クォン・ヒョンビンとソン・ジウが見せるムズキュンにときめく「愛のアンダンテ(原題)」

クォン・ヒョンビンとソン・ジウが共演するロマンチックコメディー「愛のアンダンテ(原題)」が、9月21日(土)よりKNTVで日本初放送される。本作は天才的なピアニストである韓国の男性と、ヴァイオリンの道を諦め薬学博士となった北朝鮮の女性との、ぎこちないながらも胸を震わせる恋を描くドラマだ。

本作の舞台は韓国と北朝鮮の国境付近に作られた架空の村である「平和村」。ここに韓国と北朝鮮の人々を1年にわたり住まわせるという南北統一へ向けたプロジェクトから物語が始まる。クォン・ヒョンビン演じるピアニストのジュヒョンとソン・ジウ演じる薬学博士のナギョンは、手違いから初対面にもかかわらず一つ屋根の下で暮らすことになり、互いに不満をぶつけながらも同居生活を営んでいく。

現実世界を踏まえてこのようなドラマが制作されることから、南北統一を願う人々の思いがうかがえよう。韓国と北朝鮮の人々が共同生活を送るという斬新なテーマに海外の視聴者も高い関心を寄せているようだ。

そんな作品の主演を務めるのは、演技だけでなく歌手やモデルなど多方面で活躍するクォン・ヒョンビンだ。近年では「赤い袖先」に出演して話題となった彼が演じるのは韓国のトップピアニストであるジュヒョン役で、頑固で他人を信用できないという癖の強いキャラクターに扮する。

天才ピアニスト役というだけあってクォン・ヒョンビンが涼しげな眼差しや人を寄せつけないオーラを存分に発揮する一方で、そんな彼が見せるコミカルな演技も見どころの一つ。予期せぬトラブルに巻き込まれたり、村の人々から無茶を言われて困り果てたりと、コメディーシーンではクールな相貌が崩れるのもいとわない。本作のコメディー要素は彼によって支えられていると言えるだろう。

もう一人の主人公を演じるのは、ドラマ「ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜」での好演で話題を集めたソン・ジウ。今回の「愛のアンダンテ(原題)」で初主演を務める彼女が演じるのは、北朝鮮高官の娘で薬学博士のナギョン役だ。理性的で冷静沈着、恋愛に関しては本で学んだという彼女は、クォン・ヒョンビン演じるジュヒョンとの出会いを通じて心を動かされていく。

ナギョンはあまり感情を表に出さないキャラクターで、エリートということもあり孤高の雰囲気を醸し出している点が印象的だ。しかしそんな彼女がジュヒョンとの間で起こる出来事によって冷静さを装いながらも動揺するさまを、ソン・ジウはわずかな表情の変化で的確に表現しており、数々のドラマで評価されてきた彼女の演技力を目の当たりにできる。

本作のタイトルに「アンダンテ(歩くような速さで)」という音楽用語が入っている点からもうかがえるように、音楽的な演出が繊細な恋模様を彩っている点もポイントの一つ。クォン・ヒョンビンは天才ピアニスト役を、ソン・ジウはヴァイオリニストを志していた女性の役を演じており、互いに素直な気持ちは言えないながらも音楽を通じて心を通わせていくシーンが目を引く。微細な心の変化を繊細に表現する2人の演技が、美しい音色に乗って甘いときめきを奏でてくれることだろう。

文＝元永真