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2023/10/02

元宙組トップスター・真風涼帆をはじめ、スターたちが「男の美学」を表現したタカラヅカ版『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』

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真風涼帆
真風涼帆

ドラマや映画で人気を博してきた「HiGH&LOW」のタカラヅカ版「HiGH&LOW -THE PREQUEL-」は、原作へのリスペクトを示しつつ、タカラヅカの美学もたっぷり詰まった舞台となっている。

タカラヅカ版は、2筋の物語が同時に進んでいく構成になっている。その1つが「SWORD」の5つのチームと、この地区の支配を狙う「苦邪組(クジャク)」との対決だ。「苦邪組」はタカラヅカ版オリジナルの組織で、そのメンバーが「SWORD」の5つのチームで事件を巻き起こしていく過程で、各チームの特色を見せていく。
 
不良学生のエリート高校「鬼邪高校」、祭りを仕切る「達磨一家」、無名街で家族のように生きる「RUDE BOYS」、女性を守ることを使命とする「White Rascals」、そして山王街を愛し守る「山王連合会」...5つのチームの際立つ個性を1時間半に凝縮してテンポ良く見せていく。

芹香斗亜
芹香斗亜

原作・著作・構想/HI-AX ©宝塚歌劇団  ©宝塚クリエイティブアーツ

最終的に「SWORD」と「苦邪組」との決戦に向かっていく過程で、「山王連合会」を率いるコブラ(真風涼帆)が、「達磨一家」の日向紀久(瑠風輝)、「RUDE BOYS」のスモーキー(桜木みなと)、「White Rascals」のROCKY(芹香斗亜)らと出会い、お互いを認め合っているところを見せる。タカラヅカらしい「男の美学」の表現だ。
 
「SWORD」の5チームに対峙する「苦邪組」のメンバーも、リーダーのリンを演じた留依蒔世を筆頭に、存在感は抜群。また、コブラたちの最大のピンチを救うのが、純子(天彩峰里)率いるレディースチーム「苺美瑠狂」だ。「タカラヅカの娘役ここにあり!」の強さとしなやかさを見せつけてくれる。

潤花
潤花

原作・著作・構想/HI-AX ©宝塚歌劇団  ©宝塚クリエイティブアーツ

そして、もう一筋の物語が、原作の前日譚としての、コブラとカナの淡い恋である。先ごろ退団した宙組トップコンビの真風涼帆と潤花が、このカップルを演じる。病と健気に戦う天真爛漫なカナを、コブラがぶっきらぼうながらも優しく包み込む。

「White Rascals」のパーティではカナがチャイナ服を身につけ、「達磨一家」の祭りの場面では、2人が浴衣姿で登場する。さらにコブラとのバイクのタンデムも見せてくれる。テレビドラマや映画では見られないコブラの一面が垣間見えるのが、タカラヅカ版の醍醐味である。

幕開けに大階段が登場し、5チームが順に降りてくると、テンションが一気に上がる。「鬼邪高校」は紺、「達磨一家」は赤、「RUDE BOYS」は緑、「White Rascals」は白、そして「山王連合会」は黒というチームカラーが、舞台では映える。事件が一件落着した後のラストシーンで、5チームが再び揃い踏みしてくれるのも嬉しい。思わず「待ってました!」と叫びたくなる。
 
一方、タカラヅカらしい華やかさを感じさせるのが、「White Rascals」が開催するパーティーの場面である。めかし込んで仮面まで持って出かけるコブラとヤマト(紫藤りゅう)、ダン(若翔りつ)、テッツ(亜音有星)の姿は、「ロミオとジュリエット」の仮面舞踏会のシーンを彷彿とさせる。

とにかく「タカラヅカで『ハイロー』を舞台化するなら、これは見たい!」というシーンが「HiGH&LOW -THE PREQUEL-」では目白押しとなっている。

文=中本千晶

放送情報

HiGH&LOW -THE PREQUEL-('22年宙組・東京・千秋楽)
放送日時:10月5日(木)18:00~ほか
放送チャンネル:TAKARAZUKA SKY STAGE
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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