ロードバイク好き俳優・猪野学がツール・ド・フランスの魅力を熱弁「最後の最後まで誰が勝つか分からないところ。今年もきっと波乱が起こるはず!」
世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」が、6月29日(土)から7月21日(日)に開催される。今回で111回目を迎えるツール・ド・フランスは、史上初めてイタリア中部トスカーナ州のフィレンツェで開幕。フィニッシュ地点も恒例のパリ・シャンゼリゼではなく、リゾート地で有名なニースに移し、世界最高峰の白熱した戦いが繰り広げられる。
全21ステージ、総距離3,492kmの熱きバトルを今年もJ SPORTSが生中継。今回は俳優として活躍しながら、国内の自転車レースにも参戦する「坂バカ俳優」として知られる猪野学さんに、今年のツール・ド・フランスの注目ポイントやロードバイクの魅力などを語っていただいた。
――――初めに、猪野さんがロードバイクを始めたきっかけを教えて下さい
「自転車にハマる前はビッグスクーターに乗っていましたが、駐車規制が厳しくなって自転車に切り替えたんです。最初に買ったのがSCOTT(スコット)のクロスバイク。車体は軽いし、ものすごいスピードが出るので、すぐに自転車のとりこになりましたね。それから本格的に乗り始めたのが、2007年ぐらい。その頃にツール・ド・フランスを見ていて、プロは時速50、60キロぐらい出ることを知ったんです。自分だったらどれくらい出るか試したくて、初心者からレースまでカバーできると紹介があったLOOK555を買いました。でも、僕はせいぜい40キロぐらい。体力には自信がありましたが、プロとは違うことが分かりましたね」
――――猪野さんは、いつ頃からツール・ド・フランスをご覧になり始めましたか?
「さかのぼれば、深夜に民放で流れていた頃ですね。ミゲル・インデュライン(スペイン)が活躍していた時代で『一番速い人は黄色のウエアを着る』というぐらいの知識でした。2007年に自転車に乗るようになって本格的に見始めて、その頃はシュレク兄弟(ルクセンブルク)、アルベルト・コンタドール(スペイン)やイヴァン・バッソ(イタリア)が活躍していましたね」
――――それでは、最近のツール・ド・フランスの印象について教えて下さい。
「この2年、チームではユンボ・ヴィスマ(オランダ)が見事な攻めを発揮していますよね。ワウト・ファンアールトやプリモシュ・ログリッチらユンボ・ヴィスマの攻めに、最強ライダーのタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)も完全にやられちゃっている。僕はポガチャルを応援しているので頑張ってほしいですが、なぜかあと一歩で失速しちゃう。今年はそうならないようにポガチャルも考えてくると思うので、そこが最高の楽しみですね」
――――猪野さんが思う、ツール・ド・フランスの魅力は何でしょうか?
「一番の魅力は、最後の最後まで誰が勝つか分からないところ。普通なら、終盤に先頭と2、3分の差があったら総合優勝は決まるけど、ツールは落車や『メカトラ(メカニック・トラブル)』があったりと、調子が良くても突然失速してしまう『バッドデイ』もある。他のスポーツと違って、最後まで何が起こるか本当に分からないのが魅力ですね」
――――確かに、これまでも多くの逆転劇がありました。ログリッチもひっくり返されています。
「かつてはシュレク兄弟も、カデル・エヴァンス(オーストラリア)にひっくり返されていましたよね。やられた本人たちはたまったもんじゃないと思うけど、そういう逆転劇が何度もあるので、そこがツールの面白さの一つだと思いますよ」
――――現時点(※取材は5月中旬実施)で出場選手は決まっていませんが、猪野さんが注目している選手はいらっしゃいますか?
「今の時点では、ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)やレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)がけがをしていますよね。ヴィンゲゴーはツールに間に合うと思いますが、本調子ではない可能性も。だから、僕はマッテオ・ヨルゲンソン(ヴィスマ・リースアバイク)に注目しています。すごく調子が良くて、パリ・ニースも勝っている。ヴィスマのアシスト陣も調子が上がっているので、ダークホースという感じですね。他に挙げるなら、イスラエル・プレミアテックのスティーブン・ウィリアムズ。急な坂が代名詞のワンデーレース、フレーシュ・ワロンヌを勝っているし、総合優勝は難しいかもしれませんが、山岳賞あたりはいけるんじゃないでしょうか。レムコが山岳賞を取れなかったら、ウィリアムズが山岳賞を取ると思っています」
――――それでは、注目しているチームはありますか?
「バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)はいいですよね。日本の新城幸也が在籍しているチームで、スプリンターがいて、クライマーもいる。総合優勝は少し厳しそうですが、ステージは取れるんじゃないかな。あとは、UAEチームエミレーツ(アラブ首長国連邦)が、アシストに誰を持ってくるかも注目しています。若手にミッケル・ビョーグがいますが、昔に山岳賞を取ったラファウ・マイカらも、ジロ・デ・イタリアを走っていますから気になります」
――――では、最後にツール・ド・フランスを楽しみにしている方、猪野さんのファンの皆さんへのメッセージをお願いします!
「J SPORTSさんからお声がかかるまで、苦節12年かかりました(笑)。私が取材を受けたということは、きっとツール・ド・フランスで波乱が起こるということでしょう。とんでもないことが起こる、記念すべき大会になるかもしれません。ぜひ、皆さんでツール・ド・フランスを楽しみましょう!」
文=宮澤祐介
放送情報
Cycle*2024 ツール・ド・フランス ※全ステージ生中継
放送日時:6月29日(土)18:35~
Cycle*2024 ツール・ド・フランス チームプレゼンテーション
放送日時:6月28日(金)1:30~
Cycle*2024 ツール・ド・フランス 第0ステージ ~あと24時間で開幕SP!~
放送日時:6月28日(金)19:00~
チャンネル:J SPORTS 4
※放送スケジュールは変更になる場合があります