俳優・ジェジュンの出発点！直球なキスのアプローチも話題となった初主演作「天国への郵便配達人」で見せた初々しい演技

1月15日の愛知公演でフィナーレを迎えた約3年半ぶりの全国アリーナツアー「J-JUN LIVE TOUR 2022 ～Fallinbow～」が、大きな反響を呼んだジェジュン。11月にリリースした日本2ndアルバム「Fallinbow」も好セールスを記録するなど充実したアーティスト活動の一方で、「久々に俳優の姿も見たい！」と思ったファンも多かったのではないだろうか。

ジェジュンにとって本格的な俳優活動の出発点となった作品と言えば、日本人脚本家と韓国のスター俳優がタッグを組む日韓共同ドラマプロジェクト「テレシネマ7」シリーズの1作として制作された映画「天国への郵便配達人」(2009年)。相手役となったヒロインを、大ヒットドラマ「春のワルツ」(2006年)や「華麗なる遺産」(2009年)などで知られる人気女優ハン・ヒョジュが務めたこともあり、日本で2010年に劇場公開された際には大きな反響を呼んだ。

北川悦吏子が脚本を務めた本作は、天国にいる人に手紙を届ける"天国への郵便配達人"をモチーフに描く恋愛ファンタジー。野原の真ん中にたたずむ赤いポストに手紙を投函しにきた女性・ハナ(ハン・ヒョジュ)は、"天国への郵便配達人"と名乗る不思議な男・ジェジュン(ジェジュン)に出会い、数日後、ジェジュンから「時給2万ウォン出すから、仕事を出手伝わないか？」と誘われる。

"愛する者に先立たれた人たちを癒す"という仕事を引き受けたハナは、ある出来事をきっかけにジェジュンの優しさに惹かれていくが、ジェジュンには"秘密"があり...というストーリーだ。

本作が公開された10数年前のジェジュンは、まだ20代前半。中性的かつ圧倒的なビジュアルでミステリアスな青年役を瑞々しく演じている。前途有望なIT企業社員として登場するシーンもあるが、郵便配達人になってからは"現実と天国の世界をさまよう若者"という特異なキャラクターを繊細に表現。当時まだ何色にも染まってない俳優ジェジュンが、どこか頼りなげな切ない表情で演じる姿には胸を締め付けられる。

ハナに対して俺様な態度で振り回し、クールな視線を放つ一方で、直球で「キスがしたい」と迫るアプローチには、心臓の高鳴りが抑えられないほどの破壊力。異次元のビジュアルと儚い雰囲気を漂わせたジェジュンは、掴みどころのない不思議な役が本当に似合うなぁとしみじみ感じるに違いない。

初の本格演技にして鮮烈な印象を放った「天国への郵便配達人」。この縁が繋がり、翌2010年には同じく北川悦吏子脚本の連続ドラマ「素直になれなくて」(2010年)に出演。W主演の瑛太(現・永山瑛太)や上野樹里らと並び、主要キャストの一員に抜擢されたジェジュンのピュアな芝居は、当時お茶の間の大きな話題になった。

全国アリーナツアーが大きな話題を呼び、日本での精力的な活動を見せている今、俳優ジェジュンの出発点となった貴重な初主演映画も、この機会にぜひ楽しんでみてはいかがだろうか？

文＝川倉由起子