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深川麻衣が見せる喜怒哀楽あふれる芝居 「日本ボロ宿紀行」で高橋和也と巡る味わい深い旅

2026/10/06

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映画やドラマで幅広い役柄を演じ、俳優として着実にキャリアを重ねてきた深川麻衣。柔らかな佇まいのなかに人物の感情をにじませる自然体の芝居で、作品ごとに異なる表情を見せている。

そんな深川にとって、地上波連続ドラマ初主演作となったのが、2019年に放送された「日本ボロ宿紀行」だ。本作で演じるのは、父の急死をきっかけに芸能事務所を引き継いだ篠宮春子。唯一残った所属歌手・桜庭龍二(高橋和也)とともに、売れ残ったCDを抱えて全国各地を巡っていく。

深川麻衣演じる春子が高橋和也演じる龍二と各地の
深川麻衣演じる春子が高橋和也演じる龍二と各地の"ボロ宿"を巡る「日本ボロ宿紀行」

©「日本ボロ宿紀行」製作委員会

深川が乃木坂46を卒業したのは2016年。その後は俳優として活動を本格化させ、2018年には今泉力哉監督の『パンとバスと2度目のハツコイ』で映画初主演を務めた。そして翌2019年、地上波連続ドラマで初めて主演を務めたのが本作だった。

深川が演じる春子は、父・一平(平田満)が突然亡くなったことで、27歳にして芸能事務所「スプリングロール」を継ぐことになる。所属タレントが次々と辞めていくなか、唯一残ったのが、かつて「旅人」というヒット曲を持つ龍二。大量に残されたCDを売り切るため、春子は龍二を連れて地方営業の旅へと出る。

©「日本ボロ宿紀行」製作委員会

そんな春子の人物像がよく分かるのが、第1話だ。芸能事務所の社長になったとはいえ、春子には業界での経験もなければ、龍二をもう一度売れっ子にするための秘策があるわけでもない。一方の龍二は、かつての栄光を引きずったまま、地方営業にもなかなか前向きになれない。年齢もキャリアも違う2人が、最初から息ぴったりというわけではないのだ。

そこで目を引くのが、春子の遠慮のなさである。龍二が相手でも、納得できなければはっきりと言葉を返し、腹が立てばそのまま表情に出る。柔らかな雰囲気を持つ深川だからこそ、その強気な言動とのギャップもどこか可笑しい。

©「日本ボロ宿紀行」製作委員会

とはいえ、春子は決して何でもできる主人公ではない。慣れない仕事に戸惑い、営業が思うようにいかなければ落ち込む。それでも、父が残したものをこのまま終わらせたくないという思いを胸に、龍二の背中を押し続ける。強がりと心細さが同居した春子の姿を、深川は大きな感情表現のなかにも細かな揺れを残しながら演じている。

そんな春子と龍二の関係が少しずつ変わっていくところも、本作の大きな魅力だ。最初は何かと衝突していた2人だが、各地を巡り、営業や宿での時間をともにするなかで、次第に互いへの理解を深めていく。そしていつしか、そのちぐはぐな掛け合いすら心地よく感じられるほど、2人の名コンビぶりに引き込まれていくのだ。

©「日本ボロ宿紀行」製作委員会

その変化が感じられる回のひとつが、第10話だろう。営業先で歌う龍二を待っていたのは、思うようにはいかない現実だった。かつてヒットした歌も、時代が変われば以前と同じように届くとは限らない。そんな龍二を前に、春子は何を考え、どう動くのか。第1話では父が残したCDを売ることに必死だった彼女の視線が、旅を重ねるなかで少しずつ変わっていることが見えてくる。

そして、春子と龍二の旅と同じくらい存在感を放つのが、タイトルにもなっている"ボロ宿"である。本作に登場するのは、日本各地に実在する宿。古びた外観、年季の入った畳や廊下、昔から使われてきた家具。華やかなホテルとは違うが、そこには長い年月を積み重ねてきた場所にしかない味わいがある。しかも、登場するのはいずれも実在する宿。春子と龍二の旅を追いかけているうちに、いつしか自分もその宿を訪ねてみたくなっているかもしれない。

©「日本ボロ宿紀行」製作委員会

「日本ボロ宿紀行」には、派手な事件が次々と起こるわけではない。けれど、その何気ない時間を見続けていると、いつの間にか春子と龍二のことが気になってくる。なぜ春子はここまで龍二と旅を続けるのか。龍二はこの旅のなかで何を見つけていくのか。春子と龍二とともに、日本各地を巡る少し変わった旅を楽しみたい。

文=川崎龍也

放送情報【スカパー!】

日本ボロ宿紀行
放送日時:2026年10月11日(日)21:00~ほか <2話連続> ※毎週(日)21:00~放送<2話連続>
チャンネル:旅チャンネル(スカパー!プレミアム)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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