音楽コンシェルジュ・ふくりゅうが語るTM NETWORKの魅力

2024年に迎える結成40周年に向けて6月14日にアルバム「DEVOTION」をリリースするなど、日本の音楽シーンの最先端を走り続けるTM NETWORK。WOWOWプラスで昨年のツアーの模様が放送される彼らについて、音楽コンシェルジュ・ふくりゅう氏が明かす。
■トラックメーカーのいるユニットの先駆け的存在
楽曲の良さはもちろんだが、TM NETWORKが時代を超えて聴かれているのはなぜだろうか。彼らのツアーパンフレット執筆も手掛けるふくりゅう氏にその魅力を解説してもらった。
「魅力をひと言で表すと『洋楽からの影響をローカライズした日本産ポップミュージック』、つまり"J‒POPのルーツ的存在"だと思っています。例えばかつてアニメソングはキッズ向けでしたが、アニメ『シティーハンター』の主題歌『Get Wild』を生み出したことで、時代を超えて大人も楽しめるヒット曲となりました。このようにTMがその時代の中で新たな道を切り開いた事例がたくさんあります」
「Get Wild」という代表曲にも、さまざまなチャレンジが盛り込まれているという。
「この曲はニューウエーブ的発想とプログレッシブロック、4つ打ちのアレンジが融合した珍しいタイプの曲なんです。サウンドも歌詞のフレーズも聴いた人の耳に残る曲で、今も何度も多くの人の話題になっています。例えば、退社時に会社のドアを開けたと同時に聴くと良い仕事をした気分になれる『Get Wild退勤』がネットで取り上げられたり、『Get Wild』だけを30数曲集めたアルバムを出してギネスに登録されたり、それくらい影響力の大きい曲なんです」
ヒット曲を持っている強さを持ちながらも、コンセプチュアルなアルバムを制作したり、シアトリカルなライブを行ったりと、曲単体ではなく、1つの大きな世界を構築しているのも特徴といえる。

「令和時代なら当たり前と言える"バンドではないクリエーティブ集団"であるということにも注目。ボーカリスト×作曲家×トラックメーカーというユニット形態で、トラックメーカーのいるグループの先駆けでしょう。作曲家が編曲やトラックまで一貫してサウンドを作るようになったのは小室哲哉以降なんです。それが中田ヤスタカやボカロPへと受け継がれています」
ライブにおいても過去に多くの挑戦を試みている。今回、昨年のツアーの模様が放送されるが、それはまさに進化した先に生まれた究極のステージ。
「今回のライブはセリフのないミュージカルというか、究極のフィクション・プロジェクトとして『潜伏者である3人が宇宙船で地球を調査しにやって来た物語』で、SF要素の強い海外ドラマ、映画のような演出で展開します。といっても難しいわけではなく、現在でも多くの人に知られているヒット曲が多く盛り込まれているので、コアなファンでなくても楽しむことができます。今後40 周年に向けて新たな展開があると思いますので、まずは集大成となるこの公演をご覧になって、最新章に備えてほしいですね」
ふくりゅう●1976年生まれ。Yahoo!ニュース特集&個人『ふくりゅうの音楽コンシェルジュ』をはじめ、テレビやラジオなど各メディアで活躍。選曲家としてSpotifyでも公式プレイリストを作成している。
取材・文=田中隆信
放送情報【スカパー!】
TM NETWORK TOUR 2022“FANKS intelligence Days”at ぴあアリーナMM
放送日時:2023年7月16日(日)18:45~
チャンネル:WOWOWプラス
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