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10代の堂本剛が主人公をフレッシュに演じた「金田一少年の事件簿」シリーズ完結篇編。ミステリーはもちろん恋の行方にも注目!

2025/02/27

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人気のマンガをドラマ化した「金田一少年の事件簿」。主人公・金田一一(はじめ)を堂本剛が演じて話題を呼び、その後、キャストを変え5代目まで作られるほど定番のシリーズになっていった。マンガではロングヘアを後ろで縛った少し野暮ったいイメージのある一をもみあげに特徴のある爽やかな高校生に変身させた堂本の功績は大きく、その後も「金田一少年」シリーズといえば若手アイドルの登竜門的な存在に。特に堂本が演じたシリーズは当時高視聴率を記録し、連続ドラマ第1、2シリーズと2本のスペシャルドラマ、劇場版まで作られるほど話題を集めた。

そんな堂本が金田一一を演じた最後の作品が、3月23日(日)に日本映画専門チャンネルで放送される劇場版「金田一少年の事件簿 上海魚人伝説」(1997年)だ。中国・上海を舞台に一が名推理を見せ大ヒットを記録した。

名探偵・金田一耕助の孫である一(堂本剛)の幼なじみである七瀬美雪(ともさかりえ)のもとに、上海で雑技団に所属している中国人少女・レイリー(水川あさみ)から一通の手紙が届く。そこには「父親殺しの罪で兄が疑われている。兄を助けて」というもの。一と美雪はレイリーを助けるべく上海へ向かうことに。雑技団のパフォーマンス中に起こる連続殺人事件の謎に迫る一&美雪。そこは華やかな芸があるだけではなく、複雑な人間関係も入り混じる特殊な空間になっていて...。レイリーをはじめとした雑技団に関わる人々はそれぞれの思惑を抱えており誰もが怪しい。そんな中、一は確かな推理能力で事件を解決していく。

舞台が上海のため、ミステリー研究会の真壁誠(佐野瑞樹)や佐木竜太(原知宏)といったおなじみのメンバーは事件パートでは登場しないが、剣持勇警部(古尾谷雅人)は一のピンチを助けるために上海へ。上海公安の刑事との橋渡しをしてくれるほか、事件解決に向けてサポートしてくれる。

不慮の事故で亡くなった雑技団の元スターが残した五言律詩になぞらえて、次々と起きる殺人事件を解いていく一。とくに水中芸の最中に死体が浮かび上がる事件のトリックを「じっちゃんの名にかけて」解決する姿にはスカッとする。また事件の裏にはレイリーの悲しい過去が関係しており、その人間模様にも涙。単なるミステリーではなく、このシリーズらしい人間の悲しい性が描かれる。

なんといっても最大の魅力は一を演じた堂本剛。美雪演じるともさかりえと一緒にいるときのおっちょこちょいで三枚目なところをチャーミングに演じるほか、事件を解決する際の真剣な眼差しや真っ直ぐに人を信用する姿、悲しい現実を知ったときのなんとも言えない表情など堂本らしい一が満載。彼の作った金田一少年を見ているとこのシリーズが人気を誇った理由が分かってくる。

また、本作は以降のシリーズの作品と異なり一&美雪ペアのラストをきちんと描いているのも特徴の一つ。美雪が転校することになり、一に自分の気持ちを伝えるシーンは青春そのもので、またそれに対する一も彼らしい姿でほっこりとさせる。

ミステリーはもちろんのこと10代の堂本にしか出せないフレッシュな演技、そして当時の上海の情景がたっぷり詰まっている本作。今、見てみると当時気づかなかった魅力がたっぷり詰まっている。

文=玉置晴子

放送情報【スカパー!】

金田一少年の事件簿 上海魚人伝説
放送日時:3月23日(日)22:30~
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくは
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