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木村文乃が、はじけた表情とハードボイルドな空気を醸し出す!映画「ザ・ファブル」

2025/08/28

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どんな相手でも必ず6秒以内に仕留める伝説の殺し屋"ファブル"が、ボスの命令により1年間、誰も殺さず普通に過ごす日々を描くというユニークな設定が読者の心を鷲掴みにした人気コミック「ザ・ファブル」。2019年には実写映画化され、2021年には第2弾が公開。さらに2023年にはアニメ化もされるほどの人気を博した作品だ。

劇場版で主演を務めたのは、岡田准一。殺し屋としての腕は凄まじいが、それのみに特化しすぎたため世間に疎く、時々常軌を逸した言動を見せる"ファブル"というキャラクターを時にコミカルに、時に魅力的に演じている。

そんなファブルのバディとして登場する女性・佐藤ヨウコを演じたのが木村文乃だ。木村はこれまでに刑事ドラマやリーガルもの、ラブストーリーなどでさまざまな役柄をこなし、着々とキャリアを積み上げてきた。今年7月より放送中の大人のラブストーリー「愛の、がっこう。」では主演を務め、心にしみる好演はもちろん、Snow Manのラウールとの共演も話題となっている。目下、抜群の注目度を誇る木村が「ザ・ファブル」劇場版第1作でどんな演技を見せたのか、ここで見ていくことにしよう。

■表情豊かでおちゃめな面もあるヨウコのテンポに巻き込まれる!

岡田准一と木村文乃が殺し屋のバディを演じた「ザ・ファブル」
岡田准一と木村文乃が殺し屋のバディを演じた「ザ・ファブル」

(C)2019「ザ・ファブル」製作委員会

ヨウコはファブルのバディだけあって、高い殺しのスキルを持つ。お酒が大好きで、バーなどで居合わせたチャラい男を酔い潰すのが趣味というユニークなキャラクター。本作の冒頭でもバーのカウンターで男と飲んでいて、当初は明るい雰囲気だ。しかし、やがてテンションが上ってきて、酔い潰れた相手をからかって高笑いするなど、おちゃめなところもある。

ヨウコは総じて表情豊かで、そのはじけっぷりも見事なものだ。例えば物語の序盤、ファブルはヨウコの兄・佐藤アキラを名乗ることになり、普通の人として暮らす上で世話になる「真黒カンパニー」を訪れる。社長と会長に対してアキラが無愛想な態度を取った時には、ヨウコが「悪気はないんですぅー」とぶりっ子して取り繕う。さらに社長が、今、自分たちを殺すとしたらどうやるか、とアキラに問うた時には、変顔といっていいくらい焦った顔でアキラを止める。

アキラはほとんど表情を変えないため、表情を激しく変えるヨウコの存在が作中で良いアクセントとなっていて、アキラとのやり取りはもちろん、緻密な構成と併せて物語にテンポを生み出し、「ザ・ファブル」の世界に惹き込んでくれる。

■"ハードボイルド"な空気が漂う絶妙な表情は必見!

狙い、狙われる世界で生きているヨウコだけに、刃の上にいるような鋭い空気を感じさせるシーンもある。アキラを付け狙う2人組とバーで顔を合わせた時は、軽くあしらうも何かを感じ取ったような不穏な面持ちとなり、アキラがボスの命令を破り武器の準備をし始めた時には、目を見開き、声を荒げて真剣にアキラを心配する。しかし、アキラの想いを知ると、一時、強く迷った後に、手助けをするのだ。そんなシーンでは、アキラとのバディ感もしっかり感じられる。

そしてラスト前、アキラと暮らす部屋の下のガレージから銃声が聞こえた時に、ヨウコはかすかに悲哀が漂う絶妙な表情を見せる。守りたかった命、消えるべくして消える命。その狭間を心が漂っているような空気には、いわゆる"ハードボイルド"の匂いが感じられる。恐らくそれは、ヨウコが殺しの世界で生きる者だから見せる表情であり、それによってヨウコという人物と、作品がより深まっていると言えるだろう。

シリアスとギャグが入り混じり、テンポ良く展開するストーリーに巻き込まれながら、木村文乃の好演を存分に楽しんでほしい作品だ。

文=堀慎二郎

放送情報【スカパー!】

ザ・ファブル
放送日時:2025年9月20日(土)21:00~、9月24日(水)14:00~ほか
チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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