二宮和也が男の園でもがく美青年を好演!柴咲コウ、堀北真希、大倉忠義らの共演で華やかな世界を作り上げた「大奥<男女逆転>」
8月末に公開された主演映画「8番出口」が、日本のみならず海外でも話題を呼んだ俳優・二宮和也。地下鉄の駅の通路で出口を探し求めて"迷う男"を演じ、ループ構造で何度も訪れる同じシチュエーションの中でも、その時々の戸惑いや恐怖、焦り、苛立ちなど、異常事態に遭遇した人間の心理の変化を自然に表現した。心の機微を映し出す細やかな演技力はさすがと言うほかない。
その演技力の高さから、数多くの話題作に出演してきた二宮だが、2010年に主演を務めて注目を集めたのが映画「大奥<男女逆転>」だった。原作はよしながふみによる人気コミックで、主演の二宮のほか、柴咲コウ、堀北真希、大倉忠義らが共演している。
(C) 2010 男女逆転『大奥』製作委員会
舞台は江戸時代。男性だけが感染する謎の疫病「赤面疱瘡」によって、男性の人口は女性の4分の1にまで激減。そのために男女の立場は逆転し、女性が労働を担い、男性は子孫を残す宝として大切に育てられるようになった。そんな世で、今なお武士道を追求する青年・水野祐之進(二宮)は、幼馴染のお信(堀北)との身分違いの恋を諦め、貧しい家族を救うために大奥に行くことを決意する。そこは、徳川家の子孫繁栄のため、3000人の美しい男たちが1人の女将軍の寵愛を求めて仕える"男の園"だった。 嫉妬と陰謀が渦巻く世界で、剣の腕と才覚で出世を遂げていく祐之進。そんなある日、大奥の抜本的改革を目指す女傑・徳川吉宗(柴咲)が第8代将軍として迎えられ、運命が大きく動き出すこととなる...。
■家族のため、男の園「大奥」へあがる青年・祐之進を二宮和也が熱演
(C) 2010 男女逆転『大奥』製作委員会
本作で二宮が演じたのは、困窮する自身の家族を救うために大奥へあがる青年・祐之進。物語の冒頭では、幼なじみのお信に見せる不器用ながらも淡い恋心が微笑ましい。明るく可憐な町娘のお信を演じた堀北も、大和撫子を体現しており実に可愛らしい。
そして、3000人もの男の園「大奥」に入った後には、すぐにその嫉妬と陰謀渦巻く世界の洗礼を受けることになる祐之進。自身が昇格できないことへの憂さ晴らしのために、新人の祐之進に「田舎者」と突っかかってくる副島(ムロツヨシ)にもひるまずに江戸っ子気質で言い返し、同僚からの嫌がらせに臆することはない。一方で、剣術にも長けており、その腕前は大奥きっての剣の達人・鶴岡(大倉)と勝負できるほどで、その才能でみるみるうちに出世していく祐之進。武士道を志していたからこその一本気な性格と強さを、二宮がしっかりと表現している。特に印象的なのは"まなざしの演技"で、二宮の瞳は祐之進の強さのみならず、優しさ、真っすぐさ、動揺、決意、切なさや恋心など、さまざまな心の動きを映し出している。この観る者の心の奥を射抜くようなまなざしの演技は、二宮の大きな魅力のひとつだろう。
(C) 2010 男女逆転『大奥』製作委員会
約15年前の作品でありながら、今振り返っても豪華な面々が顔を揃えているのも本作の見どころ。大倉は、剣術の達人という役どころでありながら、儚く美しさすら感じる美少年ぶりで鶴岡を演じた。大奥総取締役・藤波を演じた佐々木蔵之介や、聡明さと美貌を武器に藤波からの寵愛を受けている松島を演じた玉木宏らも、大奥にふさわしい華やかさを放っている。大奥の改革を目指す吉宗を演じた柴咲の演技も真っすぐで力強く、吉宗に第8代将軍としての貫禄をしっかりと与えている。
(C) 2010 男女逆転『大奥』製作委員会
ファンタジーの世界にリアリティをもたらした二宮の秀逸な演技はもちろん、華やかな大奥を作り上げた俳優陣の演技に注目しながら楽しんでほしい。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
大奥<男女逆転>
放送日時:2025年11月27日(木)21:30~
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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