北海道日本ハム・新庄剛志監督の勝負の3年目!新庄政権存続をかけた3ヶ月に密着したドキュメンタリーは必見
フジテレビONEで、北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督に密着した「球界のアンチテーゼ~新庄剛志と北海道日本ハムファイターズ『3年目の約束』~」が放送される。監督就任3年目で集大成として臨んだ2024年シーズン。CS争いが激化する中、シーズン後半3ヶ月間に密着したドキュメンタリーとなっている。
そんな新庄監督のこれまでの監督としての手腕、功績、采配の特徴などを振り返ってみたい。
2022年に北海道日本ハムファイターズの監督に就任した新庄剛志(就任1年目の登録名はBIGBOSS)。常識に囚われない野球理論と豊富な経験に裏打ちされた独創的な采配で、チームを3年間にわたりけん引してきた。就任後の2シーズン連続でパ・リーグ最下位と振るわなかったが、「3年間で結果を出す!」と公言してきた勝負の3年目となる2024シーズンでは、今まで蒔いてきた種が開花。チームは2018年以来6年ぶりのAクラスと躍進した。
2024年シーズンの躍進を語る上で欠かせないのが、新庄チルドレンの台頭だ。中でも万波中正外野手、清宮幸太郎内野手は、新庄政権の3年間を通じてチームに欠かせない選手へと成長した。万波選手は新庄監督1年目の2022年にレギュラーを獲得し、初の2桁本塁打に到達。昨シーズンは最後までホームラン王を争う活躍をみせて大ブレイクを果たし、今シーズンも開幕前に新庄監督からレギュラーを明言されると、打撃はもちろん、守備でもチームに貢献。外野手としてリーグ最多補殺を記録し、2年連続となるゴールデングラブ賞を受賞した。
清宮選手の活躍もめざましく、新庄監督初年度に監督からの減量指令に取り組み、2022年に自身初の2桁本塁打を達成。以降も3シーズン連続で2桁本塁打、さらに今季は規定打席に到達はしなかったが打率3割を記録している。期待されていた若手二人を開花させた新庄監督の育成手腕を評価する声も多く、今シーズンも捕手ながらシーズン2桁盗塁を記録した田宮裕涼捕手や、意外性あふれる打撃で打線のキーマンとなった水野達稀内野手を抜てき。日替わりヒーローが常に登場し、チームに勢いをもたらしていった。
生え抜きの成長だけでなく、移籍組の再生も新庄監督だからこその結果と言える。一昨年にソフトバンクから人的補償で獲得した田中正義投手を抑えに抜擢し、昨季トレードで加入した捕手の郡司裕也選手は、打撃センスを活かすために一塁や外野手として起用。ともにキャリアハイの成績を残し、新庄監督による適材適所のコンバートが功を奏した形だ。また、昨年の現役ドラフトで加入した水谷瞬外野手も6年目で初の一軍登録をされると、交流戦でMVPを獲得。まさに、阪神時代の恩師でもある野村克也氏を彷彿とさせる"新庄再生工場"ともいうべき手腕だった。
新庄監督は、就任1年目にドラフト8位の新人である北山亘基投手を開幕投手に指名するなど、勝負どころでみせる奇策も特徴だった。今シーズンもロッテとのCSファーストステージ3戦目に、抑えの田中投手を同点の5回2死から2番手で起用。今季初の回またぎで打者5人を完璧に抑え込み、チームも逆転でファイナルステージ進出したのが印象的だ。
奇策はもちろんだが、今シーズンは中長期的な視点を兼ね備えているのも新庄監督の強みだ。今シーズン加入した新外国人のレイエス外野手に対する接し方も、シーズンを見通したものだった。メジャーで2度の30本塁打を記録していたレイエス選手だが、不振から5月に2軍落ち。新庄監督は「レイエスが(後半戦の)キーポイント。余裕を持って打席に入ってほしい」と再調整を命じ、6月に再昇格した後は主砲として活躍。打率.290、25本塁打、65打点の好成績を収めた。新庄監督はペナント前に「今年は選手を信じて爆発してもらう」と語っており、何より選手を信じた采配が今シーズンの躍進へとつながったのだろう。
そんな新庄監督は来季も北海道日本ハムの監督続投が決まっている。今季リーグ2位となったチームを、2025年シーズンはどこまで躍進させてくれるのか、新庄監督の手腕が今から楽しみで仕方ない。
文=宮澤祐介
放送情報
球界のアンチテーゼ~新庄剛志と北海道日本ハムファイターズ「3年目の約束」~前編
放送日時: 12月10日(火)20:30~、12月28日(土)22:00~
球界のアンチテーゼ~新庄剛志と北海道日本ハムファイターズ「3年目の約束」~後編
放送日時: 12月29日(日)22:00~
チャンネル: フジテレビONE
※放送スケジュールは変更になる場合があります