Kōki，がホラーヒロインとしての存在感を発揮！号泣や絶叫シーンも真に迫る「牛首村」でのチャレンジ

2023/01/27

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ハリウッドリメイクもされた大ヒットホラー「呪怨」で知られる清水崇監督が手掛け、話題を呼んだ「恐怖の村」シリーズ(ＷＯＷＯＷシネマにて2月11日(土)に全3作が一挙放送)。世界に誇るJホラーからは、これまでも数々の新進女優が多数誕生してきたが、これが映画デビュー作となったKōki，が主演を務めた第3弾「牛首村」(2022年)をはじめ、「恐怖の村」シリーズにも魅力的な女優陣がこぞって出演している。

全国各地の心霊スポットを題材にした本シリーズ。実在する場所を舞台にしているとあって「これは真実なのかも...？」と思わせる生々しさとゾクゾクするような恐怖を味わわせてくれる、人気シリーズだ。第1弾となったのは、九州に実在し、もっとも恐ろしい心霊スポットの一つといわれる旧犬鳴トンネルを舞台にした「犬鳴村」(2020年)。

臨床心理士の森田奏の周りで突如奇妙な出来事が起こり始め、すべての謎を突き止めるために、奏がいずれの件にも関与する犬鳴トンネルに向かう姿を描く。

数々の恐怖に巻き込まれていく奏を演じたのは、「ダンスウィズミー」(2019年)や「今際の国のアリス」(2020年)の三吉彩花。凛とした眼差しもチャームポイントの彼女だが、大きな瞳であらゆる事象におののく表情からは、奏の感じている恐怖がビシビシと伝わる。三吉が体現した、秘密に迫ろうとする奏の切実さも見応えがあり、最後まで目が離せない。

シリーズ第2弾「樹海村」(2021年)で、ヒロインに抜擢されたのは「ミスミソウ」(2017年)や「ひらいて」(2021年)の山田杏奈と、「真夜中乙女戦争」(2022年)が注目を集めた山口まゆ。自殺の名所という不名誉な呼び名で知られる富士山麓の青木ヶ原樹海を舞台に、自殺し損なった人間たちが集まるという"樹海村"の伝説と、ネットを通じて拡散された呪いの箱"コトリバコ"の都市伝説を組み合わせたストーリーが展開する。

直接的なホラー描写だけでなく、樹海の神秘性も印象的に描かれ、ジワジワとした恐怖と緊張感を味わえるのが「樹海村」の特徴。山田は、神秘性を宿した難役を説得力とともに演じきり、山口は泣いたり悲鳴を上げたりと、鳴の感情の高ぶりを熱演。恐ろしくもドラマチックな1作として完成している。

そしてシリーズ第3弾「牛首村」は、ある心霊動画に自分そっくりの女子高生の姿を見つけた奏音(Koki,)が、動画の撮影地・坪野鉱泉へと向かい、"牛首村"にまつわる恐るべき秘密と忌まわしい風習に触れていく様を描く。

これが女優デビューとなったKoki，は、不可解な出来事に巻き込まれていく雨宮奏音と三澄詩音の1人2役にチャレンジした。モデルとしてのキャリアを重ねてきた彼女だが、完成報告会見の場で清水監督が「Koki，さんのお芝居を見たことがなかったので、不安はありました。でもお会いしたところ、真面目でストイックな感じが見えた。この人とやるのは面白いかもしれないと思った」と率直な想いを吐露していたように、観客にとってもKoki，の女優としての真価は未知数だった。

実際、映画では、奏音に好意を持っている同級生・蓮(萩原利久)をそっけない態度であしらったり、いたずらっぽい笑顔を見せたりと、クルクルと変わる表情もキュートで等身大の女子高生像を実にうまく表現していたKoki，。本作での大きな課題でもあった1人2役にも、行動力のある奏音＆おとなしい詩音をはっきりと演じ分けており、2人の織り成すドラマにグイグイと惹きつけられる。号泣や絶叫など体当たりとも言える芝居も真に迫り、見事にホラーヒロインとしての役目を果たしているのだ。