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吉川晃司のカリスマ性が光る!浮世離れした探偵役を熱演した「探偵・由利麟太郎」 志尊淳演じる助手との掛け合いにも注目

2025/08/25

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吉川晃司と志尊淳がW主演、「金田一耕助シリーズ」や「八つ墓村」などで知られる作家、横溝正史の戦後初の本格長編小説「蝶々殺人事件」を含む「由利麟太郎」シリーズを初めて連続ドラマ化したのが「探偵・由利麟太郎」だ。

俳優としての吉川と言えば、大河ドラマなどに出演、「下町ロケット」で阿部寛と共演、帝国重工宇宙航空部の部長・財前道生を演じたことでもおなじみだが、意外にも本作が連続ドラマ初主演となった。演じているのは元捜査一課長で、犯罪心理学者でもある名探偵・由利麟太郎。由利は横溝作品で、金田一より早く生み出された探偵であり、洗練された美学を感じさせるスタイリッシュなキャラクターだ。シャツにアスコットタイ、ロングコートの裾をひるがえして現場入りする由利。彼の助手でミステリー作家志望の三津木俊助を志尊淳が演じている。

ドラマ化するに当たって時代背景が令和となっているため、由利を「先生」と尊敬する三津木はWEB記事を書いているが、由利は移動にクラシックカーを使い、発言に"重み"と"浪漫"を感じさせる浮世離れした探偵。事件を紐解くために集中する時、弓を引く場面は吉川自身が弓の心得があったことから、原作にない設定として取り入れられたという。抑えた演技が渋い吉川の佇まいがさすがである。

■京都を舞台に起こる殺人事件を由利探偵が華麗に解決

吉川晃司は浮世離れした探偵を演じる
吉川晃司は浮世離れした探偵を演じる

(C)横溝正史/KADOKAWA/カンテレ

原作の東京を京都に移し、現代風にアレンジした本作だが、怪奇的で耽美な「横溝ワールド」は映像や演出に活かされている。例えば第一話「花髑髏」は、三津木のPCに由利宛てに"花髑髏"と名乗る者から殺人予告のメールが届き、現場に向かうと血を流す髑髏のまわりに鮮やかな黄色の花が敷きつめられている。

そして、赤楚衛二が意外な役で出演する「憑かれた女」は祇園が舞台。会員制のクラブで働くエマ(水上京香)の見る女性の片腕の不気味な幻覚が事件へと繋がっていく。ちなみに由利の住まいは骨董品屋を営む女性主人の家。クラシック音楽を好み、懐中時計を肌身離さず持つ優雅な生活をしているが、事件が起こると、培ったトレース技術で犯人が残した足跡を見極め、推理していく。必要なこと以外は喋らない由利を吉川はカリスマ性のある存在感で表現している。

(C)横溝正史/KADOKAWA/カンテレ

対照的なのが先生に認められたくて自分の推理を嬉々として喋る三津木。「的は捉えた」と言われるとさらにエキサイトするのだが、「だが、まだ射止めてはいない」と返され、置いてけぼりにされることもしばしばだ。重厚な雰囲気を纏う吉川とお調子者でお人好しの志尊演じるコンビのギャップの妙も楽しめる。

■アクションシーンでは吉川のハイキックも炸裂!

吉川晃司のパフォーマンスといえば、ステージでシンバルキックをキメる姿を思い浮かべる人も多いだろう。そんな吉川のファンを歓喜させるのが由利が犯人を突き止め、対決するシーンだ。由利は先端恐怖症でもあり、頭脳型探偵に思えるのだが、いざという時には戦闘モードへとシフトする。そこで登場するのが吉川得意の鮮やかなハイキック。その鍛えられた身体能力が発揮される場面も盛り込まれた本作は俳優とミュージシャンのキャリアがクロスする吉川晃司の魅力を味わえるミステリードラマでもある。

文=山本弘子

放送情報【スカパー!】

探偵・由利麟太郎(全5話)
放送日時:2025年9月21日(日)16:30~
放送チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
吉川晃司、志尊淳、木本武宏(TKO)、どんぐり、田辺誠一
※放送スケジュールは変更になる場合があります。

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