伊藤節生と櫻井孝宏が「モブサイコ100」最新作を語る

外見はいたって普通だが、実は強力な超能力の持ち主の男子中学生・影山茂夫、通称モブ。師匠であるインチキ霊能力者・霊幻新隆が営む「霊とか相談所」で厄介な依頼を手伝う日々を送るモブの、一筋縄ではいかない青春を描くバトルアクションシリーズ第3弾「モブサイコ100 Ⅲ」が、10月7日(金)よりカートゥーン ネットワークで放送される。超能力者による世界征服を目論むテロ組織「爪」のリーダー・統一郎とモブとの壮絶な戦いの決着を経て、調味市に現れた巨大なブロッコリーと、主人公・モブのサイキックな日常を描く人気シリーズの第3期が満を持して映像化される。
今回、モブ役の声優・伊藤節生と、霊幻新隆役の櫻井孝宏にインタビューを実施。約3年ぶりとなる新シリーズにかける思いなどを聞いた。

――第3期始動の一報をお聞きになった時の率直な感想をお聞かせください
伊藤「嬉しかったです。あと、第2期から期間がかなり空いていたので『やっと来たか!』みたいな感じでした。作品のいちファンとしても、アニメ化第3期を待ち焦がれてましたし、自分がお芝居をする側としても『やりたい』と思っていたので、『とうとう来たな』という気持ちが最初は一番強かったですね。『モブサイコ楽しみにしています』という言葉を直接かけてくださる方も多かったので、『本当にお待たせしました!』みたいな気持ちでいっぱいでしたね」
櫻井「もう嬉しいですよね。作品の続きを観ることができるのもそうですけど、我々的には制作できること自体がやっぱり嬉しいです。続きができるってことは、皆さんにそれだけ支持されているというか、求められているっていうことでもあるので、素直に嬉しかったです。そして、また皆に会えるのが嬉しかった」
――第3期の台本を最初にお読みになった時の感想は?
櫻井「このご時世なので、収録はおそらく全員では無理だろうなと思っていたんですが、さすがに長いこと関わっている作品なだけあって、他のキャストさんの声は脳内で補完した感じでしたね。あとはもう『完成が楽しみだな』みたいに、割と気楽な感じでした。大変なのは伊藤君だろうなと思ったので(笑)。出来上がった映像も素晴らしかったです。」
伊藤「『気合いを入れ直さなきゃな』と思うぐらい、頑張らなきゃいけないと思ってて。アフレコ現場ではエクボ役の大塚明夫さんとも直接会話をさせてもらいながらお芝居させてもらったんですけど、やっぱり偉大さを感じちゃいましたね。ほかの役者さんもそうですが、1対1で演じると、モブ君としてではなく"役者・伊藤"としてこみ上げるものがあって。『すごい方とお芝居させてもらってるんだな』というのを改めて噛みしめながらアフレコさせていただきました」

――長きに渡って演じられているシリーズですが、その間、ご自身で感じる変化などはありましたか?
櫻井「年くったな、と思いますね。重ねた、って言った方がいいですかね(笑)。それはまあ悪いことじゃないなと思ってて。この仕事は50代手前でも高校生の役をやったりとか、ある種アメイジングな仕事ではありますし。『モブサイコ』は、大人でも子供でも楽しめるキャパシティの大きな作品なので戸惑いはなかったんですけど、それでもやっぱり少しずつ考え方が変わっている気はしますね。あまり影響を受けないタイプなんですけど、自分の刺激になるようなものは都度都度拾っていこうかなと思って生きているので、少しは変わったと思います。ただ、それが成長と言えるかどうかですね(笑)」
伊藤「当たり前のことなんですけど、第1期の時は25歳くらいだったので、こんなことを言ったら世の中の30代の方に喧嘩を売るようですが、本当、おじさんになったんじゃないかなと思って(笑)」
櫻井「それ大事だよね。世間一般の30代はおじさんだ!(笑)」
伊藤「それこそ25歳でも世の中ではちゃんとした大人なんですけど、新人だったので、当時は純粋に『頑張るぞ!』みたいな気持ちで。どんどん大人になって、ある意味落ち着いたというか色々なことに焦ったり慌てたりということはかなり減ったなと思うので、ちゃんと年齢を重ねられていたらいいな、と自分では思います」
――作品内に登場する「脳感電波部」と「肉体改造部」に勧誘されたとしたら、お2人はどちらを選びますか?
伊藤「僕は、このご時世ですので肉体改造部です。運動不足だったり、年齢的なものもあるんですけど、背中から横にかけての肉が全然落ちなくなっていて...」
櫻井「落ちないよね。もっと落ちなくなるよ」
伊藤「鍛えたいとは思ってるんですけど、なかなか1人じゃ続かないので、武蔵部長ぐらい力強くやらせてくれる人が欲しいなって思います。僕自身は、日常では脳感電波部ぐらいだらだらしてる人間なので、それは部活でやらなくてもいいかな(笑)」
櫻井「肉体改造部はハードな筋トレが喜びになってくるんでしょ?いやー、怖い!僕は脳感電波部ですね。もともとあっち方面が好きなんですよ。UFOとかUMAとかが。脳感電波部の部長・トメさんぐらい本気で取り組めそうです。脳感電波部でちゃんと頑張れそう。あのダラダラした雰囲気も好きなんですよね。本当にあったら実際入りたいぐらい。塩中学校に通っていたら、確実に入部してますね」

(C)ONE・小学館/「モブサイコ100 Ⅲ」製作委員会
――最後に「モブサイコ100 Ⅲ」の放送を楽しみにされている皆さんへメッセージをお願いします
櫻井「できれば1期から見てほしいなあ、というのが一つありますね。3期は結構ビターで大人な肌触りの作品になっているかなと思うので、ためらいなくオススメできる作品です。とにかく絵がすごくて、フィルムの素晴らしさだけで見られてしまう作品なので、とりあえず触れて触って欲しいなあ、と思います。そうしたらきっと『モブサイコ100』という作品を好きになっていただけると思いますので、よろしくお願いいたします」
伊藤「櫻井さんが仰った絵はもちろん、映像や音楽、キャラクターのデザイン性だったり、ヒューマンドラマ的なところであったりと、何でもいいので、一つでも気になる部分がありましたら、ぜひ1期からご覧になっていただきたいですね。見てくだされば必ず心に残るシーンやお話は絶対あると、僕的には自信を持って言える作品なので。そして、1期から今まで見てくださっている方々に関しては、まずやっとお見せできるという状況なので、ぜひ全力で楽しんでもらいたいです!2期までの間に成長したモブくんの今後を一緒に見届けてほしいなと思います」
取材・文=中村実香
放送情報【スカパー!】
モブサイコ100 Ⅲ
放送日時:2022年10月7日(金)17:00~
チャンネル:カートゥーン ネットワーク
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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