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板垣李光人の無邪気な存在感と美少年ぶりが際立った「仮面ライダージオウ」

2024/07/31

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「仮面ライダージオウ」(東映チャンネル)
「仮面ライダージオウ」(東映チャンネル)

ジェンダーレスなビジュアルと透明感という、唯一無二の存在感を放つ俳優・板垣李光人。大河ドラマ「どうする家康」(2023年)での井伊虎松(のちの直政で徳川四天王に名を連ねる)役では可憐な町娘姿や気迫に満ちた演技で、「silent」(2022年)では、主人公・紬(川口春奈)の恋を見守る弟、青羽光役で注目を集めた。そんな彼が2018年に出演したのが、人気特撮ヒーローシリーズ「仮面ライダー」の「平成仮面ライダー」第20作「仮面ライダージオウ」だ。

「仮面ライダージオウ」(東映チャンネル)
「仮面ライダージオウ」(東映チャンネル)

(C) 石森プロ・東映

本気で将来は王様になることを夢見る高校三年生・常盤ソウゴ(奥野壮)。魔王にして時の王者・オーマジオウとなる未来が待ち受けている彼の前に、謎の青年・ウォズ(渡邊圭祐)が現れ、「今日はキミにとって特別な1日となる。ただし、赤いロボットには気をつけたほうがいい...」と奇妙な言葉を残して姿を消す。その直後、予言通り赤いロボットが追ってくる。必死に逃げるソウゴを救ったのは、2068年の未来からやってきたという、時空を移動するロボット=タイムマジーンを操縦する少女・ツクヨミ(大幡しえり)だった。

「仮面ライダージオウ」(東映チャンネル)
「仮面ライダージオウ」(東映チャンネル)

(C) 石森プロ・東映

時計をモチーフに、時空を自由に行き来できるタイムトラベル能力を持つ仮面ライダーたちが活躍する本作で、板垣が演じたのは、契約した人間に歴代の平成仮面ライダーに近い力を与えて、アナザーライダーと呼ばれる存在を生み出し、歴史を変えようとするタイムジャッカー、ウール役。とある滅びかけた世界の時を司る一族の末裔でもあるスウォルツ(兼崎健太郎)によって異なる時代から連れ去られ、タイムジャッカーとなったという過去を持つ少年だ。

「仮面ライダージオウ」(東映チャンネル)
「仮面ライダージオウ」(東映チャンネル)

(C) 石森プロ・東映

時間を止める能力を使って車にはねられる寸前だった青年を救ったウールが、言葉巧みにアナザーライダーになる契約をさせるという初登場シーンで、板垣は丸いおでこをアピールするようなヘアアクセサリーをつけ、軽やかな足取りで姿を現す。そして、ミステリアスな微笑みを浮かべながら「決めたよ、君に」と青年を契約者に選んだことを宣言する。まるで歌っているかのようなセリフ回しや優雅なしぐさで、妖精のような雰囲気をかもし出していたウールだが、青年に「どうする?」と契約を迫る際は、それまでのふわふわとした笑顔から一転。眉を寄せた威嚇の表情とドスの効いた声を披露するという、激しいギャップをみせ、視聴者に大きなインパクトを与えた。

「仮面ライダージオウ」(東映チャンネル)
「仮面ライダージオウ」(東映チャンネル)

(C) 石森プロ・東映

EP05では、スウォルツに「ショコラはいるかい?」と頭をなでられた際に「ガキ扱いすんなよ」と上目づかいでにらみつけるなど、物語が進むにつれ、その強がりな性格が段々と見えてくる。その後、さまざまなできごとを経て、ウールはソウゴたちに救いを求めるように。初めて彼らがじっくりと話すシーンで板垣がみせる、ため息や伏し目がちな視線を駆使した繊細な演技は、ウールの複雑な心模様を見事に表現した名シーンだ。

主人公たちと敵対する存在として登場しながらも、終盤まで大活躍したウール。彼を人気キャラクターに押し上げたのは、板垣の持つ妖精のような無邪気でとらえどころのない雰囲気が大きく貢献したと言えるだろう。板垣李光人という俳優の魅力が堪能できる全49話、ラストに待ち受けるサプライズまで余さず味わって欲しい。

文=中村実香

放送情報【スカパー!】

仮面ライダージオウ
放送日時: 8月7日(水)7:00~
チャンネル: 東映チャンネル
※毎週(水)7:00放送
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

詳しくは
こちら

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