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2023/08/15

どんな難しい役も全力投球で自分のものに!可能性の塊、橋本環奈の魅力を再確認

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コメディにアクション、ホラーまで多彩なパフォーマンスを見せる橋本環奈(『キングダム』)
コメディにアクション、ホラーまで多彩なパフォーマンスを見せる橋本環奈(『キングダム』)

どんな時も全力投球!どんなキャラでもどんなにハードルの高い役どころでも自分のものにしてしまう。橋本環奈の魅力とスゴさを表す言葉はそれだけで十分だ。

2016年の『セーラー服と機関銃 -卒業-』で映画初主演を飾り、薬師丸ひろ子や長澤まさみらが演じたヒロインの目高組四代目組長「星泉」のイメージを自身の色に塗り替えると、福田雄一監督とタッグを組んだ2017年の『銀魂』ではコメディセンスを爆発!同監督の『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018年)や『今日から俺は!!劇場版』(2020年)では手加減なしの変顔で爆笑を呼び、怒濤の連続アクションを炸裂させて観る者を圧倒。『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(2019年)と2021年公開のその続編ではコメディエンヌの才能も覚醒させ、『午前0時、キスしに来てよ』(2019年)ではロマンティック・シンデレラ・ラブストーリーのヒロインを可愛らしく演じていたのも記憶に新しい。

■現実から浮いてしまいそうなキャラクターも血の通った人物として体現!

そんな橋本の多彩な魅力と卓越した身体能力が最も活きたのが、人気コミックが原作の大ヒット作『キングダム』(2019年)で演じた山民族の末裔・河了貂(かりょうてん)だ。本作は中華春秋時代を舞台に、大将軍になることを夢みる戦災孤児の少年・信(山﨑賢人)と弟の反乱で王の座を奪われた若き王・嬴政(えいせい/吉沢亮)が王座奪還に挑む姿を描く壮大なスペクタクルロマン。彼らと共に戦う貂も原作の人気キャラだが、鳥のような不思議な蓑を被った風変わりなビジュアルで、最初のうちは男か女なのかもわからないため、アプローチを間違えると「ゆるキャラ」みたいな浮いた存在になりかねなかった。

山民族の末裔で、しだいに軍師を志すようになる河了貂を演じた『キングダム』
山民族の末裔で、しだいに軍師を志すようになる河了貂を演じた『キングダム』

(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

そんな難易度の高い貂に橋本は「少年っぽさ」を意識して臨み、持ち前の可愛らしさを融合させながら血の通った人物として着地させていたから流石だ。しかも、羽根がいっぱいついた、重くて動きにくい鳥の蓑を被った状態でハードなアクションに果敢に挑戦!コミカルな動きを連続させ、緊張感が途切れない映画に一服の清涼感を注ぎ込む役割もまんまと果たしていた。7月28日(金)公開の第3作『キングダム 運命の炎』でも、橋本が完成させた河了貂の雄姿と華麗なバトルが目撃できることを期待したい。

同名の人気コミックを、アニメ版や舞台版に続いて実写映画化した2020年公開の『弱虫ペダル』では、『キングダム』の河了貂から一転、スポーツ青春ムービーの絵に描いたような正統派ヒロインを体現した橋本を見ることができる。

アニメ好きの高校生・小野田坂道(永瀬廉)が、ひょんな偶然から高校の自転車競技部に入部し、そこで出会った仲間たちと競技を楽しみながら、自分も気づいていなかった自転車選手としての才能を開花させていく姿を爽やかに描いた本作。橋本は坂道と同じ学校に通い、父親が経営する自転車店を手伝いながら、自転車競技部のマネージャーをしている寒咲幹に扮しているが、坂道の能力を信じ、彼の背中を優しく押す、そんな役柄を等身大で熱演した。

主人公たちが所属する自転車競技部のマネージャーを好演した『弱虫ペダル』
主人公たちが所属する自転車競技部のマネージャーを好演した『弱虫ペダル』

(C)2020映画「弱虫ペダル」製作委員会 (C)渡辺航(秋田書店)2008

ロードレースを戦う坂道のチームメイトであり、良きライバルでもある今泉俊輔(伊藤健太郎)に「負けたらアニ研(アニメ研究会)に入るっていうのはどう?」と言って闘争心を焚きつけ、まっすぐな眼差しと満面の笑顔で「レースはやっぱり観客がいないとね。小野田くん、頑張ってね」と檄を飛ばすのだから、たまらない。

それが出しゃばった感じや嘘のない、坂道を純粋に応援する言葉として発せられるから、そりゃあ、頑張っちゃうよな。そう自然に思わせる幹の作為のない言動を、橋本はきちんと成立させていた。あまり気づかれない、そういった彼女の細やかな芝居が、絵空事になりかねない本作を現実の世界に引き寄せていたと言ってもいいだろう。

■初挑戦のホラーでさらなるポテンシャルの高さを披露!

