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佐久間大介「役を見てほしい」 TVアニメ『キルアオ』古波鮫シン役を通して声優としてのスタンスを語る

2026/04/11

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佐久間大介が語る『キルアオ』への作品愛
佐久間大介が語る『キルアオ』への作品愛

TVアニメ『キルアオ』が、4月11日(土)よりテレ東系列で放送開始される。藤巻忠俊による同名漫画を原作とする本作は、伝説の殺し屋・大狼十三が中学生の姿となり、学園生活に身を置くことになる"青春やり直し系"アクションコメディ。殺し屋としての緊張感と、学生生活ならではの可笑しみが交錯する独自の世界観で、アニメ化発表時から大きな注目を集めてきた。

そんなTVアニメ『キルアオ』で、おしゃぶりをくわえた殺し屋・古波鮫シンを演じるのが佐久間大介だ。原作を読んできたからこその作品愛を土台に、役との共通点、アフレコでのこだわり、そして表現者として大切にしている想いを語ってもらった。

――まずは、TVアニメ『キルアオ』のオーディションを受けると聞いたときの率直なお気持ちから教えてください

「やっぱりテンションが上がりましたね。もともと『週刊少年ジャンプ』を毎週買って読んでいるので、新連載が始まると自然にチェックしているんです。だから、知っている作品のオーディションだとそれだけで嬉しいですし、その作品の中には絶対に好きなキャラクターが出てくるので、その好きなキャラクターで受かりたいという気持ちで挑みました」

――その中でも、シンは特に好きなキャラクターだったそうですね

「そうですね。僕はシンが一番好きでした。ビジュアルももちろんなんですけど、キャラクター性が面白いのに、ちゃんとかっこいい。そのギャップがすごく魅力的で、原作を読んでいても惹かれる存在でした」

(C)藤巻忠俊/集英社・「キルアオ」製作委員会

――『キルアオ』という作品自体の魅力は、どんなところに感じていますか?

「やっぱり設定が強いですよね。39歳が中学生になるって何それ、しかも殺し屋ってどういうこと、という(笑)。その時点で面白いんですけど、そこに"おじさんあるある"みたいな感覚も入ってくるし、自分が年齢を重ねたからこそ共感できる部分もある。
一方で、中学の頃はこうだったなという遅れてきた青春の追体験もできる。その両方があるのが面白いんです。しかも、そこにアクションもあって、キャラクターのかっこよさもちゃんと見せてくれる。家族で観ても、世代ごとに刺さるポイントが違う作品だと思うので、そこも魅力だなと思います」

――実際に演じることになって、シンにご自身と重なる部分は感じましたか?

「僕自身、もともとすごく引っ込み思案だったんです。子どもの頃は目立つのが嫌いだったし、人の目を見て話すのも得意じゃなかった。だから、根っこの部分ではシンの照れ屋なところに近いものを感じます。緊張すると何もできなくなっちゃう感じとか、そういう感覚もすごくわかるんです。
その一方で、僕は生きていく中で自分のスイッチの切り替え方を覚えてきたところがあって。シンのかっこいいシーンは、僕の中では"理想の自分"に切り替わる瞬間とも重なるんですよね。だから、似ている部分と、自分の理想が乗っかっている部分の両方がある感覚です」

――逆に、「これはかなわないな」「かっこよすぎるな」と思うところは?

「いっぱいありますけど、やっぱりプロの殺し屋としてのかっこよさですよね。原作では必殺技みたいな見せ場もありますし、『うわ、かっけえ!』って素直に思います。ああいう強さにはやっぱり憧れます」

――今回、演じる上でどのようなアプローチをされたのでしょうか?

「オーディションのときにはなかったんですけど、受かったあとに音響監督さんとお話しする機会があって、リアルにおしゃぶりをくわえてアフレコしてみようという話になったんです。試しに一回やってみたらすごく合っていて、今は実際におしゃぶりを使って収録しています」

――すごいですね

「4つくらい買って試しました(笑)。どれが一番くわえやすくて、喋りやすいかを比べて、最終的に0歳から使える一番柔らかいものに落ち着きました。それが一番喋りやすかったです」

――実際にやってみて難しさはありましたか?

