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2024/04/10

寺島進が刑事役を熱演した「再捜査刑事・片岡悠介」シリーズに注目!

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俳優・寺島進は、スタントマンを経て1980年代に俳優デビューを果たし、1989年に映画「その男、凶暴につき」に出演したのを皮切りに、「ソナツネ」、「キッズリターン」など北野武監督の映画の常連となって俳優として開花。特にチンピラ役に定評があり、存在感のある脇役として確固たる地位を築いていった。

2005年に「踊る大捜査線」シリーズのスピンオフドラマ「逃亡者 木島丈一郎」で主役を張り、同作をはじめ刑事役なども多く演じるようになる。そんな寺島が主演した2時間ドラマが「再捜査刑事・片岡悠介」(テレビ朝日系)で、2010年から2018年まで放送されて土曜ワイド劇場の人気シリーズとなった。寺島演じる片岡悠介は、警視庁捜査一課・第二特殊班に所属する刑事。いわゆる未解決事件の継続捜査が任務だ。横柄ながら人情家で女性や子供には特に優しい。美人に弱い一面もあるが、捜査に対する熱意は誰よりも強く、「犯人逮捕を願う被害者家族の思いを成就させる」ために事件解決に奔走する。バツイチで、現在は元中学校教師で口うるさい母・美知恵(吉行和子)と二人暮らしという設定だ。

同シリーズの第2作となる「再捜査刑事・片岡悠介 函館~横浜・同窓会不倫殺人! ホスト殺しと迷宮入り事件を結ぶネイルの傷とバターの謎!!」は、2011年に放送された作品。ある日、片岡悠介(寺島進)は、高校の同級生でもある西青梅署長・手塚高志(杉本哲太)から、再捜査の依頼を受ける。15年前に銀座の高級クラブのホステス・末次茜(坂口真紀)が殺害された事件だという。茜の死因は頭部を殴られたことによる頭蓋骨陥没。異性関係が派手だった茜に恨みを抱く人間は多かった。最も疑われたのは、同棲していた売れない画家・水島大樹(村田充)だった。水島は事件当時入院中だったが、事情聴取で刑事が病院に向かうと、すでに逃亡していた。片岡は女性刑事・奥村澪(原沙知絵)や、西青梅署刑事の浅野直樹(金子貴俊)とともに再捜査を開始する。遺体の映像を確認すると、茜の手の爪に奇妙な傷がついていることを見つける。さらに茜の部屋に残されていた水島の指紋が数日前に殺害されたホストクラブ店長のものと一致。事件は意外な展開を見せる。片岡は捜査一課刑事・榎本香織(南果歩)と協力し、事件の鍵を握ると思われる人形作家・小暮ちとせ(山本陽子)を訪ねて函館へと向かう...。

人形作家・小暮ちとせ(山本陽子・右)を訪れた片岡悠介(寺島進)と奥村澪(原沙知絵)
人形作家・小暮ちとせ(山本陽子・右)を訪れた片岡悠介(寺島進)と奥村澪(原沙知絵)

⒞レオナ企画

本作の魅力は2時間の尺を無駄なく使ったスピーディーで無駄のないストーリー構成と、寺島はじめ実力派をそろえた俳優陣の演技合戦といえる。寺島は本作が2作目とは思えないほど、片岡役をすっかり自分のものにしているという印象で、人間味に溢れる血の通った芝居で惹きつける。コミカルな場面とシリアスな場面でのスイッチの切り替えも見事だ。レギュラーとして登場する南果歩は、警視庁捜査一課の警部補・榎本香織を演じるが、片岡の母・美知恵の教師時代の教え子という設定だ。片岡とは遠慮なく意見をぶつけ合う仲だが、事件解決のためには手を組んで捜査に当たる。メリハリの利いた演技でさすがの存在感。同じく原沙知絵演じる奥村澪もレギュラーで、片岡とは相棒としてコンビを組むが、趣味の将棋のライバルでもあるというユニークな設定だ。一見クールに見えるが、実は勝ち気でアクティブな性格である。本作では、元刑事だった亡き父がかつて担当した未解決事件の捜査を担当することで、父の弔い合戦という物語が描かれており、奥村の存在感が際立つストーリーになっている。

また、2024年2月に亡くなった、山本陽子が出演していることも触れておきたい。本作でも重要なキャラクターである人形作家・小暮ちとせ役で登場するが、独特な雰囲気のあるキャラクターをナチュラルな演技で表現しており、じつに印象深い。そんな「再捜査刑事・片岡悠介 函館~横浜・同窓会不倫殺人! ホスト殺しと迷宮入り事件を結ぶネイルの傷とバターの謎!!」のベテラン脚本家の佐伯俊道が紡ぐ巧みなストーリーと寺島のバイタリティにも注目だ。

文=渡辺敏樹

放送情報

再捜査刑事・片岡悠介 函館~横浜・同窓会不倫殺人! ホスト殺しと迷宮入り事件を結ぶネイルの傷とバターの謎!!
放送日時:4月25日(木)13:00~
放送チャンネル:テレ朝チャンネル2
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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