仲間由紀恵&阿部寛の軽妙な掛け合いが魅力のヒットシリーズの集大成!ラストの演出がにくい「トリック劇場版 ラストステージ」
10月期のドラマ「小さい頃は、神様がいて」で北村有起哉と夫婦を演じている仲間由紀恵。これまでにさまざまな役柄を演じ、「ごくせん」シリーズや「美しい隣人」などの代表作で知られる仲間だが、そんな中でも人気が高いのが阿部寛と共演した「TRICK」シリーズだ。
2000年に金曜ナイトドラマ枠で放送された連続ドラマから幕を開けた同シリーズ。2014年公開の映画「トリック劇場版 ラストステージ」とスペシャルドラマ「TRICK 新作スペシャル3」で完結するまで、どの作品も高い人気を誇った。
自称超売れっ子天才美人マジシャン・山田奈緒子(仲間由紀恵)がひょんなことから出会った天才物理学者・上田次郎(阿部寛)に毎回のように言いくるめられ、未開の村へ出向いてインチキ霊能力者のトリックを暴くというのが、シリーズの定番ストーリー。集大成となった「トリック劇場版 ラストステージ」では、山田と上田は海外のとある秘境に行き、トラブルに巻き込まれることとなる。
(C)2014「トリック-劇場版-ラストステージ」製作委員会
テレビ番組のドッキリ企画に騙されて肩を落としていた山田のもとに、上田から電話がかかってくる。タダで海外に行ける用事があると仄めかされた山田は、上田と共に海を渡って"赤道スンガイ共和国"へ行くことに。実は上田は、村上商事の加賀美慎一(東山紀之)から"海外の秘境にあるレアアース採掘のために力を貸してほしい"という依頼を受けていた。なんでも、村上商事は採掘権を獲得したものの、その地域に住む部族が立ち退きに応じないのだという。彼らが信奉する呪術師(水原希子)が、「聖なる土地を他の者に渡すわけにはいかない」と言っているのだ。呪術師が持つ不思議な力、未来を予知し人を呪い殺すという"トリック"を見破ることができれば、部族を立ち退かせることができる。こうして山田は何も知らされぬまま、今回も未開の地で恐ろしい呪術師と対峙することになる...。
■ラストの演出に涙...シリーズの集大成となった本作では山田と上田の絆も感じられる
(C)2014「トリック-劇場版-ラストステージ」製作委員会
ミステリーの中にコメディ要素がふんだんに詰め込まれており、仲間と阿部が織りなす山田&上田の軽妙な掛け合いはシリーズを通しての魅力。本作でもそれは健在で、上田の口車に乗せられてまんまと海外の秘境へと連れていかれることになる山田のおとぼけぶりには、冒頭からクスッとさせられる。
一方で、霊能力の類を否定し続けているものの、かつてシャーマンをしていた母・里見(野際陽子)の力を引き継いでいるのではという葛藤があったり、呪術師の本来の役割に気付いたことでの心境に変化が訪れたりという、山田の胸の内も繊細に映し出している。集大成となる作品だけあって、シリーズを通して描かれてきた"問いかけ"への"答え"を山田が見つけ出しているように感じる。
本作での山田は、海外の秘境で"とある決断"をすることとなる。それを受けて普段は山田を小ばかにして楽しんでいるような上田も、シリアスな表情を見せるのだが、そんな姿からは14年間という時間の中で山田と上田の間に築かれていた絆のようなものを、確かに感じられる。
エンドロールの後に描かれた一幕も含めて、シリーズのファンを唸らせる"ラストステージ"となった本作。山田と上田の最後の物語を、その目で確かめていただきたい。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
トリック劇場版 ラストステージ
放送日時:2025年12月30日(火)19:00~、2026年1月15日(木)16:45~
チャンネル:WOWOWシネマ(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
出演:仲間由紀恵 阿部寛 生瀬勝久 東山紀之 北村一輝 水原希子 吉田鋼太郎 中村育二 石丸謙二郎 野際陽子
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