2024/11/21
「ガールズドライブ」でAKB48・小栗有以、山内瑞葵、倉野尾成美、山崎空の"魅せる"芝居!
「AKB48」の小栗有以、山内瑞葵、倉野尾成美、山崎空が黄色い車に乗って静岡から東京を目指すロードムービー「ガールズドライブ」が映画チャンネルNECOにて放送される。
■女子高生が旅をする理由は「殺しにいこう」
富士山を望む静岡県に住む高校3年生の小春(小栗有以)は、中高6年間すべてを捧げてきた陸上短距離の最後の大会で、スタートを失敗し失格になってしまう。そのことをラジオ番組で公表すると、DJ・横須賀ヒロミ(小手伸也)から大笑いされてしまう。
自分の真剣な思いを馬鹿にされた小春は思いつめ屋上から地上を見つめていると、彼氏を後輩にとられてしまった由佳(山内瑞葵)と出会い意気投合。横須賀ヒロミを「殺しにいこう」と物語が動き出す。
そんな二人に合流するのが、同級生と馴染めず距離を置きながら生きている歩美(山崎空)と、インフルエンサーとして成功したいもののフォロワー数が増えず悩む玲奈(倉野尾成美)。たいして仲良くもない4人が、東京へ向かう旅が始まる。
ロードムービーと言えば、親友たちが旅するなかでいろいろなことが起こる場合と、他人同士がひょんなことから旅をはじめ、お互いを知っていくというパターンに分けられるが、本作は、他人同士ではないが、関係性が薄い中で旅を始める後者に近い設定だ。
車を運転するのは、山崎演じる歩美。女子高生が制服を着たまま車を運転するシーンは、他のロードムービーとは一線を画す。もちろん高校3年生は18歳になっているので、車の免許を持っていてもおかしくないが、制服を着た4人が車で移動する姿はとても新鮮だ。
車内での会話も、高校生らしく跳ねた感じがありつつ「ちゃん付けか、さん付けか定まらないぐらいの微妙な関係」と発言するように、まさに他人行儀。逆にその距離感が物語にリアリティを与える。
■"魅せる"ポテンシャルの高いアイドルたち
同じグループで切磋琢磨するメンバーたち。その関係性が大前提にあるからこそ、薄い距離感のなかでも、どこか"繋がっている"という安心感が視聴者にもあるのだろう。そこまで親しくないにも関わらず、ザ・青春という夜のプールでの"ドボン"など、しっかりとアイドル映画のツボは押さえている。
それぞれが抱える問題に向き合いつつも、そこまで深刻にならないというテンションも非常に観やすい。そこには、小栗や山内、倉野尾、山崎という個の持つ"魅せる"というポテンシャルの高さが起因しているのかもしれない。
最後は、サスペンス的な要素も入れ込まれ、80分という尺のなかで、盛りだくさんの内容になっている。たった1日の旅のなかで、最初に登場したときの顔と、最後に映し出される顔では変化が見える。それだけ多感な時期の1日には大きな威力があるという説得力をもって演じた主人公たち4人の"魅せ方"は「さすがアイドル...」と思わせるだけの華がある。
文=磯部正和