今押さえるべき俳優パク・ヒョンシク。彼の多彩な魅力に触れられる4作品を解説!

2022/12/06 公開

除隊後『ハピネス』でお茶の間に復帰したパク・ヒョンシク。ハン・ヒョジュとの共演が話題に。

ボーイズグループZE:Aの一員として’10年にデビューしたパク・ヒョンシク。’21年の除隊後にはドラマ『ハピネス(原題)』で活動を再開し、スター性と優れた演技で改めて注目を集めている。12月は初放送の2作も含めた主演作4作のテレビ放送が決定。彼の成長の軌跡が見られる、どれも見逃せない作品ばかりだ。

弱視のピアノ調律師に扮した日本初放送の映画『二つの光

視力を失いつつあるピアノ調律師のインスは、視覚障害者のアロマセラピストのスヨンと写真同好会で知り合う。自分の運命に悲観的だったインスは、前向きなスヨンと惹かれ合うようになるが、二人の心はちょっとしたことですれ違ってしまい……。『八月のクリスマス』『四月の雪』などで知られるホ・ジノ監督が手がけた短編ラブストーリー映画。大手企業が開発した弱視者サポート用のスマートグラスの普及用に作られた。ヒョンシクは、徐々に見えなくなっていく弱視者という難役を繊細に演じ、テーマ曲も歌った。スヨン役のハン・ジミンと一緒に視覚障害を持つ人たちに話を聞いて、アドバイスをもらったそうだ。監督と二人の好演によって叙情的な味わいのある、すてきな作品に仕上がっている。

謎の感染症に立ち向かう刑事を演じた最新作『ハピネス(原題)

刑事のイヒョンは警察特攻隊員のセボムに高校時代から思いを寄せている。ある日、新築の高層マンションに警察の優先枠で入居できると知ったセボムから頼まれ、条件を満たすために書類だけの結婚を承諾。まがりなりにも同居することになってうれしいイヒョンだが、そのころ感染した人が狂人化するという謎の感染症が確認され、感染者が出た彼らのマンションは封鎖されてしまう。軍隊除隊後、初の主演ドラマでハン・ヒョジュと初共演。意外に頼もしいイヒョンとセボムの関係の変化が見もの。『秘密の森〜深い闇の向こうに〜』のアン・ギルホ監督が、極限状態の中の人間の赤裸々な姿を硬質なタッチで描き出した。

ヒョンシクが最高にかっこいい『力の強い女ト・ボンスン

女性だけが怪力を持つ家系に生まれ、力を隠して暮らすボンスンは、ある日ゲーム会社のCEOミンヒョクに偶然怪力を発揮したところを見られ、何者かの脅迫を受ける彼のボディガードを務めることに。同じころ町内で殺人事件が発生。偶然犯人を目撃したボンスンを幼なじみの刑事グクドゥが守ろうとする。グクドゥに片思いしていたボンスンだったが、いつしかミンヒョクと引かれ合うように。ヒョンシクのかっこよさが際立つキュートなラブコメディ。ボンスン役のパク・ボヨンの小動物のようなかわいさと怪力のギャップがラブリー。何よりもミンヒョクのツンデレぶりが微笑ましく、この姿のおかげでファンが急増した。彼らが殺人事件を解決していく過程も面白く、サスペンスとしても楽しめる。

陪審員になる普通の若者を好演した映画『8番目の男

韓国で初の国民参与裁判が実施されることになった’08年、さまざまな職業や年齢の陪審員が8人集められて殺人事件の裁判に参加することになる。母親を殺した罪に問われた被告は犯行を認めており、量刑を確定するだけで終わると思われたが、被告が突然容疑を否認。再び話し合いが始まる中、8番目の陪審員のナムが容疑者は義手だと気づいて、被告の犯行に疑問を呈する。ヒョンシク入隊前の最後の映画は、実話を基にしたヒューマンドラマ。自然体の演技でごく普通の青年ナムを好演。個性あふれる陪審員たちの突飛な発想や行動に振り回される裁判長をムン・ソリが演じている。

切ないラブストーリー、サバイバルスリラー、胸キュンロマンス、ヒューマンドラマと、それぞれジャンルの違う秀作4作品が並んだ。この機に俳優ヒョンシクの異なる魅力をたっぷり味わってみてはどうだろう。

文:小田香

写真提供:マイデイリー

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