三浦春馬が豪華キャスト陣のなかで見せる表情の変化!観客に希望の光を届ける熱演

観客動員710万人を突破し、最終興収87.6億円の大ヒットを記録した映画『永遠の0』。ゼロ戦パイロットの謎を紐解いていくかのようなストーリー展開、迫力のアクションシーンも見ごたえがあり、幅広い世代から支持を集めた。
現代と戦時中の2つの時代を行き来しながら、浮かび上がる愛、命の尊さは、2013年の公開から時が経った今なお、見る者の心を奪うもの。主演の岡田准一をはじめ、三浦春馬、井上真央ら人気と実力を兼ね備えた豪華キャスト陣の熱演によって、いつの時代も見返したい感動作として完成している。

(C)2013「永遠の0」製作委員会
主演の岡田が演じたのは、太平洋戦争末期に天才的な操縦技術を持ちながら、生還することにのみ執着し、仲間から"臆病者"と蔑まれた男・宮部久蔵。2004年の現代で、司法試験に落ちて進路に迷う佐伯健太郎(三浦)は祖母・松乃の葬儀の日に驚くべき事実を知らされる。実は自分と祖父・賢一郎(夏八木勲)には血のつながりがなく、"血縁上の祖父"が別にいるというのだ。それこそが宮部久蔵で、健太郎は宮部のことを調べるために、かつての戦友のもとを訪ね歩いていく。
戦時中パートでは、岡田が壮絶な時代を生きた宮部の葛藤を見事に体現しており、その鬼気迫る芝居は圧巻の一言。宮部が何を思い、何を残したかったのかがひしひしと伝わり、どの瞬間からも目が離せなくなる。宮部の戦友を演じたキャストたちも、濱田岳、染谷将太、三浦貴大、上田竜也ら個性豊かな面々が顔をそろえている。
(C)2013「永遠の0」製作委員会

(C)2013「永遠の0」製作委員会
現代パートで鮮やかな印象を残すのが健太郎役の三浦だ。健太郎は「家族のもとへ必ず還ってくる」と誓っていた宮部がなぜ特攻を選んだのか、宮部の足跡を辿っていく。その過程で出会うかつての宮部の戦友たちに扮したのは、平幹二朗、橋爪功、田中泯といった名優たち。祖父役の夏八木もそうだが、そういった錚々たる大ベテランと対峙しながら、観客と同じ目線で宮部の謎に迫っていくという難しいポジションを、三浦がみずみずしく演じている。
(C)2013「永遠の0」製作委員会
本作を観ても、三浦は光のような俳優だと感じる。映画冒頭ではこれといった目標が見つけられずブラブラと過ごす健太郎としてぼんやりとした光だったものが、「宮部はただの臆病者ではなかった」と知った時にはなんとも明るい光を放ち、「宮部のことをもっと知りたい」と心の奥底から情熱が湧いてくる場面では、ギラギラとした光に。宮部が遺したメッセージを健太郎が胸にするクライマックスでは、観客にも希望の光を届ける存在となる。
(C)2013「永遠の0」製作委員会
田中泯演じる男から「だいぶ面構えが変わってきたな」と評される健太郎だが、その言葉には大きくうなずきたくなる人も多いはず。彼の表情の変化は本作の大きな見どころで、現代パートを丹念に作り上げた三浦の演技にもぜひ注目してほしい。
文=成田おり枝
放送情報【スカパー!】
永遠の0
放送日時:2022年5月7日(土)21:00~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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