YOASOBIの「WANDARA」ツアーファイナルの熱狂も...「アイドル」の爆発的ヒットからアジア・ヨーロッパへと拡がる世界規模のファンダムを体感

全国14道県にて40公演を駆け抜けたツアー「YOASOBI HALL TOUR 2025 WANDARA」を、11月29・30日の沖縄公演をもって完走したYOASOBI。

「仲間とともにキャラバンのように旅をしながら"ワンダーランド"のようなワクワクを届けたい」――そんな想いが込められた本ツアーは、彼らにとって初めて訪れる地域も多く含まれており、ファイナルの沖縄では会場付近の宜野湾トロピカルビーチにてチケットを持っていない人も参加可能な特別企画"WANPAKU MATSURI"を開催。熱いライブはもちろん、YOASOBIの音楽を通して誰もが楽しめるピースフルな空間を届けた(この沖縄公演の模様は2026年1月10日(土)、ＷＯＷＯＷにて放送・配信)。

日本各地で巻き起こったその熱狂は、彼らがもはや国内の枠に収まらない"世代と国境を越えた存在"であることも改めて証明した。そんなYOASOBIが世界中に"発見"される決定的なきっかけとなったのは、やはり、グローバルチャートを席捲し、J-POP史上初となる記録を次々と樹立した「アイドル」の爆発的ヒットだ。それを追い風に積極的な海外展開へと打って出た彼らの軌跡をたどる上で外せないのが、2度にわたるアジアツアーだ。

2024年12月から2025年2月にかけて7つの国と地域(仁川、香港、バンコク、台北、上海、シンガポール、ジャカルタ)を巡った2度目のアジアツアー「YOASOBI ASIA TOUR 2024-2025 "超現実 | cho-genjitsu"」は、日本人アーティスト最大規模となる計14万人を動員。中でも、シンガポール公演は、過去にデヴィッド・ボウイ、オアシス、コールドプレイ、エリック・クラプトン...といった大物アーティストたちがコンサートを実施した巨大スタジアム(Singapore Indoor Stadium)で開催された。

会場を埋め尽くしたオーディエンスの熱気は、まさに渦巻くうねりのようであった。楽曲のほとんどが日本語であるにもかかわらず、観客がそれを大合唱し、盛大にペンライトを揺らす光景は圧巻。「アイドル」での会場を覆い尽くすような掛け声は、彼らのグローバルな人気が本物であることを実感させる。

コンポーザーのAyaseとボーカルのikuraが英語や現地の言葉を交えてコミュニケーションを図るMCにも、観客は拍手と歓声で応え、言語の壁を超越した一体感溢れる空間が生み出された。

さらに、YOASOBIの世界的な活躍はアジアに留まらず、"コーチェラ(Coachella Valley Music and Arts Festival)"などの世界的音楽フェスへの参戦を経て、ヨーロッパの地へも降り立った。

2025年6月には初のロンドン単独公演(イギリス・OVO Arena Wembley)を行い、ヨーロッパのオーディエンスをも沸かせたことも記憶に新しい。全身で興奮を示す客席のストレートな反応をはじめ、日本人アーティストのパフォーマンスに誰もが熱狂する様子からは、YOASOBIが世界規模で巻き起こしている現象の大きさがまざまざと思い知らされることだろう。

最新ツアー「YOASOBI HALL TOUR 2025 WANDARA」へと繋がる今回の＜YOASOBI×WOWOWスペシャル＞でピックアップされている海外公演は、そんな"世界で響いた物語"を映像で追体験できる貴重な機会。世界中に拡がるファンダムの熱気をぜひその目で体感してほしい。

文＝川倉由起子