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2024/03/01

斎藤隆が大谷翔平&山本由伸加入のドジャースの今季を占う「1番ベッツ、2番大谷、3番フリーマンの上位打線は全米イチ」

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ドジャースOB・斎藤隆が今季のドジャース、大谷翔平&山本由伸の活躍を占う Photo by Sayaka Masumoto
ドジャースOB・斎藤隆が今季のドジャース、大谷翔平&山本由伸の活躍を占う Photo by Sayaka Masumoto

MLB2024シーズンが、日本時間3月29日(金)に開幕。J SPORTSでは、ロサンゼルス・ドジャース大谷翔平、山本由伸の先発出場試合を徹底生中継。その他、日本人注目選手の出場試合を中心に連日放送する。

今回、2006年~2008年にドジャースに在籍したプロ野球解説者・斎藤隆とMLBアナリスト・AKI猪瀬が対談。大谷&山本が加入して注目が集まるドジャースをはじめ、今季よりMLBに挑む松井裕樹(サンディエゴ・パドレス)、今永昇太(シカゴ・カブス)への期待を伺った。

■大谷翔平&山本由伸加入でワールドシリーズを目指すドジャース

AKI猪瀬「ドジャースは大谷翔平選手をはじめとして、テオスカー・ヘルナンデス外野手(元シアトル・マリナーズ)やジェームズ・パクストン投手(元ボストン・レッドソックス)らといった大規模な補強を行いました」

斎藤隆「ドジャースはリーグチャンピオンを取るのは当たり前で、その先のワールドチャンピオンになるのが毎年大きな課題になっています。そのための本気の補強を行ったのだと思います」

AKI「大谷選手がいないドジャースの打線ですらアトランタ・ブレーブスと双璧だったわけですが、今シーズンは1番ムーキー・ベッツ選手、2番大谷選手、3番フレディ・フリーマン選手という、かなり強烈な上位打線になりそうです」

斎藤「どの球団のピッチャーもやりづらいのは間違いないです。全米イチの1、2、3番と言ってもいいと思います」

AKI「ロサンゼルス・エンゼルス時代と違って1番と3番が大谷選手のプロジェクション(成績の予想)を守ってくれる打線になりますが、これにより成績は飛躍的に上がったりするのでしょうか?」

斎藤「エンゼルス時代を振り返ると前後が弱かったり、けがをしがちな選手が多くて、打線という意味ではつらかったと思います。ただ一方で、前後にすごい人がいたら打率が上がるかといえばそこまで単純でもない。大谷選手はとにかく『ヒリヒリする9月を過ごしたい』と常に言っており、勝ちたいんですよ。もし1点差の7回、ベッツ選手がノーアウトで2塁にいた場合、大谷選手は間違いなく最悪でも1アウト3塁をつくることを考えると思います。これがエンゼルスだと打つという選択肢しかなかったので、彼の打席の前後を固めたからといって飛躍的な数字になるとは想像できないです」

AKI「チームバッティングをする可能性が高いということですね。ドジャースタジアムはピッチャー寄りのボールパークというイメージですが、ホームランの出やすさはいかがですか?」

斎藤「エンゼルスの球場の方が僕の感覚ではあまり飛ばないイメージなので変わらないと思います。ドジャースタジアムはポール際、センター方向は意外と入りますが、右中間、左中間は完璧に打ち抜いたものしか入らない。大谷選手はセンターのちょっと左に飛んでいくイメージが強いですが、あの打球は変わらず入るんじゃないかな」

AKI「またエンゼルスとドジャースの違いといえば周りの注目度ですね」

斎藤「多分、比べものにならないぐらい騒がしくなると思います。メディアに関しては、彼が話す時間や聞かれる内容などをスタッフが精査して、できる限り練習やトレーニングの邪魔にならないように時間をつくることが必要だと思います」

AKI「エンゼルス時代は登板日しかクラブハウスでの取材はなかったですが、今年はバッター専念なのでどうなっていくのか...」

斎藤「できれば1カードに1回くらいは答えてもらいたいです。年俸に見合わない活躍のときはファンの目がかなり厳しいですが、これはやってみないと。見合う活躍をすると思いますし...」

AKI「改めて史上最高額の10年7億ドル、97%が後払いと聞いていかがでしたか?」

斎藤「あくまでも想像ですが、いよいよ日本初のメジャーリーグオーナーが誕生するなと思いました。それどころか日本の球団までも持つことができる。10年後の大谷選手はそうなっていてもおかしくない、そういう星の下に生まれた人だなと(笑)」

AKI「そしてドジャースには大谷選手だけではなく山本由伸投手も加入します」

斎藤「これには驚きましたね。ただ、メジャーリーグは選手がリクルーティングに回るので、大谷選手が先に決まったことが功を奏したんだと思います」

AKI「大谷選手から言われて断れる日本人選手がいるのか...。それくらい強烈なリクルーティングでした。山本投手はどのような結果を残しそうですか?」

斎藤「スキルの心配は一切ないです。カーブも有効ですし、七色(なないろ)と言うと大げさかもしれませんが、それくらい違う球種が投げられるので。心配といえば中4日というフィジカル的な要素です。シーズン後半まで中4日でキープした上で、最後の方はいつもなら6回で終わるところが7回になったり、2回で終わるなんてことが出てくる。そういうことにどこまで対応できるか。できるなら、中5日で回せたらいいですけど」

AKI「あとこれはMLB1年目の日本人選手はみんなそうですが、時差や長距離移動は心配ですか?」

斎藤「1時間しか時差がなくても意外と体力に響きますし、フライト時間も長いし大変。これこそ体感して慣れてもらうしかないですね」

■クローザーとしての活躍も期待されるパドレス・松井裕樹

今季からMLBに挑戦する松井、今永の両左腕にも期待を寄せる
今季からMLBに挑戦する松井、今永の両左腕にも期待を寄せる

Photo by Sayaka Masumoto

AKI「松井裕樹投手がFAでパドレスに加入しました。こちらもダルビッシュ有投手がリクルーティングして話題になりました」

斎藤「パドレスは気候的にも生活面においても良いチームだと思います。FAなのでもっと交渉するかと思いましたが、意外と早く決まったのは相思相愛だったのかなと思います」

AKI「ジョシュ・ヘイダー投手がFAで流出したので、クローザーのポジションもあり得なくないと思いますが」

斎藤「それもあるとは思いますが、まずは7、8回を投げて9回へ...と少しずつ上がっていく方が全体を見渡せていい気がします。そして来年がっちりクローザーをつかむイメージでやってくれたら」

AKI「WBC(ワールド・べ―スボール・クラシック)の時にMLBの公式球に少しアジャストできていなかったのと、ピッチクロックに対応できるのかが少し不安ですが」

斎藤「ピッチクロックはキャンプでクリアしていくと思いますので、僕は心配していないです。ただ一つ言えるとしたら、真っ直ぐとスライダーがあるけど、常にどちらかで抑えるのではなく、こっちで打たれたら仕方ないと思えるボールをチョイスする心の準備をしておくことが大事かなと。これは経験上ですが、やはり長いシーズンの中にはどれも駄目なときが絶対に出てきます。そういうときに何を投げるのか、その準備だけはしておけば心配ないと思います」

■カブス・今永昇太はインコースとファウルゾーンに投げる勇気を

AKI「隆さんとは横浜DeNA時代にコーチと選手として関係のあった、今永昇太投手がカブスに移籍しました」

斎藤「移動など考えると一番いいチョイスをした気がします」

AKI「カブスといえばデーゲームが多いですが」

斎藤「そこはあまり心配していないです。それよりバッターに対してどれだけインコースを突いていけるのかが大事かな。昇太は緩いボールがあるけれど、山本投手や松井投手のようなバッターの目線で一瞬上がるような非常に邪魔なボールを持っていないんですよ。それにより、カウントが決まってくると絞られやすくなってくる。そのためにもインコースが大切になってくると思います。どんどん突いて3球全てインコースで終わらせる勇気を持つことが必要です。あとバッターにとってのファウルゾーンを覚えることも大事。空振りゾーン、ゴロゾーンはもちろんですが、手を出すけど前に飛ばない、ヒットにならないというファウルゾーンを持つことが先発としては必須になってくると思います」

AKI「ファウルで粘られて段々アジャストされて打たれてしまうパターンもありますよね。今永投手は、フィジカルは強い方ですか?」

斎藤「弱くはないですが、粘られるのは誰もがいい気がしないので...。だからこそインコースに投げる必要があると思います」

AKI「またピッチ・コム(サイン伝達電子機器)が9分割なので『投げる哲学者』といわれている今永投手には物足りないように思えます」

斎藤「全然足りないですね。そしてキャッチャーが押すのか本人が押すのか、その辺りは楽しみです」

■けがなく今持っているスキルを出し切ることが大事

AKI「今シーズンのMLBはダルビッシュ投手と山本投手の投げ合いで始まると思いますが、MLBの先輩として選手にエールを送ってください」

斎藤「とにかくけがなく1年間頑張って! 成績などいろいろありますが、プレーヤーの身からするとこの一言です。あと1年目の選手は移動と時差など環境に慣れることです」

AKI「海を越えている選手たちの実力は折り紙付きですからね。故障さえしなければ数字なんて自然に付いてきますよね」

斎藤「MLBに行った選手がスキル的に足りないなんてことはないです。自分の持っているモノをしっかり出し切ることに集中してくれればと思います!」

取材=J SPORTS 文=玉置晴子 Photo by Sayaka Masumoto



放送情報

メジャーリーグ中継2024~OPENING DAY~ドジャース vs. カージナルス
放送日時:3月29日(金)5:05~
放送チャンネル: J SPORTS 3

MLBイッキ見!特別編2024シーズンナビ
放送日時:3月16日(土)13:25~
放送チャンネル: J SPORTS 1

MLBイッキ見!
放送日時:3月29日(金)22:00~
放送チャンネル: J SPORTS 1

※放送スケジュールは変更になる場合があります



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