実験的で自由度が高いアレンジなどが魅力のノエル・ギャラガー(オアシス)のソロ・プロジェクト「ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ」

ノエル・ギャラガー率いる「ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ」が2023年にフランス・パリで行ったライブを収めた「ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ:ライヴ・イン・パリ2023」が4月20日(日)にミュージック・エアで日本初放送される。
ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズは、ノエル・ギャラガーのソロプロジェクト。そのノエルは、言わずと知れた英国を代表するロックバンドの一つ"オアシス"の元メンバー。1991年にノエルと弟リアムのギャラガー兄弟を中心に結成されたオアシスは、1993年にクリエイション・レコーズのアラン・マッギーに見出され、1994年にシングル「スーパーソニック」をリリース。3枚目のシングル「リヴ・フォーエバー」が全英チャートのトップ10入りし、同年8月にリリースした1stアルバム『ディフィニトリー・メイビー』は全英1位を記録。翌1995年に2ndアルバム『モーニング・グローリー』をリリースするが、世界的に大ヒットを記録し、ビートルズの直系的なサウンドとスタイルで、この時点でブリティッシュロックの頂点に立つ存在になっていた。
「ロール・ウィズ・イット」やライブでは大合唱必至の「ワンダーウォール」「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」などメロディーが秀逸で、共感度の高いメッセージ性を含むリリックが特徴的な名曲がたくさん生み出していたが、メンバーチェンジも多く、ノエルとリアムの兄弟ゲンカも話題に絶えなかった。リードギターで、メインのソングライターでもあったノエルだが、兄弟間の確執の影響もあり、2009年8月にオアシスからの脱退を公式サイトで発表、これがオアシス解散につながっていった。
リアムらは新バンド「ビーディ・アイ」をスタートさせたが、ノエルは"バンド"というスタイルではなくソロプロジェクトとして「ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ」を始動し、2011年10月にアルバム『ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ』を発表した。アルバムに先駆けてシングルとしてリリースされた「ザ・デス・オブ・ユー・アンド・ミー」は自身が「これまでやってきたことのどれとも似ていない」と発言していた通り、新機軸となる新たな一面が感じられる楽曲に仕上がっていた。
続く「AKA...ワット・ア・ライフ」もダンスミュージックに向き合う楽曲で、いい意味でファンを裏切る楽曲となっていた。2014年10月に『チェイシング・イエスタデイ』、2017年11月に『フー・ビルト・ザ・ムーン?』といったアルバムをリリースし、オアシスとは違うソロプロジェクトとしてのスタイルと地位を確立。ソロ始動から10年が経った2021年には初のベストアルバム『バック・ザ・ウェイ・ウィー・ケイム:Vol.1(2011-2021)』もリリース。
オアシス時代は"バンド"というスタイルを重視したサウンド(アレンジ)が特徴だったが、ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズはバンド形式でライブを行なっているものの、やはり"ソロプロジェクト"ということで、実験的なことや、バンドにこだわらない音色・アレンジを取り入れるなど、自由度が高いところも大きな特徴であり魅力となっている。
2023年、アルバム『カウンシル・スカイズ』によって新たなディケードの一歩を踏み出したノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ。今回放送されるパリでのライブは、ちょうどそのタイミングで行われたものとなる。タイトル曲の「カウンシル・スカイ」をはじめ、オアシス時代の「リヴ・フォーエヴァー」なども演奏。ノエルの音楽性の広さがうかがえるステージになっており、熟成されたサウンドが楽しめるという意味でも必見のライブと言える。
オアシスの再結成、日本を含めたワールドツアーが大きな話題となっているが、ミュージシャン:ノエル・ギャラガーの注目度が高まっている今こそ、ステージでの臨場感あふれる歌と演奏、パフォーマンスを確かめてもらいたい。
文=田中隆信
放送情報
ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ:ライヴ・イン・パリ2023
放送日時: 4月20日(日)13:27~
チャンネル: ミュージック・エア
※放送スケジュールは変更になる場合があります