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上川隆也×中山七里原作で描く重厚な警察ミステリー!組織の闇と対峙する刑事を熱演した「テミスの剣」

2025/09/05

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主演ドラマ「能面検事」が最終回を迎えたばかりの上川隆也。無表情を貫き"能面"と呼ばれている検事が、巨大権力にも一切忖度せずに事件の真相を暴いていく痛快で骨太な司法ミステリーに仕上がっている同作。原作は"どんでん返しの帝王"の異名を持つベストセラー作家・中山七里による同名小説で、「無表情な主人公ゆえに映像化不可能」とも言われていたが、無表情ながらも細やかな演技で主人公・不破俊太郎検事を演じた上川の演技が見事だった。

上川隆也が警察組織の悪と対峙する刑事を演じた「テミスの剣」
上川隆也が警察組織の悪と対峙する刑事を演じた「テミスの剣」

(C)テレビ東京

「能面検事」と同様に中山七里作品を上川の主演で映像化したドラマと言えば、2017年に放送された「テミスの剣」。同作で上川は、とある事件をきっかけに警察組織の闇と向き合うことになる刑事を演じている。

1993年12月、浦和署の若手刑事・渡瀬(上川)はベテラン刑事の鳴海健児(高橋克実)と共に殺人事件の現場へ急行する。現場となった不動産屋では、店の経営者である久留間兵衛とその妻・咲江が殺され、辺りは血の海と化すほどの惨状だった。夫婦が違法な高利貸しをしていた証拠が残っていたことから、金の恨みによる犯行として捜査は進められることに。

(C)テレビ東京

そんな中、帳簿に載っていた人物で事件当日のアリバイが曖昧だった楠木明大(中村倫也)が警察に連行される。楠木は犯行を否認していたが、鳴海の暴力もいとわない壮絶な取り調べが続いたことによって犯行を認めてしまい、死刑判決が下される。その後、1995年に楠木の死刑判決を不服とした控訴審が始まり、楠木は再び無実を訴え、警察から不当な取り調べを受けたと主張する。しかし、裁判の結果、楠木の死刑は確定。渡瀬は自分たちの取り調べは正当だったのか、心に引っ掛かるものが...。そんな渡瀬に検事・恩田嗣彦(船越英一郎)は「その気持ちは大事にしたまえ」と優しい言葉をかけるのだった。

■渡瀬の正義感が、警察組織の闇をも暴いていく

(C)テレビ東京

さらに時が経ち2年後の1997年、渡瀬は殺人事件が発生した一軒家へ向かっていた。犯人は盗みに入ったところを発見され、住人の妻と息子を殺害したという。捜査が進む中、渡瀬は4年前の不動産屋での夫婦殺害事件を思い出す。犯行の凶器や手口など類似点が多いことに引っ掛かったのだ。 そんな折、捜査の結果、今回の事件の容疑者として迫水二郎(高橋努)が連行される。警察内部は態度と物的証拠から迫水が犯人だと確信し、自白を取るように渡瀬に命じる。しかし、渡瀬はある仮説を元に独断で捜査を始めていた。 そしてそのことが、警察の信用を失墜させる大きな事件へと発展する...。

(C)テレビ東京

上川が演じる渡瀬は、抑えたトーンでのセリフ回しや、捜査にあたる時の毅然な態度などから、警察官としての正義感の強さや真っすぐさを感じる。しかし、その一方で、過去の事件に対しては今でも罪悪感や後悔の念を抱いている。そんな渡瀬の複雑な心情を、上川は"語らない演技"で表現。ふとした瞬間に揺らぐ視線や、会話の中でのセリフの間などから、渡瀬の動揺や葛藤がひしひしと伝わってくる。

組織と個人の正義との対立というのは、中山作品の醍醐味でもある構図。本作での渡瀬は、警察組織という大きな存在に20年以上もの年月をかけて向き合っていくのだ。当初は若手刑事で、ベテラン刑事・鳴海の厳しい取り調べに戸惑いも見せていた渡瀬も、後輩を抱えるベテラン刑事になっていく。そんな作中での渡瀬の刑事としての成長も上川が体現しており、ベテラン刑事となった渡瀬にはしっかりとした貫禄を感じる。

(C)テレビ東京

作中の舞台は1993年から2017年へと移り変わり、2017年には渡瀬を追う謎の記者・田口今日子(前田敦子)なども登場し、複雑な展開に...。

1人の警察官が長い年月をかけて組織と向き合い、事件の真相を追う重厚なミステリーは、上川の奥行のある演技によってより味わい深いものに仕上がっている。その結末を、ぜひその目で確かめてほしい。

文=HOMINIS編集部

放送情報【スカパー!】

テミスの剣
放送日時:2025年9月13日(土)19:00~
チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

出演:上川隆也 高橋克実 前田敦子 堀内敬子 高橋努 野波麻帆 中村倫也/伊東四朗(特別出演)/ベンガル 菅原大吉 余貴美子 船越英一郎

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