「生き物は生きるヒントを与えてくれる」ココリコ・田中直樹の仕事観に影響を与えた原体験とは?
芸能界随一の「生きもの好き」として知られるココリコの田中直樹。
2026年4月11~12日に横浜赤レンガ倉庫にて行なわれた「ナショナル ジオグラフィック ワンダーキャンプ」では、恐竜の喉の化石(喉頭骨)を世界で初めて発見したナショナル ジオグラフィック エクスプローラー/古生物学者 吉田純輝と「恐竜大発見!驚きが、未来をひらく」ナショナル ジオグラフィック エクスプローラー スペシャルトークセッションを開催。
そのイベントの後で、ココリコの田中にインタビュー。生き物好きとなった原体験や、幼少期の驚きの体験などを聞くと、自分らしく働くためのヒントを答えてくれた。
――今回のイベントを終えての率直な感想からお伺いしたいです
「今日を迎えるのを、とにかく楽しみにしていたのですが、予想していた何倍も楽しい時間に皆さんがしてくださりました。4歳くらいのお子さんが、すごく芯を食った質問をされていたのが、とても印象深かったですね」
――たしかに、当たり前のように恐竜の固有名詞をスラスラと話している参加者の姿が印象的でした
「それこそ、ご一緒した吉田先生が物心が付く前、2歳のころから恐竜に興味を持っていて、そこから今につながるって話をされていて。そういう風に恐竜への興味を深めていって、未来の研究者、恐竜に関わる人を増やすことにもなるのかな、科学の方に進んでいかれる方とかもいるのかなと思うと、科学者の卵さんたちと時間を共有できて嬉しかったです」
――イベントを通して改めて気づいたことはありましたか?
「やはり吉田先生が世界で初めて喉の化石を発見されたこと、それによってコミュニケーションを取っていた、鳴いていたであろうことがわかると、どんどんいろんな仮説、想像が膨らんでいくことは科学において楽しいことだなと思いました。あとは、そういった1つの発見で、今までの常識が覆されることがおもしろいなって」
――今回のイベントは"驚き"がテーマでした
「驚くことの大切さについて改めて考えさせられましたね。それは大発見じゃなくて小さな発見でも、小さな驚きでもいい。見過ごさずに驚けるって気持ちが大事で、驚けること自体が楽しいんだなとイベントを通して教えてもらいました」
――田中さんが幼少期に驚いたことってなんでしょうか?
「僕が幼稚園ぐらいの時に、姉が玄関の先でカップラーメンを食べていて、急にそれをひっくり返しちゃったんですね。それを見た時に急いで水をかけなきゃって思って、すぐそこにあったホースを手にしたんです。それでホースを力強く握ったら水が2つに分かれて。それを見た時に"え、なんで水が2つに分かれるんやろ"って不思議に思って、じっと見ちゃって固まっちゃったんです。あれが驚きやったなと思います。しかも、その姉が大人になってからそのカップ麺の会社に勤めているというのもあって、なんだか色濃く覚えています。」
――田中さんは生き物好きとして有名ですがそれは幼少期から?
「子どものときから生き物が好きだったんですけど、テレビで動物番組を見るくらいで、特に研究者になろうと思っていたわけではありませんでした。ただ、生き物好きっていう話がお仕事で繋がっていくようになって、例えば今日のように吉田先生にお会いできて、直接お話を聞かせてもらうようになったことで、より一層、生き物の魅力に惹かれるようになったなと思っています」
――特に好きになったきっかけや、原体験はあったのでしょうか?
「30歳ぐらいの時に、ありがたいことに自分たちの番組をやらせてもらえるようになったり、仕事をたくさんいただけたりするようになったんです。ただ、その中で、求められるものに自分の実力がついてこなくて、うまくいかないことも多くなっていきました。そういったことから、人間関係もうまくいかなくなって。そのくせ体も疲れてるんやけど、寝る時間がなくて心も体もしんどいなって思うこと、頭がこんがらがることが増えていたんですね。
その時に、生物学上のカタカナの"ヒト"として自分を考えたときに、食べ物を食べれて、屋根があるところで寝ることができて、もう生き物としては最低限のことをできている、十分じゃないかと思ったんです。そう思えたら、今まで低かった自己肯定感がぐんと上がったわけではなくとも、普通くらいにはなって。そう思わせてくれたときに、生き物たちに対して感謝とか尊敬とかが芽生えてきて、より一層好きになりました。いろんな生き物たちが積み上げてきた、その先に僕たちがいるので、生きるヒントを与えてくれるところも魅力です」
――具体的に、どのような生きるヒントを得ましたか?
「本当にたくさんあるんですけど、コロナ禍でステイホーム期間中"しんどいな"って思ってたときには、ドウケツエビっていう海の中に住んでいる生き物を思い出していました。ドウケツエビは、洞穴に入ると一生そこから出られないんですよ。僕らはコロナ禍が落ち着けば、外に出られましたけど、今もドウケツエビは海の中にいる。そういうことを知った時に、よし頑張ろうって思ったりしましたね。
それから、生き物ってそれぞれ住んでる場所があるんです。海の中の生き物でも表層、中層、深海。ジャングルでも、地面、木の枝部分、葉の上みたいに。そう考えた時に、きっと人間界にも自分が住むのに適している場所があるって思っていて。そう思うと、肩の力が抜けました。うまくいかないことがあっても、自分に合った生き方を見つけられたらOKだなって。もしも今いる場所で上手くいかない人がいたとしたら、絶対合っている場所があると考えてみてほしいなと思います」
――素敵ですね。まさに新生活のタイミングなので、田中さんから読者の方にメッセージをお願いいたします!
「もちろん、今置かれている環境で一生懸命生きることも大事ですけどね。そこで生きなきゃいけないっていう環境だったら、どうやって適応するかって考えるのが生き物だと思うので、まずは目の前の状況に一生懸命になってみる、与えられた環境で生きることが大事なのかなと思います。実際、居続けることで、なんかいいところが見えてきたり、いろんな方向に道しるべになってくれるようなこともあったりしますからね。
実際に僕、若手のとき、テレビに出るより前は劇場の仕事しかなくて、当時は"また劇場か"って思っていたんです。今考えたら、それはどれだけ恵まれているのかってわかるんですけど、当時はやっぱりテレビが憧れだった。ただ、そのときに目の前の仕事を丁寧にやっていたら、お笑い好きのADさんが自分のお金を出して、いろんな劇場を回っている中で、僕らを見つけてくれて、ディレクターさんとかプロデューサーさんとの打ち合わせで僕らの名前を出してくれて、オーディションに繋がって......。何がどう繋がるかわからないから、目の前の仕事を精一杯頑張っていくしかないなって、その時に思いました。もちろん、あまりにも理不尽な環境に長く居続ける必要はないと思いますけど、とりあえずそこでやらなきゃいけないんだったら、全力でやってみるっていう考え方も時にはポジティブな方向へと繋がるんじゃないかなと思っています」
文・写真=於ありさ
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