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2024/04/27

中村雅俊が主演し、スタントマンの愛と友情を描いた映画「この愛の物語」

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映画「この愛の物語」(ホームドラマチャンネル)
映画「この愛の物語」(ホームドラマチャンネル)

俳優、歌手としてデビュー50周年を迎え、ベスト盤のリリース、東京・明治座での「中村雅俊芸能生活50周年記念公演」も控えている中村雅俊。そんな中村が主演し、スタントマンたちの愛と友情を描いたヒューマンアクション映画「この愛の物語」。スリリングなバイクアクション、カーチェイス、派手な爆破シーンもふんだんに盛り込まれた本作の原作、脚本はつかこうへい。メガホンを取ったのは石原裕次郎の「太陽への脱出」、「赤いハンカチ」などの3連作を手掛けた日活アクションを代表する舛田利雄とスタッフも俳優もとにかくレジェンドが揃っている。

中村が演じる立花はスタントマンクラブの社長。ともに昔、チームを立ち上げた学生時代からの親友・村雨を根津甚八が、立花の妻の弟で、アクション俳優としてスターに成長した大介を、すでにレーサーとしてもデビューしていた近藤真彦が演じている。さらに、クラブに住み込みのお手伝いさんとしてやってくる時子に、当時大人気だったミステリアス・アイドルの藤谷美和子、アクション映画の巨匠と言われる監督役に原田芳雄と、今では実現できないキャストの組み合わせ。音楽プロデューサーは久石譲でテーマ曲は甲斐よしひろ。高中正義、BOØWYの楽曲も挿入曲として使用され、いろいろな意味で1980年代を感じさせる作品となっている。ちなみに当時の中村雅俊は30代半ばで俳優としても歌手としてもすでに安定の人気。おおらかで男っぽいシングルファーザーを演じている。

立花(中村雅俊)をはじめ、スタントマンクラブのメンバーたち
立花(中村雅俊)をはじめ、スタントマンクラブのメンバーたち

(C)1987松竹株式会社

■裏切られた親友を待つスタントマン会社の社長を中村が演じる

(C)1987松竹株式会社

立花と村雨、黒岩(三上寛)らはスタントマンチームを立ち上げ、映画の撮影に没頭する日々を過ごしていたが、妊娠した立花の妻・小夏(和由布子)が産んだのは村雨(根津)との間にできた子供だった。精神不安定になった小夏は自殺し、村雨はその日から姿を消してしまう。立花は妻から事実を打ち明けられても怒らず、小学校高学年で反抗期になった娘・幸江の授業参観に親バカ全開の笑顔で出席するなど、懐が深くポジティブな男性。以前、暴走族だった大介(近藤)を立ち直らせたのも立花で、普通なら顔も見たくないと思う状況を経験したにも関わらず、「男でいちばん大事なのは友情なんだよ」と事件から10年経っても村雨のことを待ち続けている。いつまでも独りでいることをチームのメンバーからも心配され、セレブな両親からも鈍いと言われているお人好しの立花役は中村のハートウォーミングなイメージにピッタリ。やがてお手伝いとして会社にやってくる茨城弁全開の垢抜けない時子(藤谷)が新たな風を吹かせることになる。

■ド派手なアクションの連続の映画撮影シーンは最大の見どころ

(C)1987松竹株式会社

メガネにボサボサ頭の時子は作る料理も不味く、立花に見た目をなんとかして欲しいと言われるが、夜は勝手に車の修理に熱中。心を閉ざしていた娘・幸江とも仲良くなり、周囲は立花との再婚を期待する。頼まれた大介が原宿に連れていき、「プリティ・ウーマン」の如く時子を変身させるが、実は時子は伝説のスタントマンの娘。時子は戻ってきた村雨からバイクテクニックの特訓を受け、監督(原田)の意向で大介とともに日米合作のアクション映画のヒロインを務めることになってしまう。バイクが吹っ飛び、車が横転し、爆発に次ぐ爆発の撮影シーンには本物のスタントマンたちが多数参戦し、"ここまで?"と思うほどの大迫力。カメラカーに乗ってエキサイトしまくるクレイジーな監督の横で弟のようにかわいがってきた大介と愛する時子を心配しながら見守る立花という原田と中村の演技の対比も面白く、恋のエッセンスもありつつ、CGが当たり前ではない時代のアクション映画ファンの興味もそそる作品となっている。

文=山本弘子

放送情報

映画「この愛の物語」
放送日時:5月5日(日)00:30~
放送チャンネル:ホームドラマチャンネル 韓流・時代劇・国内ドラマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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