SEVENTEEN・JUN(ジュン)の切ないバラードに聴き惚れる...練習生時代の意外な下積みエピソードも

2023年最大規模となったドームツアー「SEVENTEEN TOUR 'FOLLOW' TO JAPAN」を駆け抜け、大晦日には「第74回NHK紅白歌合戦」の初出場も話題を呼んだ"セブチ"ことSEVETEEN。13人という大所帯グループならではの"ケミ"が最大の魅力だが、それも個々のメンバーの多彩な才能があればこそ。中でも、パフォーマンスチームの中国出身メンバーで、彫刻のように整ったビジュアルから"リアル王子"と称されるJUN(ジュン)は、多岐に渡る活動で注目を集めている。

JUNが芸能活動をスタートさせたのは何と2歳の時。昨年は主演した青春ドラマ「独家童話(原題)」での情熱的なキスシーンも話題を集めたが、アーティストとしても存在感は増すばかり。韓国で昨年9月11日に放送された「ライブショー リムジンサービス」に、SEVETEEN からはSEUNGKWAN(スングァン)、HOSHI(ホシ)に続いて3人目の単独出演を果たした。

「リムジンサービス」は、韓国KBSバラエティ番組のデジタル専門スタジオ「スタジオK」で配信されているコンテンツ。シンガーソングライターのイ・ムジンがゲストと繰り広げるセッションや音楽トークが人気で、これまでに延べ100人を超えるK-POPアイドルや歌手がソロ出演し、貴重な生歌パフォーマンスを披露している。

オープニング曲として、2022年9月にデジタルリリースした自身のソロ曲「LIMBO(Korean Ver.)」を披露したJUN。自身が作詞作曲にも加わったというこの曲は、感情を抑えたR＆Bテイストの低音ボーカルがサビに近づくにつれ徐々にハイトーンへと変化する展開が印象的なダークミディアムポップだ。

オープニングトークでは「個人的に『リムジンサービス』に出たくて、事務所に話をして...」と番組のファンであることを告白。ムジンからスタジオを訪れた感想を聞かれると、「音響がすごくいいし、雰囲気もとてもよくて嬉しいです」と興奮気味。その表情は"大好きな番組に出られた！"というワクワクに満ちていて、見ているこちらの気分も高まってくる。

続いて、韓国のソロ歌手イ・ジョクの2013年のヒット曲「Lie Lie Lie」をカバー。JUNの温かみのある声質と切ない別れの曲調がマッチして、エモーショナルな空間を作り出していく。

歌唱後、この曲を選んだ理由を問われると「実はこの曲は僕には訳ありの曲で...」と切り出したJUN。練習生の頃、あがり症を克服するために"通りすがりの人を引き留めて1曲聴いてもらう"というミッションを与えられ、見ず知らずのおじいさんにこの「Lie Lie Lie」を聴いてもらったのだという。「そのおじいさんから感想をいただいて、すごく感動しました」とユニークな下積みエピソードを明かしたJUNに、ムジンも興味津々の様子で聞き入っていた。

その後も、韓国のソロ歌手ALEPH(アレフ)の「No One Told Me Why」や、SEVENTEENの楽曲で一番好きだという「Circles」を歌唱し、トークでは2歳の時にスカウトされたという芸能界入りのきっかけも告白。番組恒例の"デュエットサービス"では、「Drive It Like You Stole It」(Sing Street)をムジンとコラボ。疾走感あるメロディに乗って明るい歌声を響かせた。

また、同じパフォーマンスチームのリーダー、HOSHI(ホシ)が出演した「リムジンサービス」(韓国放送日：2023年5月10日)も、KBS Worldにて3月31日(日)に再放送される。

「CARAT(セブチのファン)にバラードを歌ってあげたかった」とセレクトしたテヨン(少女時代)のソロ曲「11:11」や、Charlie Puth(チャーリー・プース)がBTSのJUNG KOOK(ジョングク)とコラボした「Left and Right (feat. Jung Kook of BTS)」をムジンとのデュエットで披露するなど、SEVENTEENの楽曲とはまた違った表情を覗かせたHOSHI。

HOSHIとJUNが属するパフォーマンスチームは、つい圧巻のダンスに目を奪われがちだが、「リムジンサービス」では"ソロアーティスト"としての2人の魅力が前面に表れていて新鮮。贅沢な生歌ライブと共に、チャーミングな人柄が滲むトークもじっくり楽しみたい。

文＝酒寄美智子