6人の高校生が、全身が血まみれの少女「赤い人」に殺される同じ日を繰り返す『カラダ探し』
6人の高校生が、全身が血まみれの少女「赤い人」に殺される同じ日を繰り返す『カラダ探し』

(c)2022 「カラダ探し」製作委員会

向かうところ敵なし!不可能の三文字とは無縁の橋本環奈は、『カラダ探し』(2022年)でついにホラー映画にも初挑戦!高校生の森崎明日香は、深夜0時を迎えた瞬間、学校で5人のクラスメイトと一緒に全身が血まみれの少女「赤い人」に殺される同じ日を繰り返すことになる。橋本は仲間と一緒にその「死んでも死んでも殺される」死のループを抜け出すために奔走する明日香に文字通りの体当たりで挑み、『今日から俺は!!劇場版』や『バイオレンスアクション』(2022年)などで磨き上げたアクションのスキルで、赤い人との惨劇と攻防戦をスリリングでより恐ろしいものにした。

隠れていたベッドの下から脚をつかまれて引きずり出されたり、口の中に腕を突っ込まれて絶命したり、隠れているプールの水の中に頭を後ろからつかまれて沈められたり、どのシーンもあり得ないほど怖くてなかなかハード。恐怖で引きつる顔もその残虐さを強調していたが、その地獄絵が壮絶だからこそ、明日香が「あんたなんかに渡さない!友だちだけは絶対に渡さない!」と叫びながら赤い人に立ち向かうクライマックスのバトルのボルテージが上がるのだ。

(c)2022 「カラダ探し」製作委員会

様々な戦慄の恐怖シーンに体当たりで挑んだ(『カラダ探し』)
様々な戦慄の恐怖シーンに体当たりで挑んだ(『カラダ探し』)

(c)2022 「カラダ探し」製作委員会

しかも、その前には「カラダ探しが終われば、本当の明日がやってくる。本当の明日が来たら、私のことなんか、(イジメを受けていた時のように)みんな見えなくなっちゃうんだよね」と密かに想いを寄せる幼なじみの高広(眞栄田郷敦)に吐露するシーンもあって、橋本はそんな明日香の複雑な心情も憂い顔で繊細に表現。友だちを守るために赤い人と戦う彼女のアクションに深みを与えていた。

秘めた想いを吐露する明日香の複雑な心情も繊細に表現(『カラダ探し』)
秘めた想いを吐露する明日香の複雑な心情も繊細に表現(『カラダ探し』)

(c)2022 「カラダ探し」製作委員会

と、ここまで振り返ってきただけでも、橋本の芝居の幅の広さや身体能力の高さを再確認できるが、彼女はまだ24歳。快進撃は止まらない。

この後も山口智子とWヒロインを務める『春に散る』(8月25日公開)、『リング』(1998年)や『スマホを落しただけなのに』(2018年)などのJホラーの鬼才・中田秀夫監督がメガホンをとり、重岡大毅とW主演を果たした体感型ホラー『禁じられた遊び』(9月8日公開)、笑いの奇才・福田監督とまたまたタッグを組んだNetflix映画『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』(9月14日より配信)などが待機中。可能性の塊=橋本環奈は、これからも彼女自身もまだ知らない内に眠る新たな能力を覚醒させながら、多彩なパフォーマンスを見せ続けてくれるに違いない。

文=イソガイマサト

イソガイマサト●映画ライター。独自の輝きを放つ新進女優、ユニークな感性と世界観、映像表現を持つ未知の才能の発見に至福の喜びを感じている。「DVD & 動画配信でーた」「J Movie Magazine」「スカパー! TVガイド」「ぴあアプリ」「MOVIE WALKER PRESS」や劇場パンフレットなどで執筆。映画やカルチャー以外の趣味は酒(特に日本酒)と食、旅と温泉めぐり。

放送情報

キングダム
放送日時:2023年8月20日(日) 18:30~
弱虫ペダル
放送日時:2023年8月17日(木) 7:00~
チャンネル:日本映画専門チャンネル

カラダ探し
放送日時:2023年8月26日(土) 20:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
放送日時:2023年8月27日(日) 10:00~、30日(水) 18:15~
チャンネル:WOWOWプライム

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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