「破裂音は難しいですね。"ぱ"とか"ば"とかは、ちょっと甘くなりやすいなと思いながらやっています。でも、おしゃぶりをくわえている状態のリアルさも、この役の面白さとしてすごく大事だと思っていて。そこは音響監督さんも踏まえたうえでの演出なので、多少音が変わることも含めて、今回はそのリアルさを優先しています」

(C)藤巻忠俊/集英社・「キルアオ」製作委員会

――今作でシンを演じるにあたっては、どんなディレクションが印象に残っていますか?

「最初にいただいたのは、プロの殺し屋だからこその余裕感を大事にしてほしい、ということでした。大きい声を出すと弱く見える、みたいなことってあるじゃないですか。ギャグの場面はしっかり振り切るとして、それ以外の場面では、強者としての余裕を立たせることが大事だと教えていただきました」

――おどおどしている場面はどう作っていったのでしょうか

「シンは、ちゃんと喋れないことで違う言葉に聞き取られちゃう場面が多いので、そこをいかに自然に成立させるか、というのは意識しました。変に狙いすぎず、でもちゃんと聞き間違えられるラインを探るというか。そのバランスはかなり考えましたね」

――アフレコ現場で印象に残っていることはありますか?

「僕がおしゃぶりをくわえて収録しているので、それがまず一つの話題にはなっていますね。横並びで録るときに、僕が喋り始めたのを聞いた共演者の方が『え、普通に喋っている......』と思って横を見たら本当におしゃぶりをくわえていて、笑いそうになったと言っていて(笑)。掛け合いの中でそう感じてもらえたのは嬉しかったです。
あと、差し入れがその回に出てくる食べ物にちなんでいることも多くて。あんパンが出てくる回にはパンの差し入れがあったりして、現場を楽しくしてくれているのもこの作品らしいなと思います」

――演じるうえで、好きなキャラクターや先輩たちから受けた影響も大きいのでしょうか?

「めちゃくちゃあります。好きな人や憧れの人から影響を受けることは、自分にとってすごくプラスなんです。影響を受けたうえで、じゃあ自分ならこうするかなと考える。その積み重ねが自分の表現になっていると思います。
たとえば以前、主演映画で座長として現場に立つときに、『どういう座長がいいんだろう』と考えたことがあって。僕が身近で見てきたすごい座長のひとりが土屋太鳳さんなんですけど、本当に強くて、みんなを引っ張って、背中で見せるタイプ。でも僕はそれをそのまま真似するんじゃなくて、みんなで楽しみながら最前列で歩いていく形が、自分らしいのかもと思ったんです。そういうふうに、人のやり方を見て、自分なりの形にしていくことは、お芝居でもずっと続いています」

――それは、声優でも実写でも共通している感覚ですか?

「共通しています。僕はどちらかというと、役を"憑依させる"みたいな感覚のほうが向いているんです。決め込みすぎないで、その場で出てきたものを信じるというか。もちろん大事な部分はきちんと押さえますけど、そのキャラクターが自分の中に入った状態で出てくるものが一番正しいと思っているので、それをきちんと精度高く出せる自信と経験と技術を身につけたい、という意識でやっています」

佐久間大介
佐久間大介

――その考え方は、アイドルとしての活動や実写での芝居とも違いますか?

「役者として演じているときは、実写でも声でも一緒です。僕を見てほしいんじゃなくて、役を見てほしい。作品を楽しんでほしいんです。そこで佐久間大介がいると見えすぎてしまうと、作品を好きな人からしたらノイズになることもあると思うので。キャラクターがちゃんと生きていることが一番大事なんです。もちろん、アイドルとしてバラエティやSNSに出るときは、自分を見てほしいですし、自分を通して好きなものを広めたい気持ちもあります。でも、役のときはまた別。そこはちゃんと切り替えています」

――一方で、声優の経験が実写や音楽活動に生きていると感じる瞬間もあるのでしょうか?

「ちょうど声優のお仕事と映画の撮影が重なっていた時期があって、声でのキャラクターアプローチを実写に持ち込んでみたり、逆に実写で掴んだ感覚を声に持ってきたりしたら、すごくうまくいったことがあったんです。こうやってつながるんだなと実感しました。実写だと、後からアフレコをすることもあるんですけど、僕は映画でほぼアフレコをした経験がないんです。どういう状況でも台詞を明瞭に届ける、という意味では、声優の経験がすごく生きていると思います」

――原作ファンとして、アニメならではの演出で楽しみにしているポイントはありますか?

