中川菜都美