2024/09/30
新田真剣佑がフィジカルを駆使したアクションシーンを披露した映画「聖闘士星矢 The Beginning」
近年、ハリウッドでは日本の漫画を原作とした作品の実写化がみられる。「ゴースト・イン・ザ・シェル」(攻殻機動隊より)や「ONE PIECE」(ワンピースより)といった作品が名を連ねるが、その中の一つに2023年に公開された映画「聖闘士星矢 The Beginning」がある。
この作品は漫画・聖闘士星矢を原作とした実写化作品だ。主人公の星矢を演じるのは新田真剣佑。「るろうに剣心」や「鋼の錬金術師」といった日本での漫画実写化作品にも数多く出演する実力派俳優だ。また語学も堪能で、この作品がハリウッド初主演となる。
星矢は幼い頃、姉を何者かに連れ去られるとそこからは不遇の日々を送り、少年にまで成長するとスラムの地下闘技場で戦う日々を過ごすに至っていた。そんな折、ある戦いで未知の力を発揮した星矢は謎の集団に連れていかれる。そこで星矢は力の名が「小宇宙(コスモ)」であり、その力が女神アテナの生まれ変わりであるシエナを守るためにあるものだと知る。あまりに突飛な話に理解に苦しむ星矢であったが、力について知ると自身の姉の真実へとも近づいていく...。
ストーリーは原作とはかなり異なる。聖闘士星矢をモチーフとしたオリジナル作品と考えた方が見やすいかもしれない。その中で映画ならではの魅力なのが、新田のアクションシーンだ。新田といえば他の実写化作品でもアクションシーンを演じているが、「聖闘士星矢 The Beginning」では主に自身の身体のみを使ったアクションとなっており武器がなく、新田のフィジカルの高さや身体の使い方をより楽しめる作品といってよい。物語的には終盤覚醒した星矢とフェニックスを関するネロ(ディエゴ・ティノコ)の戦闘シーンが見所ではあるが、そこではコスモの力が多用される。
そんな新田のアクションシーンで最も目を惹かれるのはマリン(ケイトリン・ハドソン)との修行のシーンだ。このシーンでは仮面をつけたマリンにボコボコにされながら星矢が強くなっていくのだが、マリンとの格闘でダイナミックな新田の動きに目を奪われる。修行中は特別な衣装もないため、普段着の新田自身がストリートファイトをしているような印象もあり今までの実写化作品にはない新田の一面といえる。また、段々とマリンの型についていけるようになり最終的にシンクロしたような動きになるのも必見だ。ハリウッドならではの壮大な世界観に2人のアクションが重なるのは美しい。
新田はこの先もハリウッドで活躍の場を広げるだろう。その時にアクションが彼の武器になることは疑う余地がない。これからの彼の活躍の皮切りになりうる本作、是非鑑賞してみてはいかがだろうか。
文=田中諒