「やっぱりアクションシーンですね。この作品はアクションシーンが多いので、アニメでどれくらい動くのか、どういう表情になるのかはすごく気になります。原作では自分の想像の中で動いていたものが、実際に映像としてどう立ち上がるのか。シンの戦闘シーンも絶対にかっこいいだろうなって、すごく楽しみにしています」

(C)藤巻忠俊/集英社・「キルアオ」製作委員会

佐久間大介
佐久間大介

――佐久間さんは以前から、ご自身を内向的な少年だったと語っています。アニメや漫画は、そうしたご自身にとってどんな存在でしたか?

「一番大きかったのは、現実逃避と追体験ですね。非日常を追体験できる場所だったし、この世界に入りたいと思わせてくれる場所でもあった。でも現実には入れないじゃないですか。じゃあ何ができるかと考えたときに、キャラクターに近づくことはできるんだと思ったんです。この子だったら、こういうときに何て言うかな、どういうリアクションをするかな、そういうことを自分の中で試していくうちに、今の自分のリアクションの大きさや、キャラクターっぽさにもつながっている気がします。
僕は人間なのにキャラクター性が強いってよく言われるんですけど、多分ちょっと二次元っぽいんですよね(笑)。それは間違いなく、アニメや漫画からもらってきたものだと思います」

――作品の中には、世代を超えて刺さる台詞や姿勢も多いですが、特に印象に残っているものはありますか?

「たくさんあるんですけど、たとえば『おにぎり作ってもらったら、ちゃんとありがとう言わんかい!』という台詞があって。あれはもう、本当にその通りだなと思いました。少しおごりのある天才肌の子に対して、十三が人として大事なことをちゃんと伝えているんですよね。ありがとうとかごめんなさいって、当たり前すぎるからこそ、逆に忘れがちでもあると思うんですけど、でも本当はすごく大切なことなんだなと。そういうことをきちんと教えてくれる作品でもあると思いました」

――その感覚は、シンの"一途さ"にも通じるところがありそうです

「そうですね。僕自身も、仕事でもプライベートでも、愛がないと動けないタイプなんです。今のお仕事も、自分が好きなものだったり、そこに愛が生まれているもの、生まれそうだと思えるものじゃないとやりたくない、というのは自分の中で決めています。愛で動けるものだけ、という感覚ですね。
もちろんアイドル活動もそうですし、いろんな番組に出るのもグループへの愛があるからこそだし、声優のお仕事も自分がやりたいことだからやっている。根っこにあるのは、やっぱりそこなんだと思います」

――その"愛"の感覚は、好きでい続けられる理由にもつながっていますか?

「つながっていますね。僕、基本的に"永遠に加点方式"なんです。人と関わっていくと減点方式になっていく、みたいなことはよく言うじゃないですか。でも僕は、相手の嫌なところが見えてもそれも個性じゃんと思うんです。だから、あまりマイナスが生まれないんですよね。
唯一、人を嫌いになるとしたら、自分の仲のいい人とか、友達の悪口を言う人。それはさすがに嫌だなと思います。でも、それ以外はあまりなくて。だって、その人たちや作品がなかったら、今の自分はできあがっていないとわかっているから。だから守りたいし、一度好きになったらずっと加点方式でやっています」

――その考え方は、どうやって生まれたのでしょうか?

「たぶん、人と人を比べるのをやめたからだと思います。得意なものも違えば、好きなものも違うのに、なんで比べなきゃいけないんだろうと思ったんです。比べるより、その人が持っているものを伸ばしていったほうが、ずっと魅力的じゃないですか。そう思えるようになってから、人の嫌なところも"個性"として見えるようになったんです」

――素敵な考え方ですね

「事務所の中にもライバルはたくさんいますけど、あの人がこれをやっているから、自分も同じことをやろうではなくて、あの人がそれをやっているなら、自分はこっちを伸ばせばいいじゃんと考えるようになりました。そうすると、人を嫌いになる理由ってどんどん減っていくんです」

(C)藤巻忠俊/集英社・「キルアオ」製作委員会

取材・文=川崎龍也

TVアニメ『キルアオ』公式サイト

放送情報【スカパー!】

TVアニメ『キルアオ』
2026年4月11日(土)23:00〜テレ東系列にて放送
キャスト:三瓶由布子、和泉風花、梅田修一朗、佐久間大介ほか

詳しくは
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