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2023/01/19

舘ひろし&柴田恭兵、比類なきミックスアップによって作り上げられた「もっとあぶない刑事」のタカとユージ【無料放送】

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舘ひろし&柴田恭兵といえば「タカ」と「ユージ」の名物コンビが活躍するドラマ「あぶない刑事」だ。同作は1986年にテレビシリーズ第1作が放送されるや、ガンアクションや格闘シーンに加え、軽妙な演出と都会的な作風で人気を博し、当初の放送期間は2クールで終わる予定だったが、追加で2クール延長され、1年間放送された。その後、シリーズの人気は衰えることなく2016年に公開された劇場版第7作まで、足掛け30年に渡って愛された伝説の刑事ドラマ。

(C)セントラル・アーツ

中でも、テレビシリーズ第1作から2本の劇場版を挟み、満を持して放送されたテレビシリーズ第2作「もっとあぶない刑事」は名作といえよう。というのも、「もっとあぶない刑事」はテレビシリーズ第1作の異例のヒットに加え、劇場版第1作が1988年の正月映画第1位に輝くなど、確固たる人気を得た上で制作された。そのため、「あぶデカ」特有のコミカルさを生かしつつ、爆破や銃撃シーン、カーアクションなど迫力満点のシーンも、これでもかというくらい存分に散りばめられており、まさに「あぶデカ」ファンの痒い所に手が届くような作品となっているからだ。

そんな伝説の刑事ドラマシリーズの名作の魅力といえば、やはり舘と柴田の息の合った芝居に他ならない。それまでの刑事ドラマのイメージをぶち壊した"刑事ドラマのイノベーション"ともいえる同作の、ちょっと抜けているところもあるが決めるところは決めるコンビ、おしゃれなスーツにサングラスという出で立ち、女に弱くモテる人物像など、当時の若者の感性をくすぐる演出も素晴らしいが、それを支える2人の演技が圧巻。これほどの大物が2人並び立つと、どうしてもどちらかに比重が傾いてしまったり、互いの個性が打ち消し合ったりしてしまうのだが、舘と柴田に関しては比類なきミックスアップが成されている。

(C)セントラル・アーツ

タカとユージは似た者同士というキャラクターで、同じ画面に似た者が2人というのは演じる上ではかなりハードルが高いのだが、2人は「丁々発止のやり取り」や「意思疎通ができているため多くを語らず即行動」といった見せ方で同じ画面の中での存在意義を作り出している。

「丁々発止のやり取り」は、段違いの早いテンポで展開され、作品の軽やかさの中軸を担っている。さらに、軽やか故に台詞に無駄な重みを持たせず、「この2人なら何とかしてくれそう」という雰囲気までも作り上げている。これらを成立させながら、似た者同士であるタカとユージの個性をそれぞれが作り上げており、要するに「似せながら、違いを出している」のだから、もう演技うんぬんを超越した"神の領域"だ。

そして、「多くを語らず即行動」に関しては、2人に動きに無駄がない。他の作品にはなく同じ動作をする珍しいシーンではアイコンタクトもなしにタイミングを合わせて動作をシンクロさせ、違う動作をするシーンではまるで分身かのように連動した動きを見せている。

(C)セントラル・アーツ

これらは舘と柴田が共に"神域"の実力の持ち主で、無意識でも互いに芝居の出力を合わせようとしているからだろう。互いに相手の出力を感じながら徐々に上げていくから、"比類なきミックスアップ"が実現しているのだ。他の役者ではこうはいかないし、相手が違っても難しい。舘と柴田だからこそ「タカとユージ」を作れているのだ。だからこそ、30年間も続くほどの魅力がある。

2人のダンディで渋くカッコいい面や上司に怒られているちょっと抜けた三枚目の瞬間などと共に、2人による2人だからこそ成立し得た"比類なきミックスアップ"を堪能してほしい。

文=原田健

放送情報

もっとあぶない刑事 #1 
放送日時:2023年2月7日(火)04:00~  無料放送
チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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