里見浩太朗が「街ぶら＆グルメリポ」体験！ 時代劇「忠臣蔵」で思い入れのある墨田区両国を巡る

里見浩太朗が案内役となり、大発展を遂げた東京で江戸時代から残る名所・旧跡を訪ねて、江戸の味を今に残す老舗で江戸グルメを堪能する、ホームドラマチャンネルのオリジナルバラエティ番組「里見浩太朗の大江戸美食倶楽部～江戸を今に伝える名店・旧跡～」が３月17日(日)にスタート。

御年87歳、時代劇スターとして68年のキャリアを誇る里見が、その豊富な知識を生かし「街ぶら」ロケで食リポもするという激レアな姿を見せる上、毎回エンディングでは歌も披露するという、往年のファンにはたまらない番組となっている。

第1回は「墨田区両国」を散策する。「忠臣蔵」クライマックスの舞台となった、大石内蔵助が主君・浅野内匠頭の敵討ちを行った吉良上野介の邸宅跡が残るこの町。両国橋、吉良邸跡、「吉良まんじゅう」を供する和菓子店「大川屋」などを訪れる。

里見は1985年の年末に放送された日本テレビ年末時代劇スペシャル「忠臣蔵」で大石内蔵助を演じたこともあり、思い入れのあるこの地を散策。4月放送の第2回までのロケを終えた里見に、番組の見どころを聞いた。

――「街ぶらロケ」にグルメリポートと、里見さんの貴重なお姿が見られる番組ですが、今回オファーを受けた理由は？

「以前、お寺探訪の番組をやった時に和尚さんにお話を伺ったのが、とても勉強になったんです。なのでこうした機会に、東京都内の歴史ある名所・旧跡のことを新しく知ることができるというのは、自分のためにも決して無駄にはならないと思ってお受けしました」

――第1回では墨田区両国を散策されましたが、ご感想は？

「楽しかったですよ。本所の吉良邸は、今まで何度も映画やドラマに出てきていますが、討ち入りの際はどこに吉良上野介がいるか分からないほどの大屋敷だったのが、現在では一部だけ小さく残っていて驚きました。僕は実際に訪ねるのは初めてだったものでね。でも本来の表口から裏口まで歩いたら、なるほどすごく広いんです。そして大石内蔵助が吉良上野介の首を洗った井戸がまだ残っているんですよね。吉良上野介の像もあったので『私があなたを殺してしまいました、ごめんなさい』と謝ってきました(笑)」

――里見さんにとってやはり、大石内蔵助を演じられた「忠臣蔵」は思い入れが強い作品なのでしょうか？

「大石内蔵助という役は、誰もができる役ではありません。時代劇の役者(俳優)なら、いつかはやりたい夢の役。ですので、50歳で演じることができた時は本当にうれしかったです。『これで真の意味で時代劇役者(俳優)の里見浩太朗が生まれた』と思うことができました。その頃には、自分がこの世界に入った当時の大先輩方、片岡千恵蔵先生、市川右太衛門先生、大友柳太郎先生、大川橋蔵先輩など、気付くと皆さんいなくなっていましたが、テレビで再び時代劇が人気となってきた頃でした。ところが、今はブームも過ぎて、今度は時代劇が消えようとしている。寂しいことですが、時代劇は日本人の心。何とかできないものかといつも考えています」

――今回は江戸時代そのままの味を今に伝えるイノシシ鍋(第1回)や蕎麦(そば)がき(第2回)など、グルメも堪能されていますね。

「そうなんです。歴史にいわれのある名所旧跡がそのまま残っていないのは残念ですが、お蕎麦なんかは、作り方も江戸時代から代々変わっていないといいますからね。ただ、今はほとんどのお店で、おなかいっぱいになる量のお蕎麦が出ますよね、これが当時はもっと少なかった｡お蕎麦はおなかをいっぱいにするものじゃなく、お酒のつまみだったからだそうです。まぁ僕なんかは、やっぱりいっぱい食べたいですけど、粋ですよね」

――毎回エンディングでは歌も披露なさいますね。

「サービスとしてね、僕もとっても楽しいんです。第1回では僕が大石内蔵助を演じた『忠臣蔵』の主題歌で、堀内孝雄さんの『憧れ遊び』を選びました。吉良上野介がこの歌を聴いたらどう思われるかな、という気持ちで歌ったんですよ」

取材・文＝magbug　撮影＝宮田浩史