2024/11/07
「慶余年」続編で人気が過熱!チャン・ルオユン(張若昀)の、范閑とは趣を変えた切れ者キャラに魅了されるスペクタクル時代劇
2019年の中国ドラマ界を代表する大ヒット作「慶余年~麒麟児、現る~」(以下「慶余年」)の主人公・范閑役で一躍トップスターに躍り出たチャン・ルオユン(張若昀)。
現代の記憶を持ったまま戦乱の世に転生した范閑の快進撃は実に痛快で、初放送から約5年が経った今年5月、待望の続編「慶余年2」が中国で配信され、待ちわびた史劇ファンの熱い反応がネットを賑わせたことも記憶に新しい。そんなルオユンと同作の脚本家ワン・ジュエンらがタッグを組み、中国で大きな支持を集めた歴史活劇が、「雪中悍刀行~徐鳳年、北椋王への道~」(2021年)だ。
総再生回数82億回を叩き出した「慶余年」の歴史的ヒットにより、数々の俳優賞を受賞し、名実共にトップスターの仲間入りを果たしたルオユン。続編「慶余年2」の反響ぶりからも、范閑役がいかにファンから愛されたキャラクターだったかが窺えるが、2023年には"算術の天才"である帥家黙を演じ、巨悪に立ち向かう様を描いたスリリングな謎解きサスペンス「天地に問う~Under the Microscope~」も話題に。ルオユンらしさが光る"切れ者キャラ"を待ち望むファンは多い。
11月27日(水)よりチャンネル銀河にて日本初放送されるスペクタクル時代劇「雪中悍刀行~徐鳳年、北椋王への道~」も、ルオユンならではの"切れ者キャラ"が堪能できる一作だ。
かつて"神州"と呼ばれた9つの国が戦い、そのうちの1国である離陽が他の8国を滅ぼして天下統一を成し遂げた群雄割拠の戦国時代が舞台となる本作。そんな離陽王朝において無敵の勢いを誇る北椋の当主・徐驍の世継ぎとして生まれた徐鳳年を、ルオユンが演じている。
皇帝が企てた政略結婚から逃れるため、3年もの間、放浪して帰還した徐鳳年だったが、程なくして、徐鳳年の世襲を望む父・徐驍の策略により、家族はバラバラに...。さらに、心から慕っていた人物の死が追い打ちをかけ、覚悟を決めた徐鳳年は、愛する北椋と家族を守るため、王となる運命を自ら切り開いていく。
一口に"切れ者キャラ"といっても、キャラクターの個性はさまざま。「慶余年」では純粋で才気あふれるカリスマ、「天地に問う~Under the Microscope~」では人との関わりが苦手な天才肌の"算術バカ"を演じたが、「雪中悍刀行~徐鳳年、北椋王への道~」で見せたのは、聡明さを隠して"ろくでなし息子"の仮面をかぶったキャラクターだ。
ルオユン自身、特に「慶余年」の范閑との演じ分けには当初から相当な神経を使っている。オファーを受けた時に見た徐鳳年のイメージ画がやせて飄々としていたことから約10㎏の減量を敢行。さらに、范閑と徐鳳年の違いを書き出して役作りに臨むなど、范閑の影を感じさせないよう努めたという。
努力の結果、生み出された徐鳳年は、頭の回転の速さに加えハッタリも使い分けるキャラクター。物語の序盤で描かれる放浪中、滅ぼされた国の残党に遭遇した徐鳳年は、憎き北椋鉄騎の世子を殺そうと躍起になっている残党たちにヘラヘラと近づき、その場ででたらめの話をでっちあげて肉や酒にありついてニンマリ。序盤はそんな人を食ったようなキャラが全面に出ているが、王になる覚悟を決めると人物像は研ぎ澄まされ、聡明さはそのままに、器の大きくて洗練された王に成長していく。ルオユンが気迫あふれる演技で見せるその劇的な変化が、徐鳳年の魅力であり、本作最大の見どころだ。
他にも、世紀の傑作とまで称された「ロング・シーズン 長く遠い殺人」(2023年)の新星リー・ゴンシーが、祖国を北椋に滅ぼされた過去を持ち、侍女として仕える徐鳳年に愛憎入り乱れた感情を抱くヒロイン・姜泥役を演じ、また、「レッドクリフ」シリーズの名優フー・ジュンが徐鳳年の前に立ちはだかる父にして偉大な北椋王・徐驍役を貫禄たっぷりに演じている。
2021年12月に騰訊視頻(テンセントビデオ)で配信が開始される否や、その日のうちに驚異の1.49億回再生を記録し、総再生回数は80億回超えと、「慶余年」にも見劣りしない大ヒット作へと成長した本作。ルオユンが演じる、范閑とはまた違うカリスマあふれる切れ者キャラの活躍を見届けてほしい。
文=酒寄美智子