デビュー18年目の“アイドル”、SUPER JUNIORが愛され続ける理由とは?

2022/11/08 公開

演技派アイドルの先駆者として、数々のドラマに主演するシウォン。

2005年11月6日、大手芸能事務所SMエンターテインメントから、東方神起に次ぐボーイズグループとしてデビューしたSUPER JUNIOR。メンバーの加入・脱退などもありながら、2022年現在もグループ活動を継続的に行っている。アイドル寿命が短いとされる韓国では稀有な存在だ。

そんな彼らの形容詞として“マルチエンタテインメントグループ”という言葉がよく用いられるのだが、とにかく個性的なメンバーが集まっている。

グループのセンターを務めるシウォンは、その端正な容姿を活かして俳優活動も行ない、数々のドラマや映画に出演。主演を務める『恋愛なんていらない』の他、日本でもSexy Zoneの中島健人主演でリメイクされて話題となった2015年放送の『彼女はキレイだった』や『ダーリンは危機一髪!』など、人気作にも多数出演し、俳優としてもその存在を認められている。

トークや笑いのセンスで視聴者を沸かすイトゥク(左)、ヒチョル(中央)、シンドン(右)。

グループの年長組、“83ライン”と呼ばれる来年で40歳を迎える(全く見えないが……)イトゥクヒチョルはバラエティ番組で大活躍。

イトゥクはもはやメンバーから“MC病”と言われるほど、どんな場面でもMCとして振る舞い、その才能でテレビ番組から、音楽祭を始めとするイベントまでさまざまな場でMCを務める。安定したトーク力は各所から引っ張りだこで、日本でのオリジナル番組『SUPER JUNIOR-イトゥクのひとり旅~長崎編』にも出演。イトゥクが日本の名所をひとり旅するリアルバラエティで、得意のトークで地元の人たちとも交流しながら、その土地の魅力を伝える。

ヒチョルは人々を笑わせるトークセンスと、時には周囲からツッコミの的とされる独特の感性をも持ち合わせ、多くの番組にレギュラー出演中。放送中のアラフォー息子のプライベートをスタジオのお母さんたちと見守る大人気バラエティ『アラフォー息子の成長日記』では、母親を心配させる場面も多いものの、飾らない正直な姿で笑いを届けている。

“アイドル”という固定概念を覆すそのがっしりとした体格で、SUPER JUNIORの“ビジュアル担当”を自認するシンドンもバラエティ番組の常連。そもそも事務所のオーディションも“ギャグ部門1位”で合格という、笑いのセンスは天性のもの。恋愛推理サバイバルバラエティ『ラブマフィア』でも、そのトーク力が発揮されている。

SUPER JUNIOR-D&Eの名前で、ユニットとしても活動中のドンヘ&ウニョク。日本での人気も高い。

ウニョクドンヘの同級生で普段から仲の良い二人は、SUPER JUNIOR-D&Eというユニットでも活動中。SUPER JUNIORよりもダンサブルで実験的な楽曲や、自作曲など、それぞれの個性を色濃く反映したパフォーマンスが魅力。日本での人気も高く、ユニットでの全国ツアーやオリジナル・アルバムの発売など、精力的な日本活動を行なっている。特にファンの中では仲の良い二人のやり取りが好きという人も多く、その様子はヒチョルがレギュラー出演している『知ってるお兄さん』に、二人が出演した回でも見ることができる。

メインボーカルであるイェソン(右)、リョウク(中央)、キュヒョン(左)は、SUPER JUNIOR-K.R.Y.というボーカルユニットでも活動。

SUPER JUNIORのメインボーカルであるイェソンリョウクキュヒョンの3人は、それぞれに韓国でも日本でもソロとして楽曲を発表し、ソロライブも行っているが、SUPER JUNIOR-K.R.Y.というボーカルユニットでも活動する。3人とも一聴して個々の違いがわかる独自の歌声を持っているだけに、その3つの声が重なったときに奏でられる音色は絶品。また今では当たり前となったアイドルグループ内でのユニット活動を最初に始めたのが、このSUPER JUNIOR-K.R.Y.と言われていて、グループの中では表現しきれなかった各々の魅力を違った形で開花させた先駆者とも言える。

このようにメンバーそれぞれが自身の得意分野を生かす活動を行なっていると、グループとしての活動はおろそかになってしまいそうなのだが、そうはなっていないのがSUPER JUNIORだ。今となってはそこが彼らの最大の魅力のように思える。結成当初はケンカも絶えなかったと言うが、今はお互いの個性を認め合い、尊重し合っていて、だからこそ表現できる唯一無二のグループの色と強い絆が見える。デビュー10周年を迎えた2015年からは自分たちの単独レーベル「Label SJ」を設立。よりメンバーが深くかかわる形の音楽活動を行なっている。ワールドツアー“SUPER SHOW”も9回目を数え、現在は2022年7月のソウル公演を皮切りに“SUPER SHOW 9”を世界各国で開催中。彼らの幹であるアーティスト活動の勢いが絶えることはない。

現在(11月)のところ、“SUPER SHOW 9”の日本開催の発表はないのだが、8月に東京ドームで開催された“SMTOWN LIVE 2022”に出演し、日本のファンたちのその最新のパフォーマンスを披露した。その一週間前に韓国で開催された『SMTOWN LIVE 2022 : SMCU EXPRESS@HUMAN CITY_SUWON』は、一部、日本公演とは違い5年ぶりに再集結した少女時代や、EXOD.O.東方神起らのステージもありつつ、もちろんSUPER JUNIORも観ることができる。ぜひ、デビュー18年目を迎えても“アイドル”としてファンを楽しませることを忘れない彼らの姿を確認してみてもらいたい。

文:瀧本幸恵

写真提供:マイデイリー

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