高石あかりが静けさを纏いながら演じた、大人っぽさと少女らしさが共存する17歳の存在感が圧巻!オダギリジョー、松たか子と共演した「夏の砂の上」
連続テレビ小説「ばけばけ」でヒロインを務めている高石あかり(※「高」は正しくは「はしご高」)。
映画初主演を果たした2021年公開の映画「ベイビーわるきゅーれ」でその魅力を遺憾なく発揮し、注目度を高めることとなった高石。2025年だけでも、1月期の日曜劇場「御上先生」から始まり、佐藤勝利とW主演を務めた「アポロの歌」、映画「ゴーストキラー」「夏の砂の上」に、Netflixオリジナルドラマ「グラスハート」と、数々の話題作に出演。そして、自身の夢でもあったという朝ドラヒロインに抜擢された「ばけばけ」でも、その演技力の高さが話題となり、今や一躍時の人となっている。
そんな高石の2025年の出演作「夏の砂の上」が、2026年1月にWOWOWで放送される。
オダギリジョーが主演・共同プロデューサーを務め、映画「美しい夏キリシマ」の脚本や、映画「紙屋悦子の青春」の原作を手掛けた長崎出身の松田正隆にの傑作戯曲を映画化した本作。気鋭の演出家・玉田真也が監督・脚本を担当し、愛を失った男、愛を見限った女、愛を知らない少女が、それぞれの痛みと向き合いながら、乾ききった心に小さな希望の芽を見つけ出していく姿を描いている。
雨が降らず、からからに乾いた夏の長崎。幼い息子を亡くした喪失感から立ち直れずにいる小浦治(オダギリジョー)は、働いていた造船所が潰れてからも新しい職に就く気になれずに、ふらふらとしていた。狭い町の中では別居中の妻・恵子(松たか子)と元同僚の陣野(森山直太朗)との関係に嫌でも気づいてしまう...。すさんだ日々を送っていたところに、妹の阿佐子(満島ひかり)が、17歳の娘・優子(高石)を連れて訪ねてくる。阿佐子は"博多で一緒に店をやらないかと言われた"という儲け話を口実に、男のもとへ行くために優子をしばらく預かってほしいという。治の猛反対は通らず、突然、姪との同居生活が始まることに。スーパーマーケットでアルバイトを始めた優子は、そこで働く先輩・立山(高橋文哉)と親しくなる。懸命に父親代わりを務めようとする治は、帰りが遅くなる優子とぶつかることも。しかし、次第に2人での暮らしに馴染んできた頃、優子は、家を訪れた恵子が治と言い争いをする現場に鉢合わせてしまう...。
■大人っぽさと少女らしさが共存する17歳の優子を高石あかりが見事に体現
(C) 2025映画『夏の砂の上』製作委員会
全編長崎ロケで、演技派俳優陣が集結した本作でも、高石の存在感が光っている。オダギリ演じる治には、"不慮の事故による息子の死"、"仕事を失くす"、"別居中の妻の不倫"と立て続けに不運な出来事が立て続けに起こり、その後もたびたび苦難の局面に差し掛かる。そんな中でも、静かに、ふらふらと過ごす治だったが、彼を取り巻く環境は何やら騒がしい。突然の妹の訪問をきっかけに、姪との同居生活が始まる。
その姪・優子を演じているのが高石だ。優子は感情を爆発させたり、自身の心情を雄弁に語るタイプではない。しかし、高石のまなざしには、母親と離れ、慣れない長崎の地で暮らす優子の心の声が、しっかりと映し出されているように思う。立山に想いを寄せられ、ともに過ごす時間が多くなるものの、なかなか心を開いている様子は伺えず...。クールに振る舞ってはいるものの、その心にはどこか空虚の部分があることを思わせる、高石の演技が見事だ。そして治と恵子が揉めているところに鉢合わせた時には、声のトーンに動揺が滲み、不安な表情を滲ませる。しかし、恵子が何事もなかったように振る舞うと、それに合わせるかのように冷静に応対する...。大人っぽさと少女らしさが共存する17歳の優子を、瑞々しい透明感を携えて演じている。
物語の後半、治と優子がぶつかり合うシーンのオダギリとの掛け合いも見事。それまで不運の中でもなんとなく日常をやり過ごしていた治と、静かに漂っていた優子の感情がぶわっと解き放たれるかのような瞬間に、注目してほしい。
治と優子を演じるオダギリと高石を中心にしながらも、松や満島、高橋と、俳優陣それぞれの名演が、物語を織りなしている本作。そんな中で確かな存在感を放つ高石の演技を、ぜひ観ていただきたい。
文=HOMINIS編集部
放送情報【スカパー!】
夏の砂の上
放送日時:2026年1月11日(日)21:00~、1月22日(木)14:30~
チャンネル:WOWOWシネマ(スカパー!)
放送日時:2026年1月15日(木)16:00~
チャンネル:WOWOWプライム(スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
出演:オダギリジョー 高石あかり 松たか子 森山直太朗 高橋文哉 篠原ゆき子 満島ひかり 光石研
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