前田佳織里の現実的な野望に立花理香が思わず「あら、生々しいわ(笑)」

立花理香、前田佳織里らが出演するアニメ「老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます」が放送中。同作は、日本最大級のWEB小説投稿サイト「小説家になろう」で累計1億2000万PV超えした同名小説をアニメ化したもの。両親と兄を事故で失った天涯孤独の18歳の少女・ミツハ(長江里加)が、ある日、謎の存在から「こちらの世界」と「異世界」を行き来できる能力を与えられる。戸惑うミツハだったが、この能力を利用して老後を安心して暮らすために20億円＜8万枚の金貨＞を貯めることを決意。現代の知識とアイテムでお金儲けにまい進していく。

今回、主人公・ミツハが異世界で初めて出会う山村の少女・コレットを演じる立花と異世界で暮らすゼグレイウス王国の第三王女・サビーネ役の前田にインタビューを行い、作品の魅力や役柄について、演じる上で意識していること、自身の野望などについて語ってもらった。

――作品のどんなところに魅力を感じてらっしゃいますか？

前田「最初、"異世界もの"の作品の中では珍しいタイプの主人公だなって思いました。めちゃめちゃ頭の回転が速くて絶対に妥協しないし、策も徹底的に練り上げるし...。ミツハって道を切り拓いていく新しいタイプの主人公だと思います。現実世界にある物を異世界に持ってきたらどうなるのかっていう発想が新しいなと思って、『私が持って行くんだったら...』って自分を当てはめて考えることができて、すごく想像力が膨らむ作品だなって思いました」

立花「基本、お金ってみんな好きじゃないですか(笑)。でも、なかなか"お金を稼ぐ"ということを大々的にテーマにした作品がない中で、しかも"異世界もの"でやるっていうのが、すごく斬新で、素直で面白いなって思いました。もし私だったら、現実世界の物を異世界に持って行って、荒稼ぎして逃げるように現実世界に戻ってきて終わるかなって思っちゃうんですけど、ミツハはちゃんと世界を壊さないようにした上でこつこつ貯めていくという選択をしているので、本当に賢いですよね！」

――役のイメージと演じる上で意識していることは？

前田「サビーネちゃんは一見かわいらしくて天使のような王女様なんですけど、頭の回転が速くてあざとい部分があるんです。でもそれは腹黒いということではなく、生い立ちや教養からくるもので、その天性で持っている小悪魔感がすごく自然でかわいい子だなって思いました。だから、そのナチュラルにあざとい感じをより追求できたらいいなと思いながら演じています。また、品のある立ち居振る舞いや貴族らしさというところと、女の子特有の好奇心旺盛さを、バランス良く作り上げられたらいいなと思っています」

立花「コレットちゃんって、すごく純粋でかわいらしい無垢な子だなという印象でした。ミツハを助けるシーンが何度もあるんですけど、自分が住んでいる世界とは違った身なりをしている子を何の疑いもなく助けて、家で休ませてあげられるというのはすごく優しい心の持ち主だなと。同時に、ちょっとフィジカル強めでたくましいところもあって、異世界を生き抜く術を知っているからこそ、ミツハにとっては頼もしい存在なのかなって思っています。だから、最初のミツハへの距離の詰め方というか"疑わなさ"みたいなところでの素直さが伝わればいいなと思って演じています。あとは、"異世界語"をしゃべるので、それが自然に聞こえたらいいなって(笑)」

前田「異世界語！とても難しそうだと思いました！」

立花「ううん。めっちゃ楽しかったよ。ただ、アドリブをする時がめっちゃ大変で...。一度アドリブで鼻歌を歌ったんですけど、『果たして異世界に鼻歌という概念はあるのか？存在するのか？』という議論になりまして...(笑)。だから、採用されたかどうかは放送を観ていただいて！(笑)」

――"特別な能力"を手にしたミツハですが、もしお2人が何かの能力を得られるとしたらどんな能力が欲しいですか？

前田「やっぱり時を操る能力かなぁ。自分だけ1日を48時間くらいにしたら寝放題だなって(笑)」

立花「切実だね(笑)」

前田「そうですね(笑)。あとは、日常的に『あの時、もうちょっとこうすれば良かった』って"脳内反省会"をしてしまうことが多くて、『時間をちょっとだけ巻き戻してベストアンサーを出せたらな』って思うので。時を操る能力が欲しいです」

立花「私は瞬間移動ですね。起きて、出掛ける準備をした後、家から駅まで行かなくていいし、駅から現場までも行かなくていいんですから！家から現場までそのままヒュンって行けたら、それこそもうちょっと寝られるし...(笑)」

前田「切実な睡眠時間...。みんなもっと睡眠時間欲しいですからね(笑)」

立花「しかも、空港の検閲も通らず海外のどこでも行けるなんてめちゃくちゃ良くないですか？」

前田「確かに！」

――ミツハは20億円分の8万枚の金貨を貯めるという野望をかなえるために奮闘しますが、お2人の野望を教えてください。

前田「私はデビュー時から言っているんですけど、夢は大きく『国民的声優になりたいな』と。そして、将来的には東京のマンションを買い占めて家賃収入で生活していくとかしてみたいです！(笑)」

立花「あら、生々しいわ(笑)」

前田「それでスタジオを作って、近しい友達や声優仲間に『全然ここ使っていいから』って。そういう感じで、余裕を他人のために使ってみたいです！」

立花「いいねぇ～。私は、若手声優の寮を造りたいです。新人の頃ってアルバイトをしながらお仕事だったりオーディションを受けたり、養成所に通ったりしているので、急にアルバイトを休まなきゃいけないというのが結構困るんですよ。だから、寮の1階が小料理屋になっていて、上の階に住んでいる若手声優のみんなに店員として働いてもらって、誰かが急に仕事で休まなきゃいけなくなっても、他の誰かがすぐに代われる、という。それで、私はオーナーとして、その小料理屋で毎日偉そうな顔してカウンターの端で飲んでいたい」

前田「見つけたら笑っちゃいそう(笑)」

――最後に視聴者の方、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

前田「サビーネちゃんはすごくかわいくて素敵な女の子で、そんな素敵なキャラクターを演じられることがすごく嬉しいです。作品は『自分がもし異世界に行ったらどうするだろう？』と思わず想像してわくわくできますし、大変な生い立ちの中、自分の手で将来をつかみ取っていくミツハちゃんの姿に本当に勇気をもらえるので、ぜひ見届けてもらえたらと思います。また、私がソロデビューで初めて主題歌を担当させていただく作品で、自分にとっても宝物になる作品でもありますので、ぜひ一緒に応援していただけたら嬉しいです」

立花「お金の稼ぎ方が、すごく勉強になると思います！あの手この手で、いろんなアイデアを駆使して、『長い目で見た時に、こうした方がいいだろう』というところまで考えを巡らせた上でとるミツハの行動に、驚かされたり思わずうなってしまうようなところもあるので、皆さんにもぜひ共感していただければなと。"お金を稼ぐ"ということだけじゃなく、何か問題を解決する方法の"学び"のきっかけになると思います。また、ちょっと懐かしめの小ネタがちりばめられているので、その辺も注目していただければ！」

文＝原田健　撮影＝中川容邦