Reolが4年越しに神奈川県民ホールに降臨！コロナ禍を経て胸に期す思いをぶつけた圧巻のライブを披露

歌手・作曲家・音楽プロデューサーとして活躍するReolが、2月18日に神奈川県民ホールで「Reol Oneman Live 202324 UNBOX black」を開催した。

同ライブは、2023年11月から2024年3月にかけて開催した2つの異なるコンセプトのツアー「Reol Oneman Live 2023/24 "UNBOX" black/pure」の「black」の千秋楽公演。

オープニングを告げる映像と音楽に、会場の熱気も一段と引き上げられていく中、ステージを覆うほどのスモークがたかれて一瞬視界が遮られた刹那、ステージ中央に設置された櫓の上に黒いボンテージに身を包んだReolが突如現れる。度肝を抜く登場に会場は大きな歓声と拍手に包まれる。ドラマティックな登場の勢いそのままに「Final Call」からスタート。

続く「VIP KID」では、櫓から降りてステージ前方まで進み、その存在感を見せつけるような高音のシャウトに観客も呼応。カッコよくセクシーなパフォーマンスで観客を魅了していきながらも、観客を乗せつつ一体感を醸成していく。

最初のMCでは、「今日という日が来て欲しいような、来て欲しくないような...。『今日やったらblackは終わってしまう』っていう。そういう気持ちのまま今日ステージに来ました。今日はバージョンblackの最終日です。なので、この回ってきたツアーの中で一番素晴らしい景色を皆さんと作りたいと思う！私がみんなよりも誰よりも楽しむつもりで今日は歌いたいと思います。付いて来てくれますか？」とコメントして、観客をヒートアップさせた。

その後、ダンサー4人が登場し、ステージをにぎわせながら披露したのは「第六感」。Reolの圧倒的な歌唱力とダンサーの表現力に後押しされるように、観客たちも合いの手とクラップでライブを作り上げていく。その後、「ウテナ」「SCORPION」「Ms.CONTROL」などが続き後半へ。

和の意匠が施されたロングドレス姿に着替えて登場したReolは「煽げや尊し」「宵々古今」を熱唱。観客たちもジャンプやタオルを回したりと、体全体を使って同公演で見納めとなるライブを隅々まで体感していく。

2度目のMCでは、「blackの千秋楽ということで、今日でこの演目も見納めでございますので、ぜひ最後まで噛み締めて楽しんで観てくれたら嬉しいなと思います」と語り、「ここ神奈川県民ホールは2020年のツアーで、本当であれば追加公演で立たせていただくはずだったステージです。4年越しに皆さんのおかげで立つことができました。ありがとうございます。人生って思い通りにいかないことがある。私も本当はこの場所で2020年に歌うと思っていたし。でも、そういうことがみんなの人生の中にもきっと大なり小なりあったと思います。(それらを)たくさん乗り越えて今日という日があると思う」と述懐。

さらに、「私は進んでさえいけば、いつの日か『こんなこともあったね』って思える日が来るのかなって本気で思っていて、それを確かめるために歌ってるんだと思うし、何度も悩んでそれを歌詞にしたためているんだと思っています。だから、皆さんにもあった"別れがあった意味"が分かる日と出合えると信じて、私と一緒に歩き続けてもらいたいなと思います」と熱い思いを口にした。

ほか、「DDD」では、スペシャルゲストとしてエリナことジェラードン・アタック西本がサプライズ登場。曲に合わせてステージ上を練り歩くだけでなく、客席にまで下りて会場を盛り上げた。曲が終わり驚きの声と笑い声があふれる中、客席から「かわいい～」という歓声が上がると、西本は「もう！何～？急にライブに呼ばないでよね！」と"エリナ節"でコメントして爆笑をさらった。

クライマックスとなるアンコールでは、Reolが客席入口から登場してファンとの交流を図りながら「劣等上等」と「No title」を披露し、全24曲からなるライブを締めくくった。

カッコよさ、セクシーさ、圧倒的なパフォーマンス、観客を魅了する歌声、観客と作り上げる一体感、サプライズゲストも駆け付けたエンターテインメント性など、千秋楽にふさわしい最高の公演となった。

文＝原田健