福山雅治演じる湯川のペースを乱すニューフェイス・新木優子が魅力的すぎる！「ガリレオ 禁断の魔術」

福山雅治が主演を務め、人気を博したドラマ「ガリレオ」シリーズ。原作は東野圭吾の連作推理小説ガリレオシリーズで、2007年に第1シーズン、2013年に第2シーズンが放送されたほか、SPドラマや劇場版も製作されている好評のシリーズだ。

2022年に公開された劇場版第3作「沈黙のパレード」では、ある地方都市で数年前から行方不明になっていた女子高生・佐織(川床明日香)が遺体となって発見されたことをきっかけに、夏祭りのパレード当日に起こるさらなる事件を巡ったストーリーが展開。福山演じる天才物理学者・湯川学が、今回も難事件を鮮やかに解決していく姿が痛快だった。

そんな「沈黙のパレード」の4年前に起こった事件を描いたのが、2022年9月に放送されたSPドラマ「ガリレオ 禁断の魔術」だ。本作は小説「禁断の魔術 ガリレオ8」収録の「猛射つ」を大幅に改稿した長編「禁断の魔術」を原作としたもので、柴咲コウ、吉高由里子に続く新たなヒロインとして、新木優子が出演している。

帝都大学の准教授・湯川学(福山)のところへ、医学部の新入生で、湯川と同じ高校の物理研究会の後輩でもある古芝伸吾(村上虹郎)が訪ねてくる。湯川は伸吾が医学部に入学したことを意外だと話しながらも、優秀な伸吾の将来に期待を膨らませる。尊敬する湯川と出会えた喜びを姉の古芝秋穂(朝倉あき)に伝えようと電話をかける伸吾だが、その電話に出たのはなぜか警察の人間だった。
その5カ月後、フリーライターの長岡修(平原テツ)が自宅で後頭部を殴打され殺害される事件が発生。現場に残された、動画ファイルが収録されたメモリーカードを見た刑事・草薙俊平(北村一輝)と牧村朋佳(新木)は、そこに"奇妙な現象"を見つけ、湯川のもとを訪ねる...。

同シリーズで福山が演じている湯川は、一見すると冷静沈着な天才肌でクールな男だが、その要所要所で、しっかりと人情味のあるキャラクターだ。草薙と牧村が動画を湯川に見せ、殺害された男性が数日前に湯川の研究室に訪れていた長岡だと話した時には、表情が一変し、動揺を見せる。その際に湯川は、長岡が研究室に訪れたことを草薙と牧村には言わないのだが、草薙は湯川のただならぬ様子を読み取る。そのことにも納得がいくほど、福山は細かい表情やセリフを語る時のトーンで、実にナチュラルに湯川の感情の機微を表現しているのだ。

そして、そんな湯川の相棒となる牧村を演じたのが新木。これまでに湯川の相棒を演じた柴咲、吉高も魅力的だったが、そこに名を連ねた新木も、また魅力的なヒロインだ。最初に湯川の研究室を訪れる前には、先輩刑事である草薙が制するのも聞かずに大はしゃぎするマイペースぶり。その後、研究室で湯川に「実験の準備があるから」と言われた際にも「10分でいいんです！」と押しの強さで"あの"湯川のペースを乱すなど、まさに"ニューフェイス"。牧村のキャラクターをしっかりと伝える新木の演技があるからこそ、ストーリーの序盤から、この後の湯川と牧村の掛け合いが楽しみになる。また、誰が相手でも普段の態度を崩さずに捜査を進めていく姿からは、牧村という女性の芯の強さも感じられる。

捜査を進める牧村と草薙、徐々に事件の真相に近づいていく湯川。本作は「沈黙のパレード」の公開翌日に放送されたもの。「沈黙のパレード」と併せて、2013年に公開された劇場版「真夏の方程式」以来の「ガリレオ」シリーズ新作となったが、9年の年月を感じさせないほどナチュラルに湯川を演じた福山の演技と、新たな風を吹かせたヒロイン・新木にも注目しながら、事件の結末を見届けてほしい。

文＝HOMINIS